表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
113/201

案件3 魔女裁判 32

 自殺騒ぎが深刻化する前。この学園のことをどう思うか、近藤さんに聞いてみたことがありました。

 こちらも儀礼的に聞いただけなので、今まで忘れていたのですが。思い起こせばあの人は、何だか怖い感じがします。

「素敵な学校だと思います。生徒は良家の子女ばかりで、教師の質も高い。整った設備と、古いものを懐かしむアンティーク趣味の校舎。まるで――そう。ガラスの温室だわ。薔薇の花が見事に咲き誇る。小さな王国。ここは、あなた達にとってそういう場所ね」

 それが、彼女にとっては、化け物の巣窟にしか見えないなんて、皮肉なのか何なのか。

 

 この学園も変わってしまったわ。美しい園は、心ない者に蹂躪されてしまった。悪魔を連れてやってきた者がいるのよ。私達のクラスにこそ、魔女が紛れ込んでいるんじゃないかしら。


PS.リナちゃんとヒトミちゃんが、早く仲直りできますよう。

 たかが礼拝堂にヒトミちゃんが行こうとしただけのことで、なぜだなぜだと詰め寄るのはよくないわ。何をしようと勝手だと怒るヒトミちゃんも、もっともなこと。

 でも、ヒトミちゃん。リナちゃんに何か負い目のようなものを感じていない? 何だか早く謝りたがっているようだけど、意地を張っているんでしょ。

 お互い本当のことを言った方がいいわよ。

 私とリナちゃんの仲は、壊れてしまったみたいだけどね。

 

 もうすぐノートが終わるわね。私達の関係も、このまま終わるのかしら。

  next→ヒトミ

 

 ヒトミ→ディアフレンズ 3/1

 ヒトミの予想が、当たっちゃった。休暇の届けもなく姿をくらましていたハワード先生が、実際のところとっくに殺されていたなんてさ。

 やっぱりって言うか、そうだったのかーって感じ。もうどうでもいい。どうして殺されたのかも、犯人は誰とか、もうそんなことどうでもいいよ。もう疲れちゃった。

 

 シーちゃんは、近藤さんが魔女だと言いたいみたいだけど、もうそうやって人のこと疑うのやめようよ。推測ばっかりで、馬鹿みたい。

 悪魔は外から忍び寄ってくるものではなく、内側にいるものだって、聖書にもあるわ。

 

 今のあたしらの状態って、それこそ内側の悪魔に支配されているのと同じだわ。甘い囁きは、誰かがするんじゃなく、自分自身の内から発せられているのよ。


 リナと喧嘩したこと後悔してる。カッとなってつい色々言ったけど、本当はあたしその時に言うことがあったの。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ