キメラ狩って。役目でしょ。
惑星カプラー2929。
地球からそんなに離れてない星におそらくキメラだと思われる生命体を探査機が発見した。
ツインヘッドブラックドラゴン‥。
自分もテロのシミュレーションか本でしか見たことはないがドラゴンな時点で人工的に作られた生き物だろう。
驚いたのは竜にまたがる二人の人物だ。
あり得ないことだがこの二人には尻尾が映えている。
レプティリアン、あるいはドラコニアンか‥。
どちらにせよもう滅んだと思われていたが。
カプラー2929に調査に行くため月面都市アルテミシオンに訪れている。
「理威人くん、教会に行かなくちゃね。」
相田春‥俺と幼なじみの同い年で21歳。女性。日本生まれで同じ第四ローマ帝国フンテル教会の狩人だ。
「あー、そろそろ教皇様がアルテミシオン大聖堂においでになる頃だろう。」
ゆうり教皇はいわゆるこどおじだ。こどもおじさん。ゆう一族は莫大な資産をもってて高額な若年化手術を受け続けてかれこれ数百年は生きてるんじゃないか?
伝説的狩人だったと聞いているが‥。
「お前ら、支度はちゃんと出来てんのか?特に名植理威人、貴様だ。」
薬ルーナ‥。つけ髭を着けた変わった女だ。フロリダ公国でのマルハゲドン討伐で有名らしい。
「今日の理威人くんはちゃんと服着て外でてるし全然大丈夫だと思うよ。」
「待て。いつもは何も着ずに外にいるみたいじゃないか?」
「まあ大丈夫教のような能天気な奴らにはならないようにしろよな。真面目な私たちに迷惑をかけるな。」
まったく‥いちいち絡んできやがって‥まあ確かに大丈夫教の奴らは平和ボケしすぎだが。
「ほら、演説はじまるよ。ダッシュ~」
「はいはい。」
アルテミシオン大聖堂に到着するとバルコニーから魚の着ぐるみを着た例のこどおじが手を振っていた。
「くえすと出すからがんばって。」
俺もいずれは上層部になりたいけどあの魚の着ぐるみはちょっとな‥。
「ケプラー?にキメラ居るらしいんだよね。ぜったい学者いるから消してきて。キメラ狩って。やくめでしょ。ほら、はやくいこ。すぐでいいよ。」
演説終了‥。この語彙力よ‥若年化手術のせいなのかは知らんが精神的にも若くなってるよな。若いというより幼い‥。
こうして教会で支度を済ませた俺たちは戦艦オゴポゴに乗り込みカプラー2929へ出撃した。