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俺と不思議少女の一年間!☆  作者: 蒼空
アナザーエピソード 俺と不思議少女の一年間 1月編
34/44

俺と不思議少女のお正月

読者の皆さん、あけましておめでとうございます!

アナザーエピソードは春ですが、本編は今だに秋の終わり。

頑張ります!

では、どぞ(/・▿・)/

「あけましておめでとう!」

「ええ、あけおめね、美奈」

「おけましておめでとう、というか、癒菜のその言葉の配列可笑しくない?」

「なにか間違っているかしら?」


つい先週までの雪が嘘のように、積もっていた雪は消え、空には雲一つない。

しかしまだ冬が完全に抜けきっていなく、まだ風は強く、冷たい。

そんな中、今年も無事新年を迎えることとなった。


俺はクリスマスに交わした約束通り、美奈や部活のみんなと近くの神じゃへ初詣に来ている。

みんなそれぞれ、新しい着物で来ていて、まさに初詣と言った感じだ。

前日の年越しカウントダウンには、神社へみんで出向き、除夜の鐘と共に年越しそばを食べた。


まあそこでも美奈はたくさん食べていたわけで・・・。


今日はお参りに年末セールに行く予定になっている。


「手水屋で手を清めましょう」


神社の門を潜ってすぐのところにある、手水屋で手を清めることにした。


「うう、寒いよ、これ。絶対に寒いよ!」

「寒いけど、しっかり清めるんだぞ。まずは左手、んで次に右手だからな」


俺に言われると、渋々手を清めてくれた。


「うう、寒いよお!」


美奈は震えながら清めていた。


「ほらタオル、拭かないともっとさむぞ」

「ありがとう」


俺からタオルを受け取り、拭きながら摩擦熱をお越し手を温めている。


「ほら二人とも、いつまでもそこでイチャついてないで行くわよ!」

「おう、今行くよ」


先に終えていた癒菜たちが、美奈を持っていた俺を呼んでいた。


それからしばらく人混みの中をゆっくりと歩き、お参りのする神社の賽銭箱の前までやってきた。

俺達は個人で順番に並び、一人一人お祈りしていく。

ここの神社は様々な運気アップに、願いを祭られている神様に告げることができ、様々な目的でたくさんの人が来る。


「・・・・・・よし、終わった」


最後に俺が終え、出口の門の下で待っていたみんなの元に向かった。


「あ、風夜!遅いよ!」


人混みやよくわからない順番のせいで遅れてしまい、美奈が少し不機嫌そうだった。


「わるいわるい、見ての通り、混んでるだろ?」

「良いものなくなったらどうするの!」


ますます不機嫌になっている。


「ほら美奈、せっかくみんなできてるんだから、ね?」

「・・・そうだね。じゃあ気を取り直して、行こう!」


こうして最寄りのお店へ年末セール品を見に向かった。




「これ可愛いかな?」

「幸也、これなんてどう?」


女子一同がセール品を見に行っている間、男子二名は近くにあったソファーにこしを下ろして休んでいた。

このデパートに来るまでに最低で三店舗、目に止まったものからどんどん見て行った結果、時間と体力をかなり消費した。

しかも買った服などはすべて俺たちが持つ。


「幸也、これもすべてお前がじゃんけんで負けるからだぞ・・・」

「いや、マジで今年はついてる年だと思ったんだよ!おみくじは大吉だったしさ」

「ああ、それで吉だった冬を選んだわけか」


じゃんけんで荷物持ちを決めて、やたらと自信があると言い張る幸也にやらせ、幸也が市営したのは、お参りした神社のおみくじで、吉がでた冬だった。

しかし負け、その後泣き寝入りで三回勝負にしたが、全敗だった。

そして今に至る。

どうやら今年も幸也はついていないらしい。


そして今は三人の服を見て選んであげているところだ。

美奈は春服を探していて、他の二人は夏服を探しているようだ。


「どおかな?この色合ってるかな?」

「あんまり派手すぎない色で、美奈にはぴったりだと、俺は思うけど?」

「じゃあ着てくるね!」


俺の言葉を聞いて、試着室まで駆けていった。


「ほんと、楽しそうね」

「でも本当にこんなことでいいのかな、もっといろいろなことでいると思うんだよな」


先に買い物を終えた癒菜が、充実した笑顔で駆けていく美奈を見ながら言っていた。


「本人が望んでいるならいいのよ、それに、これが一番自然でいいと思うわ」

「・・・・・・そういうそういうもんか」

「そういうもんよ・・・それとも、風夜の理想はもっと高い感じなの?」

「いや、そう言う意味じゃないが、おと数週間もすれば・・・」


俺の様子を見ている癒菜が、呆れた様子で荷物を俺に渡し、隣に座る。


「あなたが楽しまないと、意味ないでしょ?あなたってすぐそう考えるんだから、お人よしの鏡だよね」

「癒菜はいいのか、幸也と・・・あっ」


また他人のこと心配してしまった。

自分でその事に気づいた俺を見て、癒菜が呆れきっている。


「フフッ、でも、あなたがお人よしじゃなかったら、私も部活に戻れなかったわ」

「あれはクロのおかげだろ、俺は何にもしてない」

「じゃあみんなのおかげね」


奥の方から、美奈が帰ってきた。

その格好は、本人曰く、春の格好と言っていたが、お店にあった似ている白いワンピースに、上に半透明の薄い黄色をしたカーディアンを着ていた。


「美奈、選択は悪くないと思うけど、それ、寒いわよ?」

「そうだな、さすがにまだ寒いな」

「これでいいの!」


美奈の格好は、夏服と言っていいが、まあ、本人がそれでいいなら、俺はそれ以上言わない。


「それじゃあ、それ買うか」

「うん!」


俺は財布を美奈に渡し、レジに向かった。



値段はセール品でさらに季節外れだったため、さらに安くなっていて、半額だった。

俺がレジから戻ると、冬の方も、隣の服やで欲しい服を見つけたようで、手には紙袋を持っていた。


「じゃあ次の場所にいきましょうか、美奈、次はどこがいい?」

「お腹が空いかな」


美奈が空腹を宣言すると、タイミングよく美奈のお腹が鳴った。


「そうね・・・でもお昼は過ぎちゃったから、軽くおやつとしましょうか、いいお店知ってるわ」


癒菜の案内の下、俺達はデパートを出て、数時間歩いたところにある公園にやってきた。


「ここの公園にある、ある食べ物がとってもおいしいのよ!ね、風夜」

「ああ、そうだな」


以前癒菜に、婚約者役を演じてくれと言われたとき、デートで来た公園だった。

ここで食べたいクレープは本当にうまかった。


「あけましておめでとうございます。クレープ五人分、味は全部お勧めでお願いします」

「久しぶり癒菜さん、あけましておめでとう。今年もよろしね~」


店員さんの女性の方は、俺達のことを覚えていて、俺と癒菜を見ると、何かを察したような感じだった。


「あら、癒菜さん可愛そうに~」

「ちょっ、違います!別に・・・」


弁解しようとした癒菜だったのだが、周りには癒菜がいる。

ここで下手に言ったら二人のあの時のことがバレる。


「そんな隠さなくていいわよ、少しまけとくから、今度聞かせてよね」

「違うんですってばあ・・・・・・」


癒菜はガクリと肩を落としていた。

なお何も知らない美奈と幸也は頭の上に?マークを浮かべていた。




「いただきまーす!」


あれから五分ほどで癒菜から順に一人一人クレ―プが出来上がった。


ちなみにあの後待ち時間の後、癒菜は店員の人に質問攻めにされていた。

隣では質問を終えた癒菜が疲れつつもおいしそうに、器用に食べている。


「う、生クリームすごい・・・」


隣では大量の生クリームをサービスされた美奈が、手や口中に生クリームをつけながら食べている。


「美奈って不器用?クリスマスの飾りつけの時は結構器用そうに見えたけど?」


癒菜があり得ないほど不器用に食べている美奈をみて言っている。


「そう、じゃ、ないんだけど・・・あ、落ちる!」


癒菜の言葉を、クリームが落ちないように所々落ちそうなところを舐めながら答えている。


「ほろ、口中生クリームだらけだぞ?」

「舐めて!」

「こ、こんな人前でできるわけないだろ!?」


不意にも美奈は、口に着いたクリームを舐め取ってほしいと要求してきた。

こんな公園のど真ん中で、みんなの視線があってできるわけがない。


「いいじゃない、やってあげなさいよ」

「そこは風紀委員長である癒菜は止めてくれよ!」

「美奈だから特別、と言うか生徒会長命令でやりなさい」


職権の乱用とはよく言ったものだ。

しかし、美奈もこんないやいやだと嫌なはず、試しに聞いてみることにした。


「美奈だって、こんな強制的にしてもらうのは嫌だろう?」

「ん?私は問題ないよ?」


ダメだった。


「じゃ、じゃあ、いくぞ?」

「うん」


俺は美奈の頬に、自分の口―――ではなく、指で拭い、それを舐めた。


「う、指?」

「どっちも同じだろ?それより、二人ともクリーム垂れるぞ?」

「あっ!」


俺が指摘すると、美奈と癒菜が声を合わせ、慌ててクリームを舐めていた。

少し離れたところからは「なんで癒菜は口にクリームをつけないんだ!」と、幸也が言っているのが聞こえたが、今は聞き流しておこう。




それからは、公園にたまたま居合わせたクラスの男女と共にはねつきなどを行い、夕方まで時間を使った。

それからは駅まで一緒に帰り、その後家にそれぞれ帰った。


「ただいまー!」

「はい、おかえり」


俺より先に玄関に入り、家へ入った美奈が、言ったあいさつに、俺が答えてあげた。


「今日は疲れたね」

「そうだな、でも楽しかったよな」

「ねえ、お参りの時、なんて願ったの?」


美奈は思い出したように俺に聞いてきた。


「そんなの決まってるだろ?残りの日々を美奈と悔いなく楽しくってさ」

「風夜はそうなんだね。・・・私は違うよ、私はね、またこうして風夜と暮らせますようにって願ったの」


身もふたもないが、美奈のその願いは、きっと叶うことはないだろう。

本当かどうかは不確かだが、美奈の言葉通りなら、美奈を転生させたのは、他でもないその神様なのだから。


「でもね、きっとその願いは叶わない。そう思って、そのあとに付け足したんだ、私がいなくなった後、風夜と冬が上手く行きますようにって・・・」

「・・・・・・」


返す言葉もない。

美奈は自分の事よりも、その後の俺の事を考えた。

クロの時に、飼い犬は飼い主に似ると言ったが、あれは俺と美奈もそうだったみたいだ。


「美奈もお人よしだな」

「お揃いだね!」

「それはお揃いとはいわないぞ?」


美奈の言葉の使い方は、今に始まったことではないが、今の空気的には、それがありがたい。

新年早々しんみり空気で初日を終えるところだった。


「お兄ちゃんは、冬と付き合ったら、何がしたい?」


美奈は俺の事を、名前でなく、兄として言った。

それはたぶん、恋人としてでなく、家族、妹としての言葉と言う意味の表れだと思う。


「そうだな、美奈としたことを、冬とするかもしれにい」

「それってどういう・・・?」

「美奈と言った場所、話した事、たぶん俺は、少しの間、冬を美奈と重ねてみると思う。でも美奈が願ってくれたことを、精一杯俺の手で叶えたいと思う」


こんなこと、美奈に言っても仕方がない。

でも、美奈には伝えておかないと、いけない気がした。

俺は美奈にもっとできることをしてあげたい、別れの日が近づくことに、毎日毎日、そんな感情が大きくなっていく。


「美奈!」

「ん?」


俺の声とは裏腹に、美奈は気の抜けた返事をする。


「今年もよろしく」

「うん、よろしくね!」


今年あと少ない日々を、俺は彼女に委ねたいと思う。

美奈も、俺に残りの人生を委ねてくれると思う。

だって、互いにお人よしだから・・・。

今年も、何卒よろしくお願いします。

それでは、本編でお会いしましょう!

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