俺と不思議少女の想い(後編)
「そんなこと、いきなり言われても・・」
「お長い、今すぐ・・・答えてほしいの・・」
今すぐと言われても、答なんてそんなすぐになんて出るわけがない。
確かに、嫌いじゃないし可愛いと思う。でも俺には美奈と一年間悔いなく過ごしてやるって言う立派な理由がはある。
それに、もしも美奈にこのことが知られたら・・今の仲良しの関係を壊しかけない。
美奈との関係を壊さず、誰も悲しまない選択は・・。
「分かった、付き合おう」
「ほんと?!」
「ただし、条件がある、1、美奈に知られてはならない、もちろんクラスメイトや身内にもだ、2、デートは俺がいい日」
この条件なら、少なくともしばらくは誰も悲しまないだろう。
「うん、それくらいならいいよ!」
よかった、これでしばらくは・・・。
「ただ、わたしからも条件があるの 風夜の秘密を全部教えて?」
「なんのことだ・・?」
「しってるよ?、台所の引き出しの下から二番目の普段使わない棚に、幸也に無理やり渡されて処分にこまってる、エッチな本がある」
「は?・・なぜそれを?」
まさか、料理中にみたのか?
「まだあるよね?」
くそ、昔から勘の鋭さは半端なかったからな。
「ない、だいいち知ってどうするんだよ?」
「ん~、どうもしない」
「ならいいだろ?」
「そうだね」
単純でよかった。冬に美奈のことを知られたら、俺を取られまいと意地でも美奈から奪い取るだろうな。
そういうことに関しては執念深いのが冬だ。
冬に「もう遅いから」と告げると、案外素直に返してくれたので、急いで戻ることに。
「ただいま」
静かに入ると、美奈はいまだベットで熟睡中、その顔はとても気持ちよさそうだ。
そんな美奈の寝顔を見ていると、自分まで眠くなってしまったので、俺も眠りについた。
朝日輝く夏の朝、俺は謎の胸苦しさにっ目をさますが、目の前は真っ暗。
声を出そうにも何かに圧迫されて、もごもごとしか発せられない。
俺がじたばたしだすと、拘束は解かれた。
「あ、おきた?、お兄ちゃん」
「はぁ、はぁ、死ぬかとおもった・・・美奈、いったいなにで拘束してたんだ?」
問うと美奈は自分の胸元を指で刺す。
ってことはあれか?俺は危うく「女性の胸で窒息死」なんて記事になりかけたってことか?
「美奈、いくら兄妹でもすこしは恥じらいの気持ちくらいは持ってくれ」
「なんで?」
「いや、なんでっていわれても・・」
とまぁ、朝からハーレム全開だ。
四時間目の授業が終わり、お弁当を食べるため俺は校舎裏の日陰で食べる。
っと、そこへ、冬が来た。
「やっぱりここだ、となり、いい?」
特に断る理由もないのでえ了承した。
「風夜、入学してからずっとここににくるよね?」
「ここは静かで落ち着くからな」
二人の会話のそばではこっそりと美奈が見ている。
二人の雰囲気にいまいち入りずらく、盗み聞きのような感じになってしまった。
そこに他学年の女子生徒が通りかかる。
「冬先輩、付き合ってるって話聞いた?」
「だれと?」
「名前は分からないけれど同じクラスの仲のいい子らしいよ?」
どこからきいたのか、女子生徒が話してるのが聞こえた
「冬と・・風夜が・・・」
信じたくはないけれど、確かにお似合いかもしれない。
もしも私と付き合っても、たったの一年しかいられない、それだと残された風夜がかわいそう。なら、あきらめたほうがいいのかもしれない。
だけれど、あきらめきれない自分がどこかにいっる。
その日美奈は、自分と話し合ったが、結果決まらなかった。
俺と不思議少女の想い(後編)END