俺と不思議少女の想い(前編)
今日の放課後、美奈が正式部員になったのを記念して、歓迎会をすることになった。
もちろん場所はうちになった。
「お邪魔します」
「じゃますんぞー」
「お、来たか、まぁ狭いがゆっくりしてくれ」
ま、何もないし、そこまでごちそうも出せないのけどな。
「今日はどれくらいまでお祝いするの?」
「時間が許すまでだな」
俺たちが話してると、台所から美奈が声をかけてくる。
「お兄ちゃん、お味噌汁できたよ」
「お、サンキュー」
「あれ?、美奈ちゃんも手伝ってるの?、せっかくのお祝いなんだから、あっちで話してていいよ、後は私がやるから」
美奈は戸惑うが、冬が説得し、美奈はリビングに座る。
「いいんのかな?」
「大丈夫だよ、それに冬の料理はすごいうまいんだぞ?」
美奈はやっと納得したらしい、たぶんおいしいってところに反応したのだろう。
「ところで美奈ちゃん、好きな人とかできた?」
「おいおい、まだ来て三日だぞ?きがはやすぎるだろ?」
「よければ友達から・・・」
始まった、自分のことになると周りが見えなくなるクセ。
「え、えぇっと、言えないです」
「大丈夫、誰にも言わないから!」
美奈は隣にいる俺のズボンのすそを引っ張る。
このサインは遊園地で覆えたぞ。たぶん怖いんだ。
「おい幸也、美奈が・・」
「美奈ちゃんがこわがっいぇるじゃない!」
「って!、何すんだよ!」
俺が言い終わるよりも早く、冬が幸也の頭を歩お玉で叩いた。
そして言い争う二人。
二人の喧嘩を見ている美奈が急にクスッと笑った。
「ん?、どうした?」
「どうもしないよ、ただ、二人を見てると、本当の姉弟なんだなって思って」
「美奈ちゃんと風夜は喧嘩したことないのか?」
「ないよ」
まぁこの前会ったばかりだしな。
それに美奈はいい子だしな。
「あ、そうそう、ごはんできたんだった!」
「じゃぁたべるか!」
俺たちは、食卓へ行った。
食卓には、何も変わらない、いつも道理の野菜炒め、奮発して買った骨付きチキン、味噌汁とご飯がある。
いただきますといい、まずはいつもの野菜炒めを食べる美奈。
「これ、すっごくおいしい!」
その後も美奈はたくさん食べ、たくさん話した。
時刻は午後10時。もう帰ならければいけない時間だ。
「幸也!起きろー!」
はしゃぎ疲れて寝てしまった幸也と美奈。
幸也には帰ってもらうために起きてほしいのだが、まったく反応しない。
「仕方ない、幸也は泊りだな」
「じゃぁ、私は買えるね」
「送ってくよ」
「ありがとう」
7月、夏の夜空がテラス道、俺と冬は歩いている。
「ねぇ、風夜最近明るいね」
「そうか?」
「まえまでは、ミーナが死んじゃって、元気なかったのに、最近はウソみたいに明るいよ?」
確かに、周りから見たらそうかもしれない。
「もしかして、美奈ちゃんが原因?」
「い、いや、ちがうから!」
「別に悪いわけじゃないんだよ?、ただ、大切な家族がなくなったのに、あんまり気にしなさすぎるのもどうかなって」
「忘れたわけじゃない、あのときの悲しさは、絶対に忘れない・・」
話が一区切りするとちょうど冬の家に着いた。
冬は家に入り幸也の着替えをとってくると、俺に手渡す
「はい、これ着替え・・・それと、一ついい?、目、閉じて?」
「お、おう」
おれは目を閉じると・・何かが俺の唇に触れるのがわかり、とっさに目を開ける、そこには目を閉じ顔を赤くした冬の姿が映る。
「冬?」
冬が離れると、俺は問う。
「私の・・ファーストキス・・ずっと風夜に上げたかった」
「だけど・・」
「私と付き合って!」
それは、予想外の一言だ。
昔から俺に想いを寄せていることは、噂や幸也から聞いていたからわかってた。
でもまさかこんなタイミングとは思わなかった。
俺と不思議少女の想い(前編)END