俺と不思議少女の遊園地
今日は待ちに待った休日、昨日美菜と遊園地へ行く約束をした。
美菜は朝から起き、出掛けるのが楽しくてたまらないらしい。さっきからうろうろと部屋を歩き回っている。
遊園地といっても、市内にある小さな遊園地だ。
観覧車や小さなジェットコースター、お化け屋敷がある程度だ。
「よし、行くか!」
「うん♪」
遊園地はバスを乗り換えて一時間半の場所にある。
「ここが遊園地だぞ」
「人がいっぱいだね!」
「まずなに乗りたい?」
「ん~、あれ!」
「ジェットコースターーか、いきなり絶叫系か、ところで美菜、絶叫だいじょうぶなのか?」
「残念だねお兄ちゃん、私が絶叫して怖がるのを想像したかもしれないけど、あいにく私は大丈夫!」
「そ、そうか」
不覚ながら、少し想像してしまった自分が恥ずかしい・・・
「ほらほらいくよー!」
乗る気満々の美菜だったが・・
「キャーーー!!下ろしてー!」
「無茶言うなよ!絶叫系大丈夫なんだろ?」
「だって、外で見たときは大丈夫そうだったんだもん!」
今にも泣きそうになりながら俺の手をぐっと握ってくる美菜
「見かけだけで判断するからそうなるんだよ!」
「ごめんー!」
「はぁ、はぁ」
「まったく、強がるからだぞ?」
叱ると、しゅんとしてまった美奈、そんな姿もかわいく、ついつい頭をなでてしまう。
「まぁ、今日は楽しみに来たんだしな、気分変えていこうぜ、な?」
「うん!」
「次はおれがきめるぞ?」
遊園地と言えばやっぱりあれでしょう?
お化け屋敷。
「次は、ここな?」
「ええ?ここ?他は?」
「他は、なし」
怖いのか、つないだその手は少し震えている。
「やっぱ怖いなら他にするか?」
「いや!これで・・・いい・・」
負けず嫌いはミーナの頃から変わっておらず、たまにそれが原因でとらぶったりしていた。
まず入るともうそこは遊園地ではなく、墓の置かれた墓地だ。
ここのお化け屋敷は市内一怖いと評判だ、よくカップルがふざけて入って二人とも震えて出てくるのを何度か見た。
あたりは薄暗く、美奈は俺にべったりとくっついている。
「大丈夫か?」
「大丈夫、だいじょ・・きゃん!」
話していると、さっそくゾンビが現れた。
美奈は驚いてとっさに俺の後ろに隠れた。
「う~~」
「お兄ちゃん、怖い・・」
美奈は俺の腕をギュっとつかんで涙声で言う。
「大丈夫だってここのはほんとに襲ってきやしないから・・って、あれ?」
「う~~」
「きゃーーー!!」
「うわーー!」
そんな馬鹿な、個々のお化け屋敷は、ただ出てくるだけで、追いかけないはず。
まいたことに気づかずに全力でで走っていると。
「うわ!」
「きゃ!」
俺が足を踏み外し、俺の腕をつかんでいた美奈ごと倒れこんでしまった。
「いたた、わるい美奈、大丈夫か?・・・ん?」
柔らかい・・小さすぎず、大きすぎず、丸みのある物体を左派っていることに気づく。
「・・んぁ・・あっ・・ちょ・・ちょっと、お兄・・ちゃん、そこ・・」
美奈の少し色っぽい声で、それが何か、すぐに分かった。
「あっ、ごめん!不可抗力だ!」
すぐさま起き上がり、美奈にもてを差し伸べる。
その手には、さっきの感触が、いまだにはっきりとある。
美奈は顔を真っ赤にして起き上がる。
「き、気にしてないからね?」
そのあとは何事もなくお化け屋敷を終えた。
そのあとは、クレープを食べて、様々なアトラクションで遊んだ。
「もう夕方か」
「さいご、あれ乗りたい」
美奈は、観覧車を指さした。
「そうだな、あれで最後にするか」
俺は美奈と向かい合わせに座った。
すると、観覧車がてっぺんまで上がると、美奈がいいいだした。
「こうゆうときって、確かキスするんだよね?」
「まぁ、恋人同士ならな」
あたり前のことを口にすると、美奈は不満そうな顔をする。
「恋人同士じゃないと、だめ?、兄妹じゃだめ?」
「分かった、ただし、口じゃなくて頬ならいいぞ?」
了承したのか、目を閉じ、こちらに頬を向ける。
俺は、ゆっくりと頬にキスをした。
俺と不思議少女の遊園地END