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案件3 魔女裁判 24

 采配上手な彼女らしからぬミスだと、指摘されても仕方がない。

 ユリさんも送別会に卒業式に創立祭と、生徒会役員が率先して行事に当たっているので疲れているのだろう。


 それに深刻な人手不足も否めない。優秀な人材の不足は、上に立つ者にこそ皴寄せが集まるものだからだ。いっそのこと創立祭を延期にでもすればいいのに。

 とんだ騒動に巻き込まれたと言うのなら、近藤さんだけでなく、ヨハン=マクドナルドも忘れてはいけないだろう。

 蘭女始まって以来の汚点だ。なぜ三人もの生徒が死ななくてはならなかったのか。何が原因なのだろう。

 

 学校が理由を伏せているのは、まことにおかしな話だ。学業に差しつかえが出るなど、言い訳に過ぎない。

 学園はすぐさま事実を公表すべきだ。話ばかりが先行して、クラス内も妙に過敏になっているではないか。

 

 そう言えば、死んだのは三人とも寮生ではなかったか?

 しかし、シホは六組のサワダさんと面識がないと言っていた。そんなに寮生がいる訳でもなく。たいして大きくもない生徒寮だ。

 まあ、そんなことはどうでもいいことか。

 それにしても、この学園は悪魔に魅入られたのだろうか。青ひげでなく、ジャック・ザ・リッパーだ。


 アユカにはもう言ったが、シホも気にしているようなので、この際言っておく。

 別にサワダさんの遺体発見現場に居合わせたことで、自殺ではないと断定した訳ではない。

 倒れている姿をチラリと見ただけで、別に後で教師に呼び出された理由も、既に学校に登校していた私が、体育館裏で物音を聞かなかったとか、サワダさん本人を見かけなかったかというような、参考的な質問の為だった。

 

 自殺じゃないならば他殺だというのは、短絡的な思考だ。あの女が自殺するとはとうてい思えない。ただそれだけだ。

 彼女ナナは少し自制心に欠けるところがあり、ヒトミが私にとっても親友なので心配していたのだ。朱に交われば赤くなる。

 ヒトミは影響を受けやすい分、彼女からつまらぬことを学ばないようにと思っていたのだ。

 

 何だか、暗い話題ばかりになってしまった。

 もうすぐ送別会だ。進行係に選ばれたと言ってもマイクを持って壇上に上がる訳ではない。それは当然のことながら、放送委員会の役目だ。

 私達バスケ部は、裏方としてタイムテーブル通りに演目が進むよう用意と片付けに駆けずり回ることになる。

 演劇部のフィルム上映の前が、吹奏楽部のジャズ演奏なので、譜面台や椅子の片付けに手間どりそうだ。

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