俺と不思議少女のバレンタイン 癒菜と幸也編
なんとか今週中に投稿できました。
今回は癒菜視点の、建前でやっているツンデレ属性が身についてしまい、幸也に対してきつくいってしまう自分に悩んでしまうお話です。
どぞ・・・(/・▽・)/
今年のバレンタインは日曜日ということもあって、数多くの若者やカップルが街に繰り出している。
「ああ~!!何でこんな日によって予定入れてるんだあ!」
「そんな事いわれても、生徒会長やってる以上は仕方ないことなんだから、あきらめなさいよ」
パソコンで書類の整理をする私の隣で幸也が喚いていてうるさい。
「バレンタインくらいあけようぜ!」
「ムリよ、まだやることは山ほどあるのにそう何度も休んでいられないわ。はいこれ、そこのファイルに入れておいて」
「了解・・・。」
私から紙を渡されると、幸也は渋々ファイルに紙を挟んだ。
「はあ。そんなに落ち込まないでちょうだい、私だってバレンタインを満喫したいんだから。こうしてここにいるのが余計悲しくなるわ」
「はあ、今頃風夜達楽しんでんのかな・・・」
「だから言わないでちょうだい」
なんか私・・・惨めだなあ。
そんなこんなで今日一日分の書類は終えることができた。
「しゃあ!そんじゃあ先輩、まだ昼前なわけだし、どこか食べに・・・」
「何言ってるのまだ終わってないわ、今から学園の倉庫で備品整理とそれのチェックをしないと」
私がそういうと、幸也はさらに肩を落とした。
そんな幸也に心では悪いと思いながら、職員室に行って倉庫のカギを取ってきてほしいと伝えた。
「悪いとは思ってはいるんだけどなあ~」
私は一人倉庫の前で幸也を待ちながら、自分で自分に今の気持ち伝えている。
「は~あ、なんで素直になれないんだろう・・・本当は私だって達也と・・・」
そんなことを考えていると、クリスマスしたキスの事を思い出してしまい、顔が火照るのを感じて、慌てて気を引き締めなおした。
「もっと幸也が積極的に来てくれればいいんだけど・・・」
「呼びました?」
「ひぇっ?!た、幸也!?」
急に後ろから、幸也の声が聞こえた。
いったいいつから居たんだろう。
「あ、ああ!開けて頂戴!!」
何一人でテンパってるんだろう。
幸也が変な目で見てる~・・・。
「慌ててどうした?」
「何でもいいか開けて!」
ああもう、完全に慌てちゃってるよ、私。
幸也が倉庫の扉を開け、ホコリの舞う部屋の中へと入った。
「うわ。こんなにホコリっぽいとか、どんだけ掃除してないだよ」
「普通に生活してると、絶対に使わないからね。開けるのなんて今日みたいな日か行事で使うときだけよ」
窓からさす日の光で、部屋のホコリがはっきりと見える。
「はいこれ、ちゃんとつけときなさいよ」
「あ、ありがと。助かる」
ここに何度か来たことある私は、幸也の分のマスクも持ってきていた。
「それじゃあいっちょやりますか!」
幸也は肩を回しながら部屋の中へ、喧嘩腰で入っていった。
倉庫に入って二時間ほどたった。
「ああ!使えれた、腰いてえ!」
幸也が背後に座り、弱音を吐いた。
「ちょっとまだあるんだからしっかりしてよね?」
口ではそういっているが、本当は休んでほしい。
休日なのに私のお願いを聞いてくれたんだ。
当然の権利だ。
でも幸也は、そう口では弱音を吐いていても、すぐに私の手伝いを再開してくれる。
「つ、疲れてるなら休めば?」
「いいのか?」
「別に、重いものはある程度終わってるし休めばいいじゃない」
もう完璧に私・・・こういう言い回ししかできなくなってる・・・。
「じゃあ少し休むかな。なんか欲しいものあるか?」
「特にないわ」
「了解~」
そう言ってその辺にあった椅子に座って、私の方をじっと見ている。
「・・・なによ」
「いや、別に」
「・・・・・・なんなのよ」
「なんでも~」
聞いてもなお私を見てくる。
気になって作業にならない。
「だからなんなのよ!!」
「おわっ!!ビックリした。なんだよ急に」
「なんだよは私のほうよ!気になって作業にならな・・・キャっ―――」
「おいっ!!」
バカな私は、ハシゴの一番上で暴れたことで揺れてしまい、倒れる。
そして倉庫には、大きな音とハシゴの金属音が鳴り響いた。
「いったーい・・・え?」
「ったー!大丈・・・ん?んんっ?!」
私はなぜか幸也の下敷きになっている。
そして幸也の手は不幸にも、私の胸をしっかりと掴んでいた。
「キャっ・・・どいて!!」
「うわッ!!」
羞恥心で咄嗟に幸也を足で押しのけてしまった。
「っつてて、癒菜、今のは事故だ!俺は癒菜を―――」
「怪我してるじゃない!」
「そうそう、癒菜に怪我がないように・・・って怪我?誰が?」
私に蹴られ壁にもたれかかっている幸也の右手から、制服越しに血が滲んでいる。
「痛い原因はこれか。ハシゴの角で切ったかな?」
「バカなの!?自分が怪我するくらいなら助けなくてもいいのに。あれくらいじゃ死んだりしないわよ!」
怪我をしている腕を押さえて、幸也は笑って返してきた。
「だって彼女が怪我するところを助けないなんて、ダサいじゃん」
「それで大怪我したら意味ないのよ!ほら、医務室行くわよ。手当してあげるから」
「わかったわかった」
「どお?」
「ああ、血はもうそんなに出てないみたいだ」
「はあ。よかった」
「心配性だなあ」
医務室に来て、休日でいない医務室の先生の代わりに、私が手当をしてあげた。
ある程度血は止まり、そろそろ傷口に包帯を巻いてもいいかもしれない。
「ごめんな、これじゃあ手伝えないな」
「・・・」
なんで謝るんだろう。
「ん?どうした?」
「・・・」
誘ったのは私なのに。
ハシゴが倒れたのも私が原因なのに・・・。
なのになんで私を怒らないで、私に謝るの?
私に怒ると私が怒って返すって思ってるの?
本当の私はそんなこと言えるわけがない。
そんなに強い私じゃない。
「なんで?」
「ん?」
「なんで謝るの!?」
たぶん、今の私は誰にも見られたくない顔をしていると思う。
でも、こんな私に好きでいてくれる幸也のことを思うと、私は自分に対して怒りを覚えて、涙が出てきた。
「あ、えっとなんでって言われても・・・どうすっかなあ~」
たぶん幸也は自分が泣かせたのだと、そう思っているだろう。
でも違う。
「何も、言わないで・・・今は―――」
「っ・・・」
私は医務室のベットに座る幸也を押し、二人でベットに横になる。
「今は一緒にいて?」
「ああ、わかった」
そういって私の背中を優しくさすってくれた。
チョコは作る時間がなくて、渡せなかったけど。
今度この埋め合わせはぜったいにしてあげようと、そう自分に誓った。
そして私と幸也は、夕方まで眠ってしまった。
そろそろ本編書かねば!ですね。




