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案件3 魔女裁判 31

 人を馬鹿にするにもほどがある。それに、六組のサワダさんと私の間には何ら関係はない。なぜ殺す必要がある。

 殺された六人は部活も運動部、文化部。帰宅部と共通点する点は見あたらないし、寮生と在宅通学者の比率も4:2で別段不信はないだろう。

 一時的にせよ、シホに疑いの目を向けたのは悪かったと思う。

 それよりも誰かさんはクリスチャンぶって、ごたいそうな御託ばかりを並べているが、どうやら猫をかぶっていたようだ。洗礼を受けたのも、何かの足しになると思ったからじゃないのか。

 全てが壊れていく。今まで作り上げてきた全てが。

  next→シホ


 シホ→ディアフレンズ 2/27

 七人目が死んだ。七度目の偶然は、起こりませんでしたね。アユカさんは学校に来ていたもの。

 事件が起こった日に、現場に居合わせなかったというのは、立派なアリバイでしょう。まさか、リナちゃんがアユカさんに疑いの目を向けているなんて思いもしませんでした。

 私も早々に、容疑者から外されてよかったと思うばかりよ。私達の間で隠し事はいけないって言ってましたよね。

 嘘もつくのもいけないわ。だから私も本当のことを書いておきます。私、リナちゃんがハワード先生のことが好きなの知ってるわ。そして、ハワード先生の気持ちも。

 リナちゃんの背の高い細身の身体と、日本人形のようなぱっつんボブヘア。

 西洋と東洋の混在、はっきりした性格と、不意に覗く女らしさのアンバランスさが好みだと言っていたわ。私の友達だと知って、色々と聞いてきたもの。あの人、かなり悪いことしてるわよ。

 

 三年の先輩と関係があったとか、一年の子でいたずらをされた子がいるとか。本人に相談されたのでそれは嘘ではないでしょう。

 しかし、ハワード先生はリナちゃんには崇拝めいた感情を持っていたようでした。


 リナちゃんの気持ちも知っていて、なぜ何も言わなかったのか。どうしてか教えてあげましょうか。

 私もハワードが好きだったのよ。もう過去形だから言えるのよね。リナちゃんが、ずっとイライラしたり心配そうにしているの、やっぱりハワード先生が心配なんでしょう。

 

 アユカさん、あなたの描く世界は奇妙に歪んでいて、光り輝く美しい闇を思わせるわ。詩も小説も。何だか見てはいけない世界を、覗いているような気になるもの。

 それと、アユカさんが近藤さんに近付かない方がいいと言うのも、分かるような気がします。

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