仕事に疲れた教員たちの戯言~新学期開始~
始業式の朝になりました。
講師といえど、着任式で挨拶しなければなりません。それも全校生徒の前で。いよいよ私の教師デビューです。緊張します。
学科棟の窓からは、内田先生が登校してくる生徒を見ています。
「ああー……」
憂鬱そうなため息をついています。何か悩みでも……。
「新学期が始まってしまう……。ボク、生徒のいない学校が好きなのになぁ……。ああ、憂鬱だ……」
新学期早々、教員が学校の存在意義を全否定ですか。まあ、内田先生らしいですけど……。
そんなやる気のない先生の隣には、校内一の強面の教員が……。二人は並んで窓際に立っています。
「憂鬱になるのも仕方ないな。新学期が始まるたびに生徒の服装は乱れる。髪の色が変わっていたり、眉毛を剃っていたりと、また一から指導しなきゃいかん」
「生徒指導部の先生らしいですね、清原先生」
「女子も、スカートをあんなに短く折って履きおって! 見せたいのか? 見せたくないのか? 見てもいいのか? それとも見せたいのか? あいつら、先生の目線いやらしいとか言ってきおるし!」
「……見たいんですか?」
「しかも太ももの太いヤツほどミニスカート履きたがるし。誰が見たがるか、大根ども足め!」
「……でも見てしまうんですね?」
「もちろん。教員としてはともかく、個人的には短いスカート好きだからな! ついでに指導をするのも好きだ!」
「……前々からずっと思ってましたが……先生の指導、ちょっとセクハラですよ」
「ふぅ……内田君はいいな、娘がいて。私は工業高校出身でそのまま工業科の教員になったから、青春時代も職場も家庭も男ばかりだよ……」
清原先生、子供は五人。頑張ったけど、全員男だった。
一人ぐらい娘がほしかった……。
「一回ぐらい、女の子育ててみたかったなぁ……。孫に期待するか……」
こんな人、高校教員にしておいていいんでしょうか……?




