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案件3 魔女裁判 18

 アユカの言う通り、スポーツは素晴らしいものだ。勝ち負けはあるにはあるが、勝っても負けてもそれなりのものが残る。自分自身を磨くと言えば、格好つけすぎかもしれないが、まさにその通りなのだ。

 

 みんなからの励ましの言葉。とても嬉しかった。

 顔を合わせれば、悪口の言い合いしかしないヒトミから、折りいって殊勝な言葉を掛けられると何だか照れ臭い。

 私の口が悪いのは簡単には直らないが、ヒトミのことは無二の親友だと思っている。かなり頭と尻の軽い奴ではあるが。

 

 流石は女子高。2/14が近づくと、みんな何かしら話題が恋愛談義に集中している。

 共学なら義理でもあげる相手がいるが、女子高では空しいかな。女同士で友チョコを贈り合うしかない。せいぜいあとは教師だ。

 一年の時はまことに閉口した。

 私にはバレンタインデーなんて関係ない。どころか苦手だ。親兄弟にもやったことはない。

 しかし、うちの弟はまだ小学生なのだが、毎年一個か二個は貰ってくる。それに比べて父親なんか、母親以外にくれる人はいないらしい。

 まあ私も父と一緒で甘いものが駄目なので、貰っても困るだけだろう。


 母親はそれを知っていて、結婚前のバレンタインに手編みのマフラーを父にプレゼントしたらしい。それは母ではなく祖母の手によるもので、まんまと騙された父も哀れというものだろう。

 今は毎年ブランドもののセーターを贈られて、休みの日には喜々としてそれを着る父と、まあ夫婦仲はいいらしい。

 祖父は、バスケに熱中して男勝りな私を心配して、自分が死ぬまでに婿を見つけるつもりらしい。

 祖父には可愛そうだが、人の敷いたレールの上を走るつもりはない。が、そんなことを言っていると完全にき遅れそうなので、ここは年長者の意見に従うのも得策かもしれない。

 

 何だか、私の発言もバレンタインに触発されて浮いたものになってしまった。少し自分が馬鹿みたいだ。

 それじゃまた。

  next→シホ


 シホ→ディアフレンズ 2/16

 三学期って学校行事が多くて疲れるわ。

 一月は実力テストと模擬試験。二月は三年生の送別会。バレンタインというイベントも忘れては駄目ね。三月になればなったで、卒業式に、明けて次の日は創立祭。

 それが終われば期末テストでしょ。本当に息をつく暇もないわ。


 劇の稽古だけでなく、二六日の三年生の追い出し会の準備もあるから、もう放課後は手一杯。

 でも、送別会では恒例のフィルム上映だけだから、まだ楽よね。一年生で編集が上手な子がいるから、もう任せっきり。

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