承
転校生ー雨河 エルの世話係に不本意ながら任命されてしまった、私春山はこれからの事を思いため息を吐いた。世話係になってしまった以上、一応雨河君の面倒をみなければいけない・・はず。とりあえずは、昼休みになるのを待っていよう。
そして、迎えた昼休み
私は、雨河君に話しかけた。
「ねえ、雨河君。昼休みになったし、学校の案内をしよっか?ってな訳で早速食堂に行こう‼」
私がそう言うと、雨河君はなんかためらっているような顔?してるけど、私はそんな事気にせずに雨河君を連れて行った。今日の食堂は、月一のデミグラスオムレツの日なのである。無事にオムレツを手に入れる事のできた私は、落ち着いて雨河君を見ると…
そこには、今にも死にそうな顔をした雨河君がいたのだったー⁉
迂闊だった、この時間帯の食堂は特に混むのだ。だから、少しでも気を抜くとすぐに列から押し出されてしまうのだ。
「だっ大丈夫?雨河君?」
声をかけると、
「死ぬかと思った…でも、こんなに人がいるとは感動です!」
別に平気そうだった。雨河君は、どうも周りの動きを見て食堂の注文の仕方が分かったようで、その手にはちゃんと日替わりランチAを持っていた。
雨河君とランチを食べ始めて一緒に話をすると、以外と盛り上がって雨河君って面白いなと思い始めていると、
急に食堂がざわつき始めた。何事かと思い、騒ぎの中心をみるとー
真っ黒な艶やかな髪に雪のような白い肌、そして琥珀色の目の美少女がいた
彼女は、私たちの学校一の美女と呼ばれる蛇川真夢だ。その目立つ容姿で校内で知らない人は居ないのではないかと言われる人物であり、私とは無縁の世界の住人である。雨河君も彼女に見惚れているのかなと見ると、ただでさえ青い顔をしていると言うのにさらに顔が青くなっていた。 そして、立ち上がると私の手を掴んで、
「早く、ここから出ましょう!」
とひきづる様に私を食堂から出したのであった。
「急にどうしたの?」
と尋ねると、
「あの人はー、嫌何でもないっ。」
と結局答えてくれなかったのであった。どうしたのだろうか?
やっぱり、雨河君は分からないな…




