第十三話 カメラ②
デジカメを構えレンズ越しにユラリを見る。
「映ってる!映ってますよ、ユラリさん」
デジカメの画面にユラリが映る。
そのままシャッターを切る。
なんだ、普通に撮れたじゃないかと思いながらカメラを確認する。
撮った写真を再生すると、ユラリの姿が見えなくなっている。
「あれ?」
「どうでしたか?」
「撮れてないです」
「やっぱり。ちょっと映れる様に頑張りますね」
ユラリが真剣な顔をする。
何かを放っているんだろうか。
次こそはとユラリが映る様にと念じる。
幽霊が映る様に、心霊写真が撮れる様に。
オーラ的なものを感じ取れる様に頑張る。
勿論そんなものを撮った事は無いから全て想像である。
「画面にはバッチリ映ってるんですけど」
言いながらカシャリと写真を撮る。
「なんか映りました」
写真を再生してみると、テレビでよく見る心霊写真の様に白い光の球が出ている。
ユラリに画面を見せる。
「おお!ももかさん、凄いですね」
「意外と出来るものですね」
この調子ならユラリを撮ることも出来るかも知れない、とそのままシャッターを切り続ける。
10回ほど連続で撮影する。
しかし白い球以上の物は写真に映らない。
「いけると思ったんだけどな」
「今度はももかさんを撮らせてください」
「私を撮ってもなんにもならないですよ」
「カメラを使ってみたいです。おねがいします」
「それなら、景色を撮りましょう」
そう言ってユラリにカメラの操作方法を教える。
普通に持つことはできる様だ。
なんで写真を撮ることは出来ないんだろう。
カシャリ、とユラリが海の写真を撮る。
「どうやって確認するんですか?」
「えっとですね、ここのボタンを押してください。直前に撮ったものが再生されます」
ユラリがボタンを押すと画面いっぱいが海になる。
「ユラリさんを撮るにはどうしたらいいんでしょう。霊感的なものを鍛えたら出来るんですかね」
「さあ……?」
言ってはみたが、霊感の鍛え方なんて分からないし、恐らくそんな才能もない。
絵を描くのが上手くなればユラリの姿を残すことが出来るんだろうか。
考えているとパシャリとこちらに向かってライトが焚かれる。
「ユラリさん、今撮りましたね」
「はい。上手く撮れました」
ユラリはニコニコと悪びれずに答える。
後で消せるからいいか、とユラリのしたいままに放っておくことにする。
さっきまで映る様に協力してくれてたし。




