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久しぶりの投稿です。
今回は情報整理の回です
まずは情報を整理しようと思う。
私が前世で攻略した乙女ゲーム『貴族たちの優雅な生活~美しい貴公子との恋愛譚~』
この世界は4つの大陸に分かれていて、この国は魔法に秀でた王族が治める世界。
ルーファス・レインズワーズ公爵子息と私ことエミリア・クリステル侯爵令嬢は幼いころから婚約関係にある。
年齢はルーファス様のほうが5歳ほど上であり、現在22歳。金髪碧眼、長身で剣術・魔法共に秀でた若き近衛騎士団長。
他人の前だとあまり表情を表に出さないことからまるで精巧な人形のようだといわれるほどに美しい容姿をしている。同じく、金髪碧眼、眉目秀麗な王太子と並び社交界での人気を二分しているといっても過言ではない存在。
そしてエミリアは、長い銀髪にアメジストのような瞳の超絶美少女の恋敵役。
攻略中、彼女に美しさに何度見とれたことか……。
絵師さんが素晴らしいっていうのもあったんだけど。
せっかくこんなにきれいに生まれたのにどうしてそんなに性格が悪いんだ、と何度も残念に思ったりしたなぁ。
前世の私の好みはヒロインよりも恋敵のエミリアの容姿だった。
そしてヒロインことアンブローズ・ロワイアル。彼女は男爵の隠し子であり、男爵の奥様が亡くなられたことからかねてより愛人関係にあった女性と結婚し貴族位となった少女。
美しい金髪に、桃色の瞳。赤みがさした色白の肌。庇護欲を掻き立てられる少女として描かれていた。
彼女の物怖じしない態度と好奇心旺盛なところ、また平民の中で暮らしてきた彼女の話が新鮮でルーファス様もどんどん惹かれていく。
出会いの場である夜会で、彼女は王太子様に男爵とともにご挨拶をして……
エピローグですべて片付けたあとのルーファス様からのプロポーズで明かされるのは夜会の時に彼がアンブローズに一目ぼれをしてしまったこと、婚約者に愛想をつかしていた時に現れた美しい少女。
自身の婚約者であるエミリアに数多くの嫌がらせをされながらも何事もなかったように気丈にふるまう彼女の強さにさらにひかれていった……。
「馬鹿みたい……。こんなの、最初から負け戦じゃない。」
私は平民の生活なんてしたことない……、生粋の貴族令嬢で、まず彼女と立つ土俵が違う。
こんなの勝負にもならない。
涙を流し、窓の外の月を見るエミリアの姿に彼女付きの侍女は息をのむ。
まるで月の女神のような美しさ、そしてその儚さに。
愛しい彼の方が美しい少女に一目ぼれする日。
泣いていられない。夜会は明日。