俺と不思議少女のバレンタイン後編 美菜編
どぞ(/・▽・)/
俺は冬とのデートのあと一度家に戻って荷物を置いてから再び待ち合わせの場所に向かった。
家に寄った時にはもういなかったのを見ると、先に家をでいる事がわかった。
「待ったか?」
待ち合わえのアーケードに着くと真ん中の、十字路のシンボルでもある時計塔の下に美菜はいた。
「ううん、ぜーんぜん」
後ろから声をかけると、美菜は笑顔で振り向いて答えてくれた。
今日はいつもより寒いと天気予報でいっていたからなのか、いつもより厚着をしている。
白いマフラーを口元近くまで巻き、少し袖の長いコートを着ている。
「・・・ん?どうしたの?」
「あ、いや、可愛いなって」
この一年近くで、色々な意味で可愛いとかの言葉を言い慣れた気がする。
一体誰のせいなのやら・・・たぶん半分近くは癒菜のせいだな、まあありがたくもあるけど
「今日はどこに行くの?」
「そうだな、いつも通り美菜の好きなとこならどこへでも、だな」
この時期のアーケードは色鮮やかにイルミネーションされ、夜遅くまでお店がやっていて、この県の一つの大きなイベントでもある。
「じゃあね。・・・あそこ!」
俺の手を掴み走った。
「アイス!」
「また食べるのか?」
「いいでしょ!イチゴ味下さい」
美菜はアイス店の店員に注文を頼み会計を済ませた。
「イチゴ好きなんだな」
「そうだよ、ダメ?」
「いやダメじゃないよ。ただ飽きないのかなってさ」
「飽きるわけないよ~だって大好きなイチゴだもん!」
それと、美菜の話によるとここのイチゴはかなり有名らしい。
「受け取り番号五番の方、受け取りカウンターまでどうぞ」
アナウンスで美菜の持っている番号札が呼ばれ、美菜は取りに行った。
「それじゃあ先にでてるからな」
「うん!」
「いただきまーす!」
美菜はお店をでて早速食べ始めた。
一口食べると、幸せいっぱいの笑顔で俺の方を向いて「美味しい」を連呼している。
「そ、そんなにうまいのか?」
「うん!美味しいよ!」
そこまで言われると・・・気になる。
「一口食べる?」
「いいのか!」
「うん、いいよ♪」
思いもよらない美菜の一言を、俺は喜んで受け入れた。
「そんじゃ一口・・・うまいな!」
美菜が俺の方に差し出してきたアイスを、俺は小さく一口噛んだ。
「そうでしょ?」
「ああ、今度俺も買って食べようかな」
「じゃあバレンタインチョコはなしね」
「え!?」
え、なに?アイス食べたから?
それとも間接キスしたからなのか?!
「プフッ、そんなに悲しい顔しなくても、ちゃんとあげるから大丈夫だよ~」
「んだ、びっくりした。本当にもらえないかと思ったぞ」
俺の表情を見るやいなや、ネタばらしをした美菜。
誰だ、美菜をこんな冗談を言う人にした人間は!!
あ、いや、一人いた、癒菜だ・・・。
「次はペットショップ行こ!」
「お、いい提案だな」
少し歩いたところにある小さなペットショップにやってきた。
ここのペットショップは部活でもよく餌を買わせてもらっていて、店員の人にはお世話になっている。
「いらっしゃい、って風夜と美菜ね。二人共仲がいいわね、今日は何買いに来たの?」
「いえ、今日は子犬を見せてもらおうかと」
「ならちょうどいい時にきたわね。ゴールデンと柴犬の子犬入ってるわよ?見る?」
「見ます!是日見せてください!」
美菜が食いついた。
美菜も元はゴールデンだっただけに、同じ種の動物には今だに反応する。
「かっこいい子いるかな~♪」
「犬のかっこよさの基準がわからないんだが・・・」
俺はウキウキ気分の美菜に聞いてみたが、スルーされた。
「はいよ、この子たちが新しく来た子たちだよ」
店員の人が二種一匹ずつ、系二匹を抱き抱えてきてくれた。
「はうっ。可愛い!」
「ホントだな。これってどれくらい大きくなるんですか?」
「ゴールデンが中型犬で、柴犬が大型犬だよ」
「このゴールデンの子はオスですね!」
美菜がゴールデンの子を抱きながら聞いた。
「すごいわね、オスよ」
「だってカッコ可愛いんですもんわかりますよ、ねっ」
そういってゴールデンの子と目を合わせて会話している。
たぶん本当に会話しているんだろけど。
「でさ美菜、美菜のかっこいい基準って何?」
「人?」
「いや動物の」
理想の男性なんて聞いたらぜったいに無理難題な答えが帰ってきそうで怖い・・・。
「んー・・・直感?」
「一目惚れってことかよ!」
「そんなもんだよ、動物界なんて」
いやいや、今動物界全体そうですよ的な大それたこと言ったけど、実際メスい振られて選んだりしてるシーンをテレビでみんですが・・・。
「それにしても可愛いなあ、もうっ!」
完全に子犬にKOされた美菜だった。
子犬にKOされた美菜はおれから十五分ほど子犬たちと戯れていて、なかなか終わらなっか。
でも今はアーケードを海方面に向かって歩いている。
「この先に海があってさ、そこからみる夜景がきれいなんだよ」
「そうなんだ、楽しみだな~」
少しお互いになにも話さない時間ができた。
すると美菜の方から俺のポケットの中に、自分のをいれ、ポケットの中にある俺の手を握る。
「当たっかいね、お兄ちゃん♪」
笑顔で俺の顔をみる。
「なんか久しぶりだな、そう呼ばれるのは」
「最近はずっと名前だったからね。でも私的には名前よりこっちの方が好きなんだ」
「なら無理して名前で呼ばなくてもいいと思うけどな?」
美菜の手が、ギュッと俺の手を握る。
「これはね。私個人の勝手な思い込みなんだけど・・・名前で呼び合わないと怖いから、せっかく私たち結ばれたのに誰かがとって言っちゃいそうで・・・」
「誰もとったりしないし、俺も誰かに取られたりしないから大丈夫だよ」
俺は美菜の頭をポンポンと、子犬の頃よくやったことをしてあげた。
それをやってあげると、美菜も自然と不安な表情から安心した表情に変わった。
そして気づくと、目的の場所まで来ていた。
クラスの女生徒の話だと、ここはデートスポットとして有名らしい。
でも今日は人が誰もいない。
「わー、綺麗!」
「だろ?」
海の近くにある高層ビルなどの光がくらい海に反射して、綺麗に海をデコレーションしている。
「こんな綺麗だとは思わなかったよ!」
「そっか、喜んでくれて嬉しいよ」
俺と美菜は柵に寄りかかる。
となりでは美菜が海に見とれている。
これだけのシチュエーションとムードだ、やっぱり今度は俺から言ったほうがいいだろう。
クリスマスの時は美菜に言われてしまったが、今度こそ俺が言う。
「美菜、目、閉じて?」
「あっ。うん、わかった」
すぐに何かわかった美菜は、スっと目を閉じて、俺の行為を待つ。
そして俺は、何度かしている彼女の柔らかい唇に、自分の唇を重ねた。
「・・・・・・っ、これだけ?」
「えっ?」
「もう一回!」
そういって今度は美菜から俺にしてきた。
それを互いに何度か繰り返した。
「はあ、はあ・・・あ、そうだ、チョコなんだけどね、その、失敗しちゃってね・・・でも一回だけ成功して、だからこれだけだけど、ごめんなさい!」
そういいながら謝る美菜を見て、なぜか自然に微笑んでしまった。
「そ、そうだよね、笑ってもしかたないよね」
俺の反応を逆に受け取った美菜は、完全に落ち込んでしまう。
「ご、ごめん!そうじゃないんだ!俺の為に頑張ってくれた美菜を想像するとさ、なんか誇らしいというか、娘の頑張る姿をみる親って、こんな感じなのかなって思ってさ」
「よっかたあ、そう言うことだったんだね」
「それじゃあもらうよ?」
俺は美菜の持つ一口サイズの丸いチョコを口に入れた。
味は全然不味くなかった。
少し焦げた感じの味がいい苦味を出していて、それを補うように中にはホワイトチョコが入っていて甘さがある。
「うまいじゃないか!」
「本当!?これで安心して眠れる~」
どうやら受け取ってもらえるか心配で、昨日はほとんど寝ていないらしい。
「これは・・・本命?」
「とうぜんだよ!」
「あとがとう」
「うん!」
最初で最後のバレンタイン。
そのチョコの味はとても甘く、それでいて何度食べても飽きない味だった。
癒菜と達也のバレンタインに関しては、短編を近日投稿予定です。




