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詩論

ファンタジーというジャンル。

作者: 潮風詩央

みなさんは普段、"ファンタジー"という言葉をどういう風に使っていますか? 日本語で言うと"幻想"となりますが、おそらく幻想"的"などと言ったりしていませんか? "まるで"異世界のように美しい「幻想的な風景」や、架空の"ような"話を聞いて「ファンタジーみたいな話だな」とか。


では、そもそものファンタジーとは何か?


今回はそこに着目して、独自的に定義・分類していきたいと思います。

「なろう」の作者さん・読者さんは当然ファンタジー好きの方が多いので、あくまで一つの意見、くらいに捉えてもらえると助かります(と保険)。


ファンタジーは架空でも異世界でもなく、幻想と訳します。特に幻想文学、などと文学と相性の良いジャンル。

まず結論から言いますと……ファンタジー=魔法です。魔法が存在する世界、を舞台とした作品をファンタジーと呼んでいます。

では魔法とは何か? おそらく魔法則を縮めたものと推察できます。すなわち「この世界とは異なる物理法則」です。

作者の自由な発想で作られた、オリジナルのルールが存在する作品、それを広義のファンタジー作品と呼ぶのだと思います。


ファンタジー=魔法、を踏まえた上で、上位ジャンルを考えてみます。

まずノンフィクション:事実とフィクション:虚構。異世界が舞台なので当然ノンフィクションのファンタジーは存在しないことになります。

次はロー(現実)とハイ(異世界)。これは最も有名なファンタジーの分類方法ではないでしょうか。自分たちの世界と同じ物理法則が働く世界パラレルでもで、不思議なことが起こるローファンタジーと、全く異なる世界で不思議なことが起こるハイファンタジー。ただ、異世界の住人たちにとっては魔法は通常の物理法則であり、不思議だとは感じないかもしれません。


実はファンタジーというジャンルにとって、不思議かどうかは問題ではなく、魔法の存在のみで決まります。いわゆる幻想文学は、不思議文学と言ってもいいかもしれません。魔法が出てこない幻想文学もあるので。不思議ワンダー恐怖ホラー滑稽ギャグなどは現実とのギャップ・ズレで生じる感情であり、必ずしも異世界であるとは限りません。

現実の世界とのズレを強調したジャンルとして"超現実"=シュールがあります。絵画ではシュールの方が扱いやすいと思います。

今回シュールの延長上として、"メルヘン"というジャンルを提唱したいです。通常の物理法則で実現可能なファンタジー。例えば、火を吐く竜がいたとして、それが魔法で吐いた火なら間違いなくファンタジーですが、生物の構造として、体内で火を創成できる、とかなら微妙ですよね? 現実に起こすことが可能、なら厳密にはファンタジーとは言えないですから。メルヘン、というのはドイツ語で「おとぎ話」という意味ですが、ここでは特殊ジャンルを表す言葉として用います。羽の生えた馬などもメルヘンのモチーフです。


次は……本日のメインイベント。

近隣ジャンルについてお話しします。

サイエンス・ファンタジーから。これはいわゆる"魔導"と呼ぶことができそうです。魔法を使った科学。もっと平たく言えば「電気の替わりに魔力を用いた機械等」です。宝石などに蓄えられた魔法の力を動力として、さまざまなシステムが作動する。電気の存在しない世界で文明を発展させたい時、などに使えそうな設定ですね。

SF(空想科学)。これは超科学と呼べます。魔法ではなく、あくまで現実に起こりうる科学の延長上としての特殊な物理法則。SFの世界では、ワープとかも「次元がどうたらこうたら……」で全て説明可能なのでしょう。なのでSFはファンタジーではありません。少し不思議、ではありますが(笑)

続いてSFと対になるのがオカルト(神秘)。超自然です。すなわち現実の世界で起こる魔法。信じるか信じないかはあなた次第です、という例のやつですよ。これに近いジャンルで、スピリチュアル(心霊)もあります。ただスピリチュアルは、ファンタジーでもオカルトでもOKです。


なかなか細分化できますよね……。メルヘンとオカルトの違いとかもすごい微妙なところですし。

もう少しだけ掘り下げてみてみましょう。


SFファンタジー。これは流行りの仮想現実ですね。特定の世界(この場合はパソコンの中)に入って、そこのルールで冒険する、みたいな。

これがパソコンではなく夢とかだったら、スピリチュアル・ファンタジーなどと呼べそうですね。

あとは、日常で起こるファンタジーとしてエブリデイ・マジックというのもあります。これは潮風(あ、作者の名前です笑)のオリジナルではなく、イーディス・ネズビットという人が得意としたジャンルらしいです。魔法少女モノも、広い意味でのエブリデイ・マジックなのかな??

これは潮風のオリジナルですが、「ファンタジー・フィクション」というジャンルもありそうだと思います。エブリデイ・マジックの逆で、非日常を日常にするというか、不思議なことを当たり前のように書く手法というか。例えばハリー・ポッターに出てくるクゥディッチというスポーツはとても現実的ですよね。良い意味でファンタジーらしくない、というか。ファンタジーも突き詰めればリアルになります!! 優れたファンタジーになるほど真実味があると思います!


あとファンタジーに付属する単語として「エピック」「ヒロイック」「ソード&ソーサリー」「ゴシック」「ダーク」などがあります。これらを含んだものを"RPGファンタジー"と総称しましょう。指輪物語の世界ですね。ドラクエやFFの世界。狭義のファンタジーはこれですよね。

潮風は児童書が好きなので、児童文学ファンタジーというのも定義してみたかったです。おそらく、児童書では「心」こそが魔法の源になってくると想像できます。分かりやすい例で言えばグルグルですね。漫画ですが……あ~、さっぱりさっぱり。



最後に。

ドラゴンとか騎士とか、ファンタジーっぽいモチーフを出せばファンタジーになるわけではない、ということを言いたかったです。まとまりのない文章でしたが……ファンタジー=この世界とは異なる物理法則、だということだけでも覚えて帰って下さい。逆に言えば、一個でも違えばそれはもうファンタジーになります。なんか重力に逆らって浮いている人がいた、とか。あーでも、磁力とかの可能性もあるのかな。んー、次は「魔法」について掘り下げて考えてみないとだめですね。


それでは、読んでくれて本当にありがとうございます。感想・ご意見お待ちしております。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 確かに『魔法』は、ファンタジーにおける重要な要素だと思いました。 異世界で魔法が登場しなかったら、たしかにそれはファンタジーじゃない気がするので。
[良い点] 英語か、ドイツ語か、はたまた別の言語かは知りませんが、日本語にすると理解がしやすくていいですね。
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