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嫌われ妖精ちゃんによるチュートリアルその二

「うーんと、ここは......」

目を覚ますと俺は現状を確認するために、周りを見渡した。

目につくものは、木、木、木。

どうやら、ここは森林のエリアということなのだろう。

そう当たりをつけ、一先ずサポート妖精と呼ばれる存在がいるはずだと思い周りを見渡した。

しかし、そのような者は見当たらず俺はただ視線をあっちこっちへと向けていた。

「何やってるんですか、一体......」

数分ぐらいそうしていると、ため息を吐きながら一匹の妖精がこちらへと向かって飛んできていた。

「えっと、お前が----」

「お前とは失礼しちゃいますね。ちゃんと名前で呼んでくださいませんか」

なんだこいつめんどくせぇな......

「そういわれても、聞いてすらいねぇんだから知るわけがないだろう」

「はぁー?何言っちゃってるんですか?ちゃんと選択画面に書いていたじゃないですか」

「そんな、こと言われても見ていないんだからしょーがねぇじゃねぇか」

「そこで、逆切れっすか。ないです、マジでないですよ」

俺が反論すると明らかにこちらをバカにしたかのような口調でそう宣いやがった。

それから、小さい子供に言い聞かせるように話し出す。

「もういいですよ、いいですか私の名前は」

そこまで言うと、軽快な口調の音楽を鼻歌で奏でながらくるくると舞った後、キラーンと音が付きそうなポーズを決め、

「皆のアイドル、キュートでラブリーな妖精。アーシェちゃんです♪☆」

「......」

「あれ、どうしちゃったんですか?私のセクシーなポーズに魅了されちゃったのはちゃんとわかったのでさっさと戻ってきてくださーい♪」

やっぱり、こいつめちゃくちゃうぜー!!

おい、運営なんでこんなキャラ作ってくれちゃてんですかねぇ―おい!!

「お、ようやく復活しましたか、では早速この森を抜けるために出発しちゃいましょー」

そんな俺の気持ち等露程も知らなそうな妖精を忌々しく思いながらも俺は彼女へとついて進んでいく。

しばらく進むと、目の前にきらきらと光るポイントが現れる。

おそらく、そこは何らかのアイテムが採取可能な場所であることは何となく予想することができた。

ただ、

これは、いくらチュートリアルとはいえ、採取ポイントのエリアがわかりやすすぎじゃねぇのか?

俺の気持ちはそれ一つに集約されていた。

本来の採取ポイントというのは、こんなあからさまな演出等なく茂みの中等にひっそりと存在しているようなものである。

そうでないものにいは、それなりにレベル制限がついていたり特殊な入手方法が必要だったりするのが常である。

それにより、目の前のアイテムは俺らのようなβテスタ―にとっては物凄く胡散臭く感じることだろう。

「なに、ひとりでうんうん、と悩でるんです?そんな、頭ばっか使ってると、頭がオーバーヒートして、禿げちゃいますよー」

こいつはいちいち人の神経逆なでするようなことを言わなきゃ生きていけねぇのかよ。

「そんなことあるはずないじゃないですかー。ってかなんですかその設定wwもう医者に診てもらったらどうですか?いや、やっぱりやめましょう!!担当する方が可哀そうすぎますねwww」

ってかこいつ今、俺の心の声読んだのか?うわぁーまじかよ、こいつにそんな能力付けんなよ運営......

「ちょっとそれは酷いんじゃないですかー。まぁ、そんな事は兎も角として、目の前にある採取ポイントでさっさと何か拾っちゃってください♪」

「わかってるよ、くそっ」

早くチュートリアルを終わらしてこんなやつとはおさらばしたいぜ......

俺は心の中でそう悪態をつきながら、光る場所まで行き、採取する。

一通り採取し終えると、一応どんなものだったかの確認のためにくそ妖精の指示の元ストレージの中身を確認した。

ったく、なんであんなにもったいぶるんだよ。それに無視したら下で露骨に不機嫌になるは舌打ちしやがっるわでこれが終わったら絶対に運営に訴えを出してやる。

「えぇーとなになに、皆のアイドルアーシェちゃんのた・べ・こ・ぼ・しだ~? 」

俺はすぐさまそれをゴミ箱へと投入し消去しようとする。

しかし、あるわれた文字はアイテムの削除のアナウンスではなく消去失敗のアナウンスだった。

「あ、チュートリアルで得たものは、終わるまでは捨てることができないんでやってもむだですよ」

「っち。ところで、なんでこんなもんが此処にあるんだよ? 」

「あー、さっきまで此処でそう言えば私、一人でお茶してたんでした」

「あ?」

ってことはこいつ俺が探している間こんな森の中で一人呑気に寛いでたってことか?

「あぁ、まぁそういうことになりますね、はい」

「じゃあ、なんで俺のところに早く来なかったんだよ?お前サポート妖精なんだろ? 」

「いやー、プレイヤーの皆さんがサポート役がいなくてオロオロしているところを見て見たかったんですよ。てへぺろ☆」

こいつ殺す!!

俺は腰からショートソードを引き抜きアーシェに向かい突撃する。

たとえ、ダメージが入らなかったとしてもこれで、からかうことはやめるはずだと。

しかし、俺が次に見た景色はあのくそ妖精の負けた姿ではなく、広い空だった。

俺はその意味が分からずフリーズしていると横からあの忌々しい声が聞こえてくる。

「ちょっと、急に攻撃とかやめてくださいよ!!貴方が戦っているときにやじ飛ばしたりとか、敵を倒したときに非難したりとか、それで攻撃をやめたら怒ってやったりとか、結構色々考えてたのに、全部パーになったじゃないですか!! 」

そう言って俺に向けて怒りのむねをありったけぶつけた彼女はそのまま、痺れて動けない俺の腕を持ち上げて動かした。

彼女が俺の腕を動かししたことは、メニューを開き、ストレージを出し、所持金を全て外に出すことだった。

全額を確認した彼女はしけてますねーと言いながらぶつぶつと文句を呟きそれを懐へとしまう。

取り返そうと思うものの、体はいぜん痺れたままで動くことはできない。

そんな俺の葛藤に気づいたらしい彼女は俺の真上に飛んでくると、満面の笑顔でこう言い放ったのだった。

「それではFairies Hauntを心行くまでとのしんでくださいねー♪」

そうして、俺のチュートリアルは幕を閉じたのだった。

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