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えこらん ~工業系女子高生のカーレース~  作者: パンプキン ぽてと
5月
33/33

本田藍野の計略

 私の名前は本田藍野。小学生のころのあだ名はアイちゃん、中学になってからはあいのん、のんちゃんなどと呼ばれてきました。


 家は自動車の整備士をしています。おじいちゃんが初代で、お父さんが二代目と、根っからの車屋です。

 おじいちゃんは今も現役で旧車を専門にレストアをしています。ほとんど実益を兼ねた趣味です。今、家を支えているのはお父さんになります。これが竹を割ったような性格で、お酒と祭が大好き。でもお母さんには頭が上がりません。

 そしてお兄ちゃんが家の後を継ぐため、現在大手の整備会社で働いています。


 お兄ちゃんは私が通っている工業高校の卒業生です。そのためか体育会系で、バンカラ調などの雰囲気には強いです。下ネタもよく言います。


「暑っつぅ……」


 風呂から出てくるとパンツ一丁です。お兄ちゃんは裸族です。


「そんな格好でウロウロしないでよ」


「家だからいいだろ」

 言いながら缶ビールの蓋を開けます。


「年頃の娘がいるんですが」


「お前は兄の裸を見て興奮するのか? 俺はお前の乳首を見ても起たない自信があるけどな」


 妹って、女としてカウントされないものなのでしょうか? シスコンの兄だったら引きます。でもデリケートのない兄もうんざりです。


「そういや仕事中に眠くなるときがあるんだよな。それでも頑張って立っていると、あそこも勃っちゃうんだよなぁ。同僚も同じこと言ってるけど、何でだろ? まあ、ツナギ着てるから勃っててもバレないけどさ」


 知らねーよ。年頃の妹になんつー話してんだよ、このバカ兄貴!



「……お兄ちゃんさあ」


「ん?」


「カミ子先生、可愛いよね~」


「あ……?」


「どう思う?」


「どうって……何だ急に?」


「どう思ってんの?」


「どうって……うーん……処女……なのかな?」


 クソ兄貴……そんなこと訊いてんじゃねえよ。欲求不満のモテない青臭い高校男児みたいなこと言ってんな。


「あの清楚な感じ、そうだったらいいなぁ。ああ、でも大学卒じゃ、サークルとかでエロいことやってんのか? 乱交パーティみたいな……」


 まだ言うか、こいつ。変な妄想爆発させやがって。やっぱ学と教養のない男は下品なの?


「そうじゃなくって、お兄ちゃんさぁ」


「ん? ゴクゴクゴっ…… (ビールを飲む音)」


「カミ子先生のこと好きなの?」


 そしたらパンツにビールこぼしやがった。ざまあ。


「やっべ、漏らしたみたいになってるじゃねえか」

 ぶつぶつ言いながら洗面所へ行きました。


 体育会系やガテン系の男の前ならビビることはないけれども、実際に女子の前に来ると大人しくなってしまう。女子の少ない、工業高校男子にはよくあるパターンです。


 でも、カミ子先生が義姉あねというのは魅力的です。進学校の北高出身で大卒、美人で優しいEカップ(かと思われる)の女教師。そんな姉がいたら最高です。ただひとつ問題があるとすれば、お兄ちゃんです。あんなしょうもない兄の嫁になるのは、同じ女として不憫でなりません。が、ダメで元々、少しだけ手を貸してみましょう。


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