表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

プロローグ



“私になんて価値はない”




そう、最初に思ったのはいつ頃だっただろうか?






酒乱の父と、その父に悩まされながら精神的疲労を抱えている母。

4つ離れた私とは違い、空気の読める妹。


この3人と私を合わせた4人で、名前だけの“家族”が成り立っている。





私はこの「家族」が嫌いだ。





早く家を出て自由になりたくて、色んな男と関わりを持ち、必要以上の愛情を求めた。

自分を見て愛してくれるのであれば、誰でもよかった。




しかし、春に咲き誇り散っていく桜の花びらの如く、半年特定の関係を持ち続けることですら困難であった。








……いつからだろうか。

嘘で埋め尽くされた世界の中で「快楽」だけを求めるようになったのは。


決して戻ることのない「過去」を、ただ悔やんですがるようになったのは。


笑顔(うそ)に誘われて来たものは、1つ1つと消えていき、残るのは偽りの「幸」と虚無な抜け殻。



寂しいよ、ねえ。

どうして戻ってきてくれないの?

利用したの?

用済みだから捨てられたの?



手を伸ばしてもかすりもせずに通り抜ける。

嗚呼、また独りぼっちになるんだね。

空っぽだったんだね。

別にいいよ、代わりならいくらでも―……。



「偽物」に構成されて生きてきた。

ただ、それだけ。


ずっとそうして生きてきた。

その場しのぎで十分。

好きで選んできたの、選ばれし存在なんだよ。




―そうやって、笑って生きてきたの。

気付いた時から、ずーっと。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ