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30代ニートが就職先を斡旋されたら異世界だった件。  作者: りんご
第五章 変わる日々
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敵前での談合は手短にお願いします


 ◇◇◇


「や、やめてよ! さっきの見たでしょ!? 気づかれないうちに逃げないと死ぬよ!! ランクB以上の冒険者パーティーでも、ヘタすると全滅するんだって!」

「声が妙にかすれちゃってますけど、風邪ですか?」

「なに言ってんの!?」

「そうだ。あれもついでに倒しちゃいましょうよ」

「なに言っちゃってんの!?」


 小声で2回言われた。

 そんなに意味不明か? 興味沸いたから、ちょっと身近で見たいだけなんだけど。


「確か、ずいぶん長いことクエスト掲示板に貼ってある討伐クエストもグランドグリゲーターですよね。なんで誰もやらないのかなあって不思議だったんです」

「あれは、誰も倒せないからずっと貼ってあっただけだって!」

「いやー、スペースが邪魔だと思ってたんですよね」

「なにいってんにょ?!」

「近づきますよー」

「ああああああ……」


 すたすたワニに歩いていく俺。

 ワニがくるっと俺たちに向き直る。

 いい顔だ。

 新しいオモチャに気づいたワニが、笑顔を向けてくれたが、フランさんは、終わった、みたいな顔してた。


 うーむ。

 人生投げやりは、あかんよ。

 挑戦する気持ち、大事。チェンジ、ユア、セルフ。


 振り返ると、彼女は泣いてた。

 泣くという事は、まだ希望を捨てきれていないということだ。

 俺があまりにも堂々としているので、何か策があるのかもしれない、という可能性にすがっているのだろうか。

 ――美しいな、と思った。


「あー、そーだ。フランさーん」

「グスッ、なによぉ」

「このワニ、どーやって倒したらいいですかー?」


 ………


「この、ばかちーーーーんん!!!!!」


 森にフランさんの怒号が響いた。  

 さて。

 彼女らが戻るまでに、終わらせるとしますか。



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