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第2話 凶悪!幼いバッファローを惨殺! ライオンによる集団リンチ殺牛事件の全貌を追え!! 裁判編

3XXX年5月6日13:06、ケンタくん殺害事件の裁判が行われた。


「裁判を開催します、弁護側検察側共に不備はありませんか? 」


裁判長ロボットが木槌を鳴らす。


「弁護側準備完了です」


「検察側同じく準備完了です」


弁護士ロボットと検事ロボットが定型的な発言を終えた後


「それでは被告人前へ」


ライオンのクイーンが入った檻が被告席の前に運ばれる。


クイーンはひどく暴れてまともに裁判を受けることができそうになかったため被告人管理法により拘束状態で裁判を受けることになった。


「ガオー! 」


クイーンが吠える。


冒頭陳述(ぼうとうちんじゅつ)開始します、本件は今年4月15日9:25に被告人クイーン氏の仲間がケンタの母親を引きつけているうちに被告人クイーン氏が被害者ケンタくんの首の骨を噛み砕いたき窒息死された疑いの裁判です」


本来なら騒ぐクイーンに静粛にとか言うのだがクイーンに会話能力がないと裁判長ロボットは知っているためそんな事は言わず粛々と裁判を進める。


「それではまず監視カメラを見ていたC25の目撃証言です」


検事ロボットがそう言うと銀河総合動物園地球部門アフリカ担当のC25が証人席に立った。


「ます最初にクイーン氏とその仲間たちは背を低くし隠れるようにケンタくんと母親に近づき母親にクイーン氏の仲間が食いついている隙にクイーン氏がケンタくんの首筋に噛みつきました」


C25が証言を終えると検事ロボットがすかさず


「今回の事件はまだ1歳にも満たない赤ん坊を殺害した非常に残虐な事件ですまだ被告人は未成年である事もあり少年法を適用し、もっとも厳しい特別少年院への3年の服役と警察精神病院への措置入院を求めます」


と言うと


「異議あり。確かに被告人は精神病院への措置入院を必要としていますが、しかし警察病院の精神鑑定によれば心神喪失状態にあると判断されています、そのため少年院への服役は必要ないと思われまし、警察精神病院は精神疾患が原因の犯罪歴がある精神疾患患者が入院する施設のため被告人は警察精神病院ではなく民間の精神病院へ入院させるべきです」


弁護士ロボットはそう返す。


「異議あり。確かに心神喪失状態にある精神鑑定を受けていますが殺人罪における心神喪失とは殺意の有無しかし今回の事件に関しては被告人は被害者に対する殺意が見受けられます、それは監視カメラに映った映像から読み取れます。裁判長映像再生許可を」


「許可します」


監視カメラに映し出せれたクイーンがケンタくんを嚙み殺す一連の動画が流れた。そして検事ロボットは


「このように被告人は身を隠し奇襲のように迷いなく母親をブラフで油断させ被害者を殺害しました、これは明らかに殺意があります」


と言うとすかさず弁護士ロボットは


「異議あり。被告人はまだ5歳です、とても他人に殺意を持ち実行するとは考えられません」


反論するが


「それは弁護人の個人的かつ主観的感想に過ぎない。仮に殺意がなかったとしたら何のために被告人はこんな行為をしたのかね」


検事ロボットに軽くいなされてしまい


「それは…………………………………………」


殺意以外の何かないか弁護士ロボットは計算する。


「…………誰かに教唆されたという可能性があります。そうなれば被告人は計画的殺人罪の主謀者ではなく場合によっては情状酌量の余地があります」


「異議あり。調査の結果被告人が何者かに教唆されたという証拠証言はなかった。これがその調書だ」


検事ロボットは弁護士ロボットにメールで調査内容をすべて送る。


その内容は、現場の物的証拠と意味のわからない証言だけだった。


「異議あり。人間の証言全てがガオーやブモーなど意味のないと証言です」


「それについては証人には全て黙秘権がある」


「ならば、動機はどうなんですか? この調査では動機がわかりません」


「弁護側の言うとうり動機については詳しく分からなかったが、取り調べ中に何度も被告人は襲ってきた。つまり動機がなくとも殺意を抱く可能性が十分にあると判断できる」


「異議あり。それは検察側の個人的かつ主観的な感想に過ぎない」


「異議あり。これは客観的な判断だ」


「裁判長どうなんですか? 」


弁護士ロボットが裁判長に意見を求める。このままでは検察側と弁護側の水かけ論になるので裁判長による判断で決着をつけるのだ。


「……被告人が動機がなくとも殺意を抱く可能性を認めます」


裁判長の判断は大きい弁護士ロボットは別の観点から攻めようとするが思い浮かばない。


「…………………」


弁護士ロボットは沈黙を貫く。


「弁護側何かありませんか? 」


裁判長ロボットがそう聞く。


「ありません」


弁護士ロボットがそう言うと少し間をおいて。


「判決を言い渡す。ケンタくんを殺意を持って殺害したと見なし。3年の特別少年院への服役とする。なおその後裁判所権限により警察精神病院への措置入院を命令する」


檻の中でクイーンは相変わらず吠えながら裁判所を出た。


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