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クレイジー・マジシャンズ  作者: 鈴木那由多
◆2話 変態達は最後に何を見る
4/21

変態達は最後に何を見る エピソード1

勢いで書いてます。バカっぽい文章でごめんなさい。

「ごめんね康ちゃん、手伝わせてしまって」

「気にしないでください。秋姉のためならなんでもします!」

 ここは生徒会室。福島康太は副生徒会長である宮川秋穂と共に棚の資料整理を手伝っていた。

 本来、生徒会役員である結城愛理はというと、先日の一件で頭痛がひどいらしく今日は欠席していた。

「やっぱり康ちゃんがいると作業がはかどるわね〜!」

「へへ、そうですか。俺も生徒会に入っとくんだったかな〜」

 宮川秋穂は容姿端麗、成績優秀という非の打ちどころのないステータスを持っている。近所に住んでいるということもあって、康太は幼いころからよく面倒を見てもらっていた。そんな康太は彼女にデレデレであった。

 そんな時、生徒会室の扉を開けて中に入ってくる者がいた。

「ほう、今日は君もいるのか」

 生徒会長の斉藤謙一だ。彼はピンとした姿勢でスタスタと機敏に歩き、生徒会長というプレートの置いてあった席にストンと座る。椅子は何故か校長室にでもありそうな立派なやつだった。くるくる回るぞ。

「あらあら、今日はいつになく楽しそうね。何かとっておきのネタでもあるのかしら、けんちゃん」

「けんちゃんと呼ぶな! まあいい」

 けんちゃん……謙一は手に持っていた資料を机に広げる。

「最近、我が学校を賑わせている事件の資料だ。と言っても、これらは被害届けに過ぎないが」

 康太と秋穂は作業を一旦止めて、会長の席の方へ向かった。

 秋穂がそのうちの1枚を手にとり読み始める。

「えーっと、まあ、スカートめくり事件ですか! 学校登校時、何者かによってスカートをめくられる。しかし、被害者が辺りを見回しても誰もおらず、犯人の特定は困難、ですって」

「そのようだ。登下校時ふいにスカートがめくられているらしい。しかも、前兆というようなものが一切なく、周囲にすぐ隠れられるような場所もなかったそうだ」

「じゃあ、幽霊とか怪奇現象かしら」

「その線も考えられなくもないが、如何せんやってることがくだらなさ過ぎてな。まあ、あらゆる角度から調べ、真実を解き明かすつもりだ」

「楽しそうね、私やるわ!」

「うむ、そう言ってくれると思ってたぞ。 そういえば一件だけ、少しばかり異色のケースがあったような……」

 と言って、謙一が資料の1枚を探し出した。

「これだ。この事件だけ前兆があってな、スカートめくりが起こる直前にちょっとした風が巻き起こるそうだ。もしかしたらこれ以降のケースでも起こる可能性があるかもしれん。よく注意してみてくれ」

「わかりました!」

 秋穂はめっちゃはりきって返事した。やる気十分である。

「康ちゃんさっそく探しに行くわよ、って顔色悪いけど大丈夫? 幽霊、苦手だったっけ?」

「い、いや……大丈夫」

 康太は大丈夫じゃない顔色をしながらそう応えた。




「おい、佐竹! いるんだろ。出てこい」

 康太は廊下で佐竹なる人物を呼び出していた。あの後、ちょっとトイレに行ってくると言って、生徒会室を抜け出してきていたのだった。

「そんな大声を出すな、勘付かれたらどうする」

 と言って、どこからともなくあらわれる佐竹紀明。別名“猿人間”という異名を付けられたこの男は、持前の身体能力により、どこからともなくやってくる能力を有していた。

「ついに我が計画に邪魔立てを企てようとする者が現れた」

「うむ、聞いていたぞ、相棒。で、どうする? まさかこのまま引き下がるという訳ではあるまいな」

 深刻そうに話し合う二人。何を隠そう、この二人こそスカートめくりをしていた張本人同士なのであった。バカ、変態、地球のゴミとはまさにこの二人のことを意味する代名詞である。

「よく聞け。どうやら俺たちの他にもスカートめくりをしている者がいるらしい。そいつをとっ捕まえ、全ての罪をそいつに擦り付けようと思う」

「なるほど、しかし……」

「ああ、だから俺らはこの今日限りで活動を止め、その犯人逮捕に尽力したいと思う。どうだ?」

 と、提案する康太。しかし、佐竹の方は納得がいかないらしく、

「見損なったぜ、康太。その程度の脅威に怯えて尻尾巻いて逃げるだなんてな! 俺は続けるぜ! 男の定めに従って! 止めてくれるなよ……」

 康太に背を向け去っていく佐竹。その姿は男らしくもあり、どこか寂しげでもあった。

「死ぬなよ、佐竹……」

 康太は佐竹の姿がなくなるまで見守り続けた。そしてこの後、二人の命運は大きく分かれることとなる。

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