ときめきメモリマス10(四百文字お題小説)
お借りしたお題は「涙袋」です。
布貝那実雄の告白に御形薺は涙袋が壊れたかのように泣いた。
「ああ、ごめんなさい、御形さん。御形さんが嫌なら、好きなのをやめますから」
びっくりした那実雄が慌てふためいて言った。すると薺は思わず噴き出した。
「違うよ。嬉しいから泣いてるんだよ」
そう言って、人目も憚らず那実雄に抱きついた。
「ご、御形さん……」
那実雄は失神しそうになった。
こうして幼馴染の二人は付き合う事になった。
「ありがとう、蘿蔔さん」
那実雄は力になってくれた綾香に礼を言った。
「布貝君、私も布貝君の事、好きだよ」
綾香の言葉に那実雄ばかりでなく、薺も仰天した。
「綾香?」
すると綾香はクスクス笑って、
「貴女にはこれくらいの意地悪をしても許されると思うけど?」
「綾香……」
薺は綾香が本当に那実雄の事を好きなのを知った。
「別れたりして、私の苦労を無にしないでよね」
綾香の優しさに薺はまた泣いた。
あと一回で終わりです。




