俺と不思議少女のバレンタイン前編 冬編
どぞ!(/・▽・)/
人ごみのなか、歩いている人にぶつからないように、俺は彼女と手をつないで歩いている。
今いる場所は、俺たちの住む県にある遊園地の中で、一番大きな遊園地だ。
「次、どこ行く?」
「冬の好きなところでいいよ」
「もうっ。せっかくのデートんなだから、風夜も決めてよ?」
そう言って両手を腰に当て、少し怒り気味で俺の前に立つ。
「と言われても・・・俺あんまりデートとか・・・」
「癒菜との偽装デートの時はどうしたのよ?」
「あれは癒菜が用意してくれたデートプランだから・・・」
俺がそう言うと、冬は呆れたようにため息をつく。
「なんだ、あれは癒菜が決めたルートなのね」
「どうせ俺にはセンスないよ」
「拗ねないでよお~」
俺が拗ねたように振舞うと、冬は慌てて宥めようとする。
「ごめん!私が悪かったから!・・・ね?」
「・・・・・・しょうがない、じゃあ一ついいか?」
俺は一つ面白いことを思いつき、冬に提案した。
「えっと、じゃあこれ着けて」
「えっ・・・タオル?」
俺はカバンからタオルを取り出し、冬の両目をそれで覆い、目隠しにした。
「よし、じゃあ行こうか」
「え、行くってどこによ!?」
「着けば分かるさ~」
俺は冬の両肩を掴み、後ろから押していく。
「いってらっしゃいませ~」
女性定員の軽快な見送りの声を背中こしに聞き、俺は今だ目隠しをする冬は押して、とあるアトラクションの中にへと、入って行った。
「え、ちょっ・・・ちょっと!?暗くなってない!?」
とあるアトラクションの建物の中に入って行くと、次第に陽の光は閉ざされ、中はかろうじて冬の表情が見えるくらいの薄暗さだ。
「よし、目隠し取ってもいいぞ」
「・・・・・・ひっ・・・ここって・・・?!」
「そっ、おばけ屋敷の中だよ」
俺がそう言うと、目隠しを取った時点で少し青冷めていた冬の顔が、さらに青冷め、同時に恐怖心もこみ上げてきたのか、俺の腕にしがみついてきた。
「な、なな、なんでここにしたのよっ・・・!」
少し裏返った声で、目尻に涙を浮かべ、がっしりと俺の腕を掴んでいる。
こんな冬を見るのは初めてだ。
正直後が怖いが、これは見る価値がある。
今までにないほど新鮮な反応だ。
「ぜ、ぜったいに走らないでね・・・?」
「え、振りか?」
「そんなわけないでしょ!違うに決まってるでしょ!!」
軽く冗談を言ったつもりだったが・・・本気で怒られた。
「あの・・・怒ってます?」
俺は恐る恐る、すぐ横に居る冬に聞いてみた。
「あ、当たり前よう・・・お、怒ってるわよ」
ビクビクしながら言われても、説得力も迫力もないな。
「な、なによ!そんな嘲笑うような目でみないでちょうだい!」
俺がそんな冬を、可愛いと同時に、反応を楽しんでいる感じに見ていると、少しいつもの冬の戻った様子で反発してきた。
「じゃあここに置いていこうかな~」
「ウギャ~!!」
「キャアアアア!!」
冬の表情を覗き込もうとした時だった。
なんとも言い難い絶妙なタイミングで、血だらけで真っ青な肌を持った人成らざるもの、そうゾンビが大声で冬の横から顔を出した。
「ウア、アアッ・・・」
ゾンビは一通り冬を驚かすと、来た方に帰っていった。
「あ・・・うっ・・・」
「お、おい、頼むから泣くなよ?」
ゾンビが去ると俺の体に完全に抱きつき、顔を俺の胸に押し付けて震えていて今にも泣きそうな感じだ。
「わるかった、俺がわるかったからさ、だから取りあえずでような、な?」
そう言うと冬は小さく頷き、俺の後ろに隠れて目を瞑ったまま、完全に怯えきっていた。
「えっと、怒ってます?」
やっとのことで外に出ると椅子に座るこみ、今だ震えが収まらない冬に声をかけた。
「当たり前じゃない、誰だって嫌いなものを与えられたら怖いし怒るわよ」
「悪い・・・ちょっとやりすぎた、よな」
「とうぜんよ。だ・か・ら!」
そして冬は不敵な笑みを浮かべ立ち上がり、俺の手を掴んで引っ張っていった。
「うっ。もう無理、限界・・・吐きそう」
「情けないわねえ」
あれからいくつもの絶叫系に乗せられた。
嫌いなわけじゃないが、さすがにこれは酔う。
今度は俺がベンチに座り、震えている。
絶叫系か冬かと聞かれると、冬の方に震えている。
どんあ屈強な男性でも二回乗れば十分の、あんな絶叫物のアトラクションに連続で乗って耐えられる女性は、世界中探しても冬だけだと思う。
「これでお愛顧ね」
「そうしてくれないと俺が倒れる」
やっと震えが収まってきた。
今日はもう乗らないぞ、絶対。
「じゃあ、帰りましょうか」
冬が両手を伸ばして伸びをしあがらそう提案してくる。
まだ午後三時だから時間gはいくらでもあるんだけどな。
「いいのか?まだ時間はあるぞ?」
「いいのいいの、私は二人のついで見たなものだし、あとは二人で楽しんで♪」
「じゃあせめて家まで送ってくよ」
「ええ、そう言ってくれると助かるわ。最近は何かと物騒だしね」
俺はやっと立ち上げれるくらいに回復して、冬と出口に向かって歩いて行った。
「それじゃあ、今日はありがとね」
「ああ、また明日な」
帰り道も行き同然、何事もなく帰ってきた。
冬は帰りにテーマパークの出口にあったそこのマスコットキャラクターの狐のぬいぐるみ、コンコンのぬいぐるみを抱いている。
それは冬が欲しそうに見ていた為、俺が買ってあげたものだ。
「これ、ありがとね」
「別にいいよ」
俺が言葉を返すと、バックを開き何かを探している。
そして目的のものを見つけると取り出し、俺に渡してきた。
「はいこれ、バレンタインのチョコ」
「お、おう、ありがとう」
「なにその反応。もしかして意外とか思ってる?」
咄嗟のチョコに、動揺してしまったが、幼稚園以来の人生初の本命チョコなんだ、誰だって動揺する決まっている。
「あいや、意外とかじゃないんだ、ただ今までもらったことないかさ。本命チョコ」
「違うわよ、これは友チョコ」
「え、違うのか?」
「当たり前よ、私が本命あげたら美菜が可哀想でしょ?」
冬は冬なりに、美菜のことを考えていてくれた。
「だから友チョコ兼仮本命チョコとよ」
「どっちにしろ、嬉しいよ」
「う、うれ・・・いいから、早く美菜のところに行きなさい!」
俺の言葉に今度は冬が動揺して、顔を真っ赤にして言い、そのまま後ろを向いてしまった。
「そうだな、じゃあそろそろ行くよ。おやすみ」
「ええ、おやすみなさい」
そう言って俺は美菜の待つ場所まで走って行った。
「・・・嬉しい、ね」
風夜のいなくなった玄関で、彼の走って行く背中を私は見ていた。
「・・・バカ」
そう言って私は、微笑んだ。
お久しぶりです。
二月中には幻獣使いの運命と俺不思の本編の続きを投稿予定です。
お時間おかけします。




