表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
114/201

案件3 魔女裁判 33

 ずっと黙っててごめん、アユ。どうしてサワダさんが殺された日の早朝に、リナが学校にいたか。

 それはあたしが手紙で呼び出したからよ。差出人を、ミシェル=ハワードということにして。ちょっとからかってやろうと思っただけなの、信じて。

 リナの気持ちをそれとなくシーちゃんから聞いて、ちょっと意地悪してやろうと思っただけなの。


 だってあたしに、何にも言ってくれなかったじゃん。親友なのに、一言も言ってくれなかったじゃん。

 きっとこのこと話したらリナは怒るだろうから、それが怖くて黙ってたの。でも、凄く悪いことしたなと思って、それにアユがリナのこと疑ってるから余計にそう感じて……。


 だから礼拝堂で告白しようと思って……。

 

 どうして礼拝堂に入るのを、近藤さんが止めたのか。彼女、知っていたのかしら。

 ハワード先生が礼拝堂で殺されていたことを。礼拝堂内は、血と肉片で覆い尽くされてたんだって。

 そんな滅茶苦茶なことってある?

 学園側がそれを隠していたのは当然だわ。

 

 リナは、あたしのこと許してくれないでしょうね。当たり前だわ。自業自得だもの。

 

 交換日記を始めてもうすぐ一年。もう何冊目のノートかしら。せっかく今まで仲良くしてたのに。もう駄目だね。みんなバラバラになっちゃったもん。

 ううん。そうじゃない。もともとバラバラだったんだ。ただ表面的に取り繕って仲良しごっこしてただけ。

 全部壊れちゃったね。何もかも。

 これが最後かもしれないけど、またね。バイバイ。

  next→アユカ


 アユカ

 聖蘭女子で起こった一連の事件で、最初に殺された哀れな被害者は、失踪したと思われていたミシェル=ハワードその人だったのですね。

 

 『誰が駒鳥を殺したの

 それは私と雀が言いました

 私のこの矢とこの弓で』

 

 マザーグースにある『誰が駒鳥を殺したの』という歌の出だしです。これから延々と、死んだ駒鳥の為に鳥たちが葬式の段取りを決め、雀に対する裁判を行っていくのです。

 

 マザーグースは英国独特のウイットに満ちていて、子守歌や囃歌・謎かけ歌の形をとりながら、残酷なブラックユーモアとシュールさを持っています。

 

 私の作品に、暗いイメージがつきまとうというシホさんの指摘。その通りだと思います。

 病気の為に中学浪人を余儀なくされた私は、皆さんもご存じのとおり一才年上です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ