結
戸が閉まる音と同時に、私の足は動いていた。蛇川さんを追いかけないとっ!後ろから雨河君が何か言っていたけど、50m走13秒をなめるな~ 数分後、どうにか私は蛇川さんに追いつくことが出来た。人気の無い校舎裏に彼女は居た。彼女は私を見て、
「どうして追いかけてきたの?あたしの弱みでも手に入れたつもりにでもなったの!」
飛び掛ってきた、彼女の口からは鋭い牙が見えている。えっ、これで私の人生終了のお知らせですかっ! 呆気にとられていた時に、何か丸いものとともに
「春山さん!大丈夫ですかっ」
雨河君が泥団子?のような物で蛇川さんに攻撃をしていた。間一髪で助かったけど、今の状況はどう見てもカオスだ。校内一の美少女と巨大なアマガエルの戦いって・・・どうすれば良いんだっ
止めないと、私は2人?を止めに間に入って、
「ストーップ、2人とも落ち着いて、ね。あの、蛇川さん私は別にあなたの事で誰かに言うことは絶対しないよ。それと、雨河君は病人なんだからおとなしくして」
そう言うと、どうにか2人を落ち着かせることができた。そして、蛇川さんとゆっくり話してみた。彼女は蛇の一族で雨河君と同じように人間社会に暮らすという研修でこの高校に通っていると言うこと。そして、人と一緒の学校生活では自分の正体がばれる事を恐れ、周囲も彼女の美貌から近寄ってくる人も居なくて寂しく思っていたときに、自分と同じ研修をしている雨河君が気になったと言うことらしい。
「雨河君、例え天敵であっても苦手意識はだめだよ。同じ研修をしているもの同士で仲良くしようよ。」
「・・・僕も苦手意識で逃げてはいけないですね。蛇川さん、同じ研修仲間として頑張っていきましょう。」
そう言って雨河君は蛇川さんに手を差し上げた。
あの一件から、雨河くんと蛇川さんはお互い協力しながら学校生活を過ごすようになった。最初は周囲も戸惑っていたけど、それも一瞬で皆慣れていった。蛇川さんは見た目と中身のギャップがあったりと中々話していて楽しい。私は、この2人がうまく人間社会に慣れていくまでを観察することにした。まだまだ、私の非日常は終わらない。




