俺と不思議少女の息抜き
お久しぶりです。
最近はだんだん暖かく会ってきましたね、いよいよ春ですね!
・・・どぞ(/・▿・)/
日曜の午前、今日は朝から街に中に遊びに来ている。
美奈と約束をした通り、今日一日勉強からは離れ、全力で遊ぶつもりだ。
「久しぶりの二人のデートだあ!」
美奈がハイテンションでガッツポーズをしている。
「そうだな、最近は必ずみんないたからな」
「ねえねえ、まずはどこに行く!食べ物?ゲームセンター?ショッピング?」
俺の前にたち、「もう待ちきれない」と言った様子で俺に質問してくる。
「朝食は食べてきたし昼食には少し早いからな、まずは温泉にいくわけだし、何か新しい服でも見に行こうか、この辺だと、しらむらだな」
しらむらという、安く旬の服などをたくさん置いている大型の服屋さんだ。
「りょーかい!」
美奈はそう言って俺の左腕にしがみつく。
少し恥ずかしい気もするけど、当然嫌なわけない。
むしろウェルカム!
こうして、俺達は服屋さんに足を運んだ。
「これは!」
「それもいいな」
「・・・これは!」
「それも」
「これ!」
「いいね」
「もう!しっかり決めてよ!」
どうやっているのか、試着室からすごい速さで着替えて、俺に見せて感想を聞いてを繰り返していた美奈が急に止まる。
「いや、しっかり決めてるんだが・・・」
「絶対うそ!さっきから「それもいいね」「これも」「それも」「いいね」とかくりかえしてばっか。しっか決めてよ~」
美奈が精一杯の俺の声真似をしながら怒る。
俺はしっかり感想を言ってるんだが、美奈は俺の感想が不満だったようだ。
いったい何がいけないのだろか。
「だめだなー、風夜は、女心がわかってない、全然だめだ」
「そうか?そんな酷いか?」
「うん、ぜんっぜんひどい」
「そうそう、風夜はぜんだめだ、俺よりダメだ」
「・・・・・・ん?」
と、俺と美奈は会話をやめ、不思議な顔をした。
さっきから自然と、会話に割り込んできた変な声が聞こえた気がしたからだ。
「・・・・・・・・・」
俺と美奈は同時に、左方向を向いた。そこにいたのは、腕を組み、「うんうん」と言った感じに深く頷いている幸也がいた。
「はあ!?幸也いつの間に!」
俺は声を上げ、幸也を人差し指で指しながら言った。
そう、そこに居たのは他でもない、今は癒菜と共に猛勉強中の幸也がそこにいた。
―――何やってんだこいつは、殺されるぞ。
「幸也さん、癒菜さんとの勉強はいいんですか?」
「いやー、そのだな・・・逃げてた」
「おい」
俺は思わず幸也の頭を軽く叩いた。
「痛っ、なんだよ、文句あんのかよ!」
「とりあえず癒菜に連絡だな」
「だあーーっ、ちょっと待ってくれって!昼奢るから!な?!な?!」
幸也がスマホを持つ俺の手を力ずくで抑えて言ってきた。
何してんだ、本当に。
「今回だけ、今回だけ見逃してくれ!服の選ぶのも手伝うからさ!」
いや、お前が服選んでどうするんだよ・・・。
「まあわかった、じゃあまず、選んでくれよ。女心わかるんだろ?」
「当然!まかせろよ!」
「ただし、美奈だけじゃなく俺も納得の納得のいくやつな」
「わるい、女心は分かるが、男心がわかる心は持ち合わせてないんだ」
「やっぱ癒菜にかけるか・・・」
「だー!冗談、今のなし!」
そう言って俺を止めたあと、さっそうと服を選びに行った。
「じゃーん、どうよ!」
それからしばらくして帰ってきた幸也は、美奈に持って来たものを渡し、今着替え終わってカーテンを開けたところだ。
「おお。悪くない」
「だろ?」
白いコートに、ブラウンのスキニーパンツを穿いている。
「これ可愛いですね」
「いいでしょ?今年流行るかもって本に書いてあってさ」
そこで俺は気になったことが一つ―――
「それにしても、よく美奈のサイズが分かったな?」
そう、一度も美奈のサイズを見ていない幸也。
コートならともかく、スキニーパンツと言った、体に合わせたものはそうそう勘で言っても当たらない。
「そりゃ、美奈ちゃんのスリーサイズと体重なら知ってるからに決まってるだろ」
ん?こいつ今なんと・・・確かスリーサイズがどうとか。
「幸也、その情報はどこから?」
「フフフ、秘密だ」
「記憶飛ぶまで頭叩いた方がいいな、どこかに鉄パイプは~と、椅子でいいか」
俺は近くに行った椅子を手で掴み、不敵な笑みを浮かべる。
「わ、わかった!お前にも教えるから!な!?それでいいだろ!?」
「ホウ・・・?」
「ちょ、うそ、冗談、今のなし!・・・いやーーーー!!」
あのあと、俺にみっちり説教させ、美奈に謝らせたあと、どこの情報なのか聞きだした。
どうやら夏休みに癒菜のスマホにたまたま受信されたメールをこっそり見たらしく、それに美奈のスリーサイズが書かれていたらしい。
そのことも美奈に聞いたところ、前に夏休みに着る服のサイズを聞かれた時に色々とプロフィールを送ったらしい。
「勝手にスマホ覗いたらダメだろ、親しき仲にも礼儀ありって言葉知ってるだろ?」
「いや知ってるけどよ、こう、除きたくなるじゃん、女子のスマホ」
わけわからん。
「美奈も、そう言うのは直接言わないと」
「ごめんなさい。気をつける」
美奈は反省しているが、いや、美奈は別に悪くないが、そこの男はいっさい反省してない様子だ。
「とりあえずこのことは癒菜に伝える、昼食を食べたあとにな」
「くそ、ちゃっかりしてやがる」
「ったりまえだ、逃がすかよ、ほら行くぞ」
幸也に説教してたら、もう昼時の時間になっていた。
この辺だと、サリゼリアかな。
幸也のコーデを気にったらしく、美奈の服を買い、外に出た。
しばらく歩いたところにある建物の二階に、そのレストランがある。
「私ドリンクバーとピザ」
「俺も、それかな」
「じゃあ俺も」
美奈の一言に続き、結果全員同じものを注文した。
みんな同じだと、なんか味気ないな。
「誰か違うもの頼めよ」
「最後に注文したお前が言うなよ」
「みんなお揃いだね」
そんな中、美奈だけは上機嫌はそんなことを言っていた。
―――それからしばらくして、注文したものが届いた。
「いただきます」
三人声を揃えていった。
「このピザおいしいね!」
「ん?ああ、おいしいな」
隣では、初めて食べるここのピザを絶賛している。
「おいしくないの?」
「いや、ここのレストランのピザはよく食べてたんだ」
価格もお手頃、サイズも一人分ぴったり。
学生の財布に優しいここのお店は、学校帰りや塾帰りの学生が必ずいる。
当然、休日も同年代の男女が多くいる。
俺もここのピザには、何度か助けられている。
特に美奈と会う前、お金に余裕がない時とかに・・・。
「幸也さんも?」
「俺もよく癒菜先輩とくるかな~」
癒菜がレストランか・・・少し違和感あって逆に見てみたいかもしれない。
美奈もそう思ったのか、隣で小さくクスッと笑っている。
「私はおいしいと思うけどなあ」
「まあ、まずくはないよな、どちらかといえばうまい方だ」
「でしょでしょ」
「・・・なあ二人とも」
せっかくはずんできた美奈との会話に水を差してきたのは幸也だ。
仲間外れになれたから、何かふざけたことでも言うのだろうか。
「いつまで付き合うんだ?」
「なっ・・・・・・」
「っ・・・・・・」
その言葉はきっと、本当はこう言いたいんだろう。
――――――「そのまま、恋人のままで別れることになって、未練は残らないか?」と、きっとそう言いたいのかもしれない。
幸也はきっと、雰囲気を壊すことを覚悟で言ったのだろう。
季節は冬、もうこの冬が終われば、別れの日は近い。
これは幸也なりの気遣いだろう。
そんなことわかってる、わかってはいるが・・・。
「悪い、その話はなしだ」
「・・・だよな、悪い・・・・・・」
その言葉を交わした後は、ずっと黙ったままの昼食が続いた。
「その、悪かったな空気汚して」
幸也は遠慮がちに、苦笑いを浮かべながら言った。
俺はそんなことよりも、隣でずっと気分の乗らない美奈が気になる。
「癒菜にはどうする?連絡するか?」
「いや、自分で戻るわ、二人には詫びとして混浴やるためによ」
そこでその話をふってくるか。
というか、それ俺も入ってるんだな。
俺はどちらかと言うと反対派なのに・・・。
「んじゃ、まだ月曜」
「・・・ああ」
そう言って幸也は癒菜の元に帰っていった。
「さて、どうするか、どこ行きたい?」
「・・・帰りたい」
弱った、息抜きするはずが、帰って気分を悪くさせてしまった。
「そうだな、今日はもう疲れたし、帰るか!」
俺は無理にテンションを上げて、美奈の手を握り、歩く。
しかし美奈はほとんど手を握り返すことはなく、俺が一歩的に握っている状態だった。
家に帰っても、ただひたすらベットに座り、地面を見続けていた。
俺が一人、夕飯の買い物に出掛け、帰っても、まだ続けている。
ここまで様子が変だと、よからぬことを考えていないか怖くなる。
「な、なあ・・・美奈?」
「・・・ん?」
俺が話かけると、小さく返事をし、ゆっくり顔を上げ、俺の方を見る。
その目は、明らかに普通じゃなかった。
「・・・ねえ私、まだ話してないことがあるの。」
「・・・・・・えっ」
俺が何か言う前に、美奈は俺をベットに引き込んだ。
「お、おい」
「ねえお願い、聞いて・・・!」
美奈が俺をベットに押し倒す形になっている。
「わ・・・たしね、私が消えるとき、この服の糸一ミリも残らないんだよ・・・?」
美奈が吹っ切れたように、無理に笑いながら言った。
しかし俺は、その言葉の真意が掴めない。
「つまり、ね。私の私物は、一つも残らない。それどころか、こんなに離れたくない気持ちでいっぱいになったら、みんなの記憶からも消えちゃうかもしれない・・・」
「なっ、それって・・・」
「・・・・・・うん、私がこの世にいたってこと、私という存在自体が消えてなくなっちゃうってこと・・・だから」
クロの時も、クロの使っていた物、あとは・・・・・クロの正体をしらない俺達以外からは、クロに関しての記憶がいっさい、すべて消されていた。
でも俺部活の面々にはその記憶がある。
それと、今は傷痕は残ってないものの、なぜか癒菜の階段での傷は残っていた。
「だから・・・こ、子供作ろ?」
「は、はあ?!」
そういって美奈は俺の上に馬乗りになり、着ている服を脱ぎだした。
「私なら大丈夫だから、ね?」
「ち、ちょ、ちょっと待てって!!」
俺は下着を外そうとしている美奈の手を、体を少しお越し掴んで止めさせる。
「外傷、生命」
「は・・・?」
「消えない外傷やその人の子供は、消えない、私がこの世にいたことが残る・・・・・・だから」
「ああもう、いい加減にしろって!!」
俺はもうとりあえず、がむしゃらに叫んだ。
とにかく美奈を正気に戻さないといけない、それが最優先だ。
「ふぇ?あ、えっ・・・・・・」
俺の上に乗っている美奈が、いつものように気の抜けた驚きを上げるのと同時、目に潤ませて、泣き始めた。
「っ。くっ・・・ご、ごめ、なさい・・・」
美奈は両手で涙を拭い、大泣きし始めた。
これはこれで、まずいぞ・・・どう泣き止ますかが・・・・・・。
「私、ただ怖かった。私がいなくなった後、誰も私のことを・・・覚えてないなんて、そんなの耐えられなくて・・・それで、それで・・・」
あ、ヤバい、これ取り返しつかなくなった・・・。
美奈はただ黙って泣き続けている。
「っ・・・んっ?」
「・・・・・・っ、とりあえず落ち着いてくれよ」
俺は美奈にキスをして、たぶん良い意味のショック療法で落ち着かせる。
「俺は絶対に忘れない、忘れるもんか。俺がずっと覚え続けてやるから、とりあえず泣くのはやめてくれ、俺も苦しい・・・」
「う、うん・・・」
美奈はまだ涙を拭い、落ち着いてはくれたみたいだ。
「あと、服を着てくれ、目のやり場に・・・困る」
冬に下着姿はいろいろまずい。風邪を引いてもらっても困る。
そして俺がそう言うと、少し顔を赤くしながら、ついでに部屋着に着替えた。
「隣、いい?」
服を着た美奈は、俺と一緒にいつも寝るように隣に入り、腕に弱い力で腕を絡めてくる。
「でも、まだ怖い」
「まだ日にちあるからさ、それまでに決めればいいさ」
俺は美奈の頭撫でて、再び体を震わす彼女を落ち着かせる。
「今日は、このまま寝てもいい?」
「ああ、いいよ、お休み」
「・・・お休み」
そう言うと、疲れたためか、すぐに眠りに落ちてしまった。
結局、今日の息抜きは、逆効果になってしまった。
明日から美奈は大丈夫なのだろうか。
テストどころではなくなった、テストの前に美奈がもたない。
早く温泉に連れていければ、少しは体も心も落ち着けると思うんだけど。
「俺って、ほんと女心わかってないな・・・・・」
そんなことを想いながら、俺も眠りに落ちた。
次回投稿もお楽しみください。




