案件3 魔女裁判 6
臨教のヨハン=マクドナルドだか知らないが、男の癖に髪を伸ばしているのがいただけない。あんな女みたいな奴のどこがいいのか。
男はやっぱり硬派なのがいい。さっぱりした気風で、スポーツマンだったら言うことはないが、女子高でそれを望むのは無理というものだ。
まあ、中学は共学だったが、それでも目ぼしい男はいなかったと思う。
アユカやシホは、私が男嫌いだと思っているようだが、断じてそんなことはない。私にも理想くらいはあるのだ。
それにしても、どうしてよりにもよって、創立祭の実行委員にヒトミが立候補して選ばれてしまったのか。
荷が重いということもあって、誰もが敬遠する中、目立とうとするヒトミの性格を疑う。
今年は記念すべき蘭女の三十年祭だが、ヒトミが実行委員なんか務まる訳がない。せいぜいユリさんの邪魔にならないように。
そういえば、三学期の始業式の日に転校してきた近藤さん。いつも昼食時にいないけれど、どこかで一人で食べているのだろうか。
まだ転校したてで友人もいないようだが、もしみんなが良ければ今度昼食に誘ってみないか。
この蘭女にいじめなんて愚かしいものはないが、彼女も慣れない新生活に心細い思いをしているだろう。
明日は英語の小テストだ。面倒臭い。
週に一度の小テストなど、テストの内に入らないとシホは言うけれど、どうせ中間期末で単語辞書から出題するのだから、覚えるのは二度手間になるじゃないか。
もう夜も遅いので、寝ることにする。テスト勉強は朝の電車の中で十分だ。
私はアユカやシホのように、いい大学には入れないだろうが、スポーツ推薦でどこかにはひっかかるだろう。
それじゃまた。
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シホ→ディアフレンズ 1/15
今日の夕焼けは、怖いぐらいにきれいだったわ。西の空が真っ赤に染まっていて、建物も何もかも、赤いフィルターがかけられているかのように見えたんです。
アユカさんの書いた詩を思い出したわ。いつもいつも感じることだけど、アユカさんの詩は本当に心に響きます。
『国境の彼方』 短く簡潔な文章の中に、鋭い感性とアユカさんの思いが凝縮されているようで、圧倒されてしまいます。
また新しい作品ができれば、見せてね。
毎日部活で大変だろうけど、授業中に熟睡してしまうのはいけないぞ、リナちゃん。
でもあの練習量を考えれば、それも無理はないわね。それに比べて、私は遅くまでテレビを見ていただけだもの。




