第18話
万里はその巨大な鶏の頭を少しかしげ、手を振って言った。
「あー、俺は今お前の主と話してるんだ。召使いは口を挟まないでくれるか?」
万里はそう言うと、視線を真っ直ぐ彼女の隣にいる鉄塔のような高順に向けた。
次の瞬間、漆黒の影が耳をつんざく風切り音を伴って、万里の側を猛スピードで通り過ぎた!
万里は防御の動作をとる暇さえなく、左腕に激しい摩擦を感じただけだった!
「シュッ――」
焦げ茶色の四角い回転刃が、万里の頑丈な腕をかすめ、目に見える気流の渦を巻き起こしながら、唸りを上げて後方の漆黒の森へと飛んでいった。
「バキッ!バキッ!」
連続した断裂音が響き、山崩れのように、無数の巨木が轟音と共に倒れた。
万里は腕に痺れを感じ、腕を持ち上げて見ると、皮膚がまるで炭火のように焼かれ干からびていた!
人は極度の怒りを感じた時、かなり直感的に行動するものだ……
攻撃の軌道、力の解放、そしてその後のスタミナ配分、すべてが感情の干渉によってより予測しやすくなる。予測さえできれば……
彼が考え終わる間もなく、二本の骨の刃を持った祝融がすでに目の前に現れていた!
血生臭さと炎の気配を纏った骨の短剣!それらは交差し、獲物を狩る毒牙のように、止められない勢いを伴って、瞬時に万里の胸筋を切り裂いた。
「あのバカ鳥……」
鈴はその琥珀色の瞳を一瞬見開き、万里を助けようと前に飛び出した。
ドォン――!
耳をつんざくような轟音!一瞬にして彼女の目の前に現れたのは、あの鋼鉄のように冷酷な鉄仮面だった!
彼の手にある巨大な斬馬刀は空気を切り裂く凛とした殺意を帯びており、その武器の形を見極める間もなく、鈴は抗い難い巨大な力を感じただけだった!
彼女は巨大な刃によって跳ね飛ばされた!まるで鉄槌で打たれたサンドバッグのように、悲痛な叫び声を上げ、背後の天を突く巨木に激しく叩きつけられた!
「バン!」
巨木は音と共に折れ、幹からは瞬時に灼熱の炎が爆発した!
周囲の木々は火がついたドラム缶のように、一瞬にして大火に包まれた!鈴は苦しげに腹を押さえ、口元から鮮血を溢れさせ、立ち上がろうともがいたが、全身の力が抜けて動けなかった。
「鈴!」
麗は腰の長剣を抜き放ち、剣身は火光の中で冷たい光を反射し、たった一人で高順と対峙した!
その時、万里の両膝は重く地面につき、全身の力があの二つの交差した傷口から完全に吸い取られたかのようだった。その巨大な鶏頭の下からは絶えず鮮血が湧き出し、胸の前の砕けた地面を赤く染めていた。
女の頭目は地面に跪き、息も絶え絶えの万里を見下ろし、勝者の軽蔑と傲慢さを込めた声で言った。
「そうそう、自己紹介を忘れていたわね。アタシには、世間によく忘れられる名前があるの……」
彼女の姿は背後の燃え盛る烈火に照らし出され、まるで炎の中から歩み出た神のようだった。
「火神、祝融」




