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俺と不思議少女の一年間!☆  作者: 蒼空
アナザーエピソード 俺と不思議少女の一年間 12月編
33/44

俺と不思議少女の聖なる夜(クリスマス)の約束

メリークリスマスです!

クリスマスの日にも読んでいただき光栄です。

では、聖なる夜を・・・どぞ(/・▿・)/

待ちに待ったクリスマス当日。

今日は元々部活はないのだが、「今年はみんなで」と言う言葉通り、部室の動物たちも一緒に行おうと言うことだ。

ちなみにこれは癒菜の提案だったりする。


「じゃあこっちはこれで良いの?」

「そうね、そんな感じ。じゃあ次、これ頼める?」

「了解!」


完全に癒菜の言われるがままの美奈は今、部室の飾りつけをしている。

前に文化祭や卒業式で使われていた輪つなぎを倉庫から出し、壊れている部分などを修復して使っている。

学校側の許可もとっているので、問題はない。


「さすが生徒会長だよな、許可取れるなんて思わなかったぞ」

「私も自分でもすごいと思ったわ、ただ紙に名前書いたら許可取れるなんて・・・」

「そんだけ癒菜が信頼されてるってことだろ?」


癒菜の高校側への信頼度は相当なものだが、こんなこともできるとは・・・。

これは本当に弱みなんか握られたら逆らえなくなる。


「冬はいつ頃来るの?」


人手が足りない飾りつけは、冬も手伝う予定になっている。


「買い出しも頼んであるから・・・そろそろ来るだろう」

「じゃあ冬が来るまでに終わらせちゃおっか!!・・・あ、癒菜ちゃんこれ終わったよ!」


みんなで過ごすクリスマスを、誰よりも楽しみにしている美奈は、俄然やる気を出して取り掛かり始めた。



飾りつけの作業時間はそこそこ時間がかかったものの、三人でだいたい二時間ほどで最後の作業に入った。


「それじゃあ、これをつけて最後だね・・・着けるよ?」


美奈の言葉に全員が頷いた。

美奈はもうワクワクしてたまらない様子だった。


「ここを・・・こう、できた!」

「お疲れさま、美奈」

「長かったな」


美奈が今、最後の輪つなぎを取りつけ、パーティ用の部屋が完成した。


「ただいまー!」


一息つこうと思ったところで、冬が両腕いっぱいに袋を抱えて荷物を持って帰ってきた。


「ありがとう、大変だったでしょ?」

「おかげさまで肩が凝っちゃったわよ」


そういって冬は俺の隣に腰を下ろした。

いつになく、本当に疲れてる様子だった。


「しょうがない、俺からのクリスマスプレゼントだ」

「ひゃっ!ありがとう」


俺は後ろから冬の肩を揉んでやることにした。


「どうだ?」

「気持ちいよ~」


後ろにいるため表情は見えないが、冬の声から、リラックスしているのがよくわかった。


「いいないいな。私も肩揉んでほしいな!」


冬の買ってきた物の中身を出していた美奈が、俺と冬の光景を見て嫉妬と言うよりは、普通に羨ましがっているようだ。


「あとで美奈にもしてあげるよ」

「やったっ!」

「ん、癒菜はどうする?」


一人だけ仲間外れも可愛そうと思って、癒菜にも聞いてみた。


「そうね、私はもっと大人なマッサージを要求しようかしら」


そんなことを平然と言った。

なんとなく予想してなかったわけじゃないけど・・・。


「冗談よ、真に受けないでよね、ヘタレさん」

「まだ夏休みに事覚えてたのか・・・あれはそう言うのじゃなくてだな」


夏休み、合宿に行くまでの新幹線の中で、癒菜とは一度危ない目にあった・・・そういう意味の方だけど。

まあ、どちらかというとあのときは襲われた側だったきがするけど・・・。


「私に幸也がいるから大丈夫よ。ていうか冬、いつまで酔いしれてるのよ、手伝ってちょうだい」

「ちょ、俺の話を聞けよ!」


俺の言葉は完全スルーでだった。

少し幸也の気持ちが分かった気がする。


「はいはい、今行くよ」


冬は美奈と一緒に手伝いにいった。


「ねえ?幸也はどこなの?」


朝出て行ったっきり帰ってくる気配のない幸也を、美奈は気にしている様子だった。


「幸也にはちょっと別の仕事を用意したから、そっちをやってもらってるわ。大丈夫よ、来るから」

「そうなんだ、ねえ風夜、幸也が何してるか知ってる?」



どうやら、知らなかったのは俺だけじゃないらしい。


「いいや、俺も知らない」

「ほらほら、料理のしちゃうわよ!風夜も手伝って!」


全員で冬の買ってきた物を料理していて、俺も手伝わされた。

サラダに某チキン屋さんのバスケットに入った骨付きチキンの盛り付け。

簡単な調理を始めた。



調理の順には思いのほか時間がかかった。

自分達の分はさほど時間はかからなかったが、部室にいる動物達の分の準備が大変だった。

動物ごとに好き嫌いがあったり、それぞれの食べる量など違い、準備には時間がかかった。



「これで最後ね・・・さあみんな持ってちょうだい!」


食事の準備が終わると、癒菜が意味の分からないことを言った。


「持ってって、どこに?」

「いいからいいから!、私はこの子達連れて行くわ!」


そういってケージの中の動物達を出していく癒菜。

元々捨てられていたところを助けてあげたり、子犬の頃から育てている子もいるため、放し飼いでも大丈夫だが、美奈が動物達と意思疎通できるおかげで、リードという拘束具がなくても、動物達は快適に散歩できる。


「みんな、聞いていた通り移動するよ!」


美奈が動物達にそう告げると、癒菜の元に動物達が集まる。


「それじゃあ、先に外に出てるわね」


癒菜が動物達と共に部室を出て行った。


「風夜、私たちも行こう!」


俺達が外に出ると、すでに癒菜は準備を済ませていて、癒菜が持っている折り畳み式の台車の上には、動物達の餌が所狭しと乗せてあった。


「この日のために借りてきたわ」

「さすがは生徒会長、だな」


俺に褒められると、珍しく「どうよっ!」という嬉しそうな雰囲気だった。


「それじゃあ各自持ったわね?行くわよ!」


俺は癒菜を先頭に、中庭の方に向かって歩いていく。


「外で食べるには寒くないかな?」


外は昨日降った雪により、五センチほど積もっていて、粉雪が舞っている。


「大丈夫よ、その辺のことも私に任せなさい!」


今日の癒菜はいつも以上に楽しそうにしている。

隣では冬が、一部の動物達に俺達用のチキンを取られないように死守していた。


「こりゃ急がないと俺達の夕飯はサラダになっちまうな・・・」

「私達の夕飯は冬にかかってるから、しっかり守ってちょうだい!」

「わ、わかってるけどお!」


後ろで中型犬に襲われていた冬は、小走りで先に行ってしまった。

その後ろを、標的にされた同じくチキンを持つ美奈が走っていく。


「転ぶなよー!」


一応くぎを刺しておいた。

俺の言葉を聞いた二人は、少し足元を気にしながらスピードを落としていった。


「ちょっとどこまで行くの、ここよ」


そして行き過ぎた二人と数匹を、癒菜が引き戻した。


「ん?ここって学校のシンボルになってる中庭の大きな木だよね?」

「まあまあ、見てなさい・・・それじゃあよろしく」


癒菜は誰かに電話をしていて、誰かに合図のように右手を挙げた。

すると中庭の大きな木が色鮮やかにライトアップされる。


「おお、すごいな」

「わー!すごいっ!これっているみねえしょん?」


基本的にこの世界のことは何でも知ってそうな美奈でも、基本的な生活面で使うことだけらしく、最近覚えたイルミネーションという言葉を半ば棒読みに言った。


「すごいわ・・・って、これセットしてたのって・・・」


色鮮やかな電飾、装飾品やライトに照らされた木を見ていた冬が、何かを思い出したかのよう言った。


「そ、幸也よ、彼には朝からずっとやってもらってたわ。今回ばかりは感謝ね」

「あいつそんなことやってたのか」

「おーい!準備できてるぜー!」


木のから少し離れたベンチの近くで、ばバーベキューコンロを出して火を焚いている幸也がいた。


「なあ、さすがに学校の敷地内で火を使ったことは・・・」


まさかとは思わないが、これもせ生徒会長の・・・。


「これも書類にサインしたら許可貰ったわ。それに、雪の中のバーべキューも、それなりに神秘的じゃない?」

「まあ、それもそうか」


火を使うことまで許可するのは意外だったが、まあこれはこれで貴重な体験だな。


「さ、食べましょう、いつまでもチキン持ってると、二人が食べられちゃうわ、いろんな意味で」


癒菜が呆れながら見た先には、お腹を空かせた犬たちが群がって、二人を取り囲んでいた。


「た、たすけてえ!この子達、お腹空きすぎて言うこと聞かないよ!」


美奈が半分涙目で俺に助けを求めてきた。

冬は犬たちに足を舐められ、身悶えていた。


「あち一分待っててくれ、すぐに餌を置くから!」

「うん、なるべく早く・・・食べられる前に・・・!」


二人のために、俺と癒菜は二人で台車から下ろし、餌を地面に置く。

数もそれなりにいて、少し時間がかる。


「・・・うっ・・・美奈・・・後はお願い!」


後ろでは、さっきから舐められていた冬が、美奈にチキンの入ったバケツを私、犬たちに舐めまわされている。


「ちょっ、助けて!・・・きゃっ、そこ舐めないで!!」


なんか声だけ聞いていると・・・いろいろとダメな気がしていた。


「できたわ!・・・ほらみんな、こっちにご飯あるわよ!!」


設置が終わり、癒菜の言葉と共に美奈達の方にいた犬達は、駆け寄って、みんな餌を美味しそうに食べ始めた。


「はあ、はあ。もうダメかと思った・・・」


さっきまで犬たちに襲われていた冬が、だらしなく乱れた服を直しながら起き上がった。


「・・・ほら、濡れタオル、いるだろ?あと、この季節にスカートはまずいだろ、寒くないか?」

「うん、ありがとう、大丈夫」


俺は近くの水道でタオルを濡らし、舐められたところがべとべととしている冬に渡した。


「よし美奈、もっちきてくれ」

「うん・・・ついでに分けちゃうね!」

「お、サンキュー」


これでやっと落ち着いてクリスマスディナーを食べれる。


「んー!このお肉おいしい!」

「あんまり食べすぎるなよ?」

「んもう、風夜いつもそればっかり!」


美奈は俺の言葉に珍しく反論した。

隣では幸也がバカ食いしていた。


「幸也・・・あんたあとで絶対に動けなくなるわね」

「ん?フォンだいふぇーよ」

「食べてから返事してちょうだい、恥ずかしいから」


幸也の自由っぷりに、癒菜はいつも通り悩まされていた。


「美奈、野菜焼けたぞ」

「うっ・・・玉ねぎ嫌い・・・」


美奈の紙皿に焼き玉ねぎを載せてやった。

久露もそだったが、どうやら元犬の人は、玉ねぎが嫌いらしい。

美奈曰く「身体が受け付けない」、らいい。

特にあげたからってどうこうなるわけでもなく、アレルギーでもない。


ただの食べず嫌いだ。


「うえ、まずい・・・」


勇気をだし、一口食べた美奈だったが、下を出し、とても苦そうな顔をしていた。


こりゃ本格的に嫌いみたいだな。


「・・・みんなおいしいって」

「そっか、それならよかった」


麦茶を飲んで口の中を潤した美奈が、動物達の声が聞こえたらしく、俺たちに伝えてくれた。


それからはもっと盛り上がり、幸也対犬の肉争奪戦などいベントなどもやったり、みんな思い思いに楽しいんだ。



ある程度食べ終わり、今はバーべキューの火を石で囲ったところに地面に置き、ベンチに座り、たき火をしている最中だ。


「さて、私と幸也はあっちで二人だけの話でもしようかしら」

「そうだな、行くか」

「じゃあ私はこの子達とあっちで遊んでようかな」


三人とも立ち上がり、それぞれ気を使ってこの場から離れていった。


「みんな気を使ってくれたんだね・・・」

「・・・ああ、そうみたいだな」


二人っきりになり、ただたき火の木がパチパチとなる音だけが聞こえる。


「・・・・・・クリスマス、楽しんでくれたか?」

「うん、すっごく楽しかったよ。あ、ただ玉ねぎ入れられたのは一生根に持つかもー」


美奈は今だに玉ねぎのことを気にしているようだ。


「まあでも、それもいい思い出かな・・・」

「四月まで・・・あと約四ヶ月・・・何したい?」


もうあと四ヶ月もすれば、俺の元から消えてしまう美奈に、今後の予定を聞く。

彼女は「少し考える」と言って考えている。


その沈黙の間、俺は久露が消え時の事を思い出した。

天まで伸びる光の柱、消えて薄くなっていく体。

きっと美奈も、別れの時はそんな感じなのだろう。

そこで考えてしまう、ぞの後の自分のことではなく、そんな状態になって、美奈は久露のように平然としていられるのか、美奈は拒否しないか・・・生きたいと願わないか。

きっと、彼女に泣きながらそんな事を言われたら、俺は何をするのだろうか。

神によって決められた運命に、俺は抗おうと、彼女のその願いを叶えようとするのだろうか。


「・・・決まったよ」


静かに美奈がそういった。


「どんな予定だ?」

「まずね、年が明けたら初詣に行く!それでみんでお前りして、お買い物に行く!」

「年末の大安売りを狙いに行く気だな」

「うん!」


彼女は無邪気にそんなことを言う。

まあ、うちはそこまでお金に余裕がないし、この一年間美奈と忘れられない思い出を作れたのも、癒菜やみんながいてこそだ。


「・・・でもね、それより私、今一番欲しいものがあるの・・・」


そういって彼女は俺に詰め寄ってくる。


「な、なんでもいいぞ?」

「クリスマスプレゼント・・・欲しいな」


俺に迫る彼女の顔は真っ赤で、息も少し上がっているだった。


「・・・ね?」


彼女は首を傾げてねだってくる。


「・・・わかった」

「キャっ・・・」


俺は彼女をベンチに押し倒した。


「風・・・んっ」


彼女が俺の名前を呼び終える前に、彼女の口を、自分の口で塞いだ。

俺が彼女に口づけをすると、彼女はっそっと目を閉じ、俺の身体に腕を回した。



「っはあ、ありがとう」


あれから何度も熱い口づけを交わし、互いに満足するまでした。


「・・・もういいのか?」

「うん、もう十分だよ」


彼女は幸福でいっぱいという顔で言ってくれた。

その顔はさっきより赤かったが、満足している感じだった。


「今度、二人でデート行こうよ」

「そういうのは男から言わないと格好悪いんだけどな・・・いいよ、行こう」

「うん、約束」


俺が彼女の身体をお越すと、彼女が右の小指を出してきた。


「・・・指切り」

「あ、ああ、いいぞ」

「嘘ついたら針千本だからね!」

「ああ、わかってる」

「フフッ、指斬り~」


指斬りを終えると、彼女はとても嬉しそうに小指を見ていた。

そんな二人の元に、冬が戻ってくる。




美奈たちが口づけを交わした時、癒菜たちは二人からは見えない別のベンチに座っていた。


「クロ・・・向こうで楽しんでるかしら」


癒菜は二人の間に置いたクロと久露の写真を撫でた。


「楽しくやってるさ、だって癒菜が育てたんだ、きっと俺達のこと応援してるさ」

「たまには良いこと言うわね」


癒菜はからかうような笑顔で言っていた。


「・・・あのね、クリスマスの聖なる夜はね、どこの国かは忘れたんだけど、男女は、その・・・く、口づけを!交わさないといけない決まりがあってね・・・」


からかううような笑顔から一変、顔を赤くし、そんなことを言いだした。

おそらく彼女なりの照れ隠しなのだろう。


「でもここ日・・・なんでもない、そんな国あったな」


珍しく癒菜の言葉の意味を分かった幸也は、そのまま言おうとしていたことをやめ、癒菜の言葉に同意する。


「だから・・・キスして?今日は幸也頑張ってくれたし、だから、今日は、いいよ?幸也の好きなようにして、私いやって言わないから・・・私の身体を温めて?」

「・・・じゃあ、いくぞ?」

「う、んっ」


幸也は目を閉じた癒菜と、口づけを交わした。

その口づけは一回かぎりだったが、呼吸が続く限りそのままでいた。


「っぷは。これだけ?」


いつもの幸也ならもっといろいろとしてくると覚悟していた癒菜は、幸也の行動に驚いていた。


「これだけで言いです。・・・だって、先輩震えてたから」

「ふぇ・・・た、幸也のくせに気を使わなくて!」

「俺は自分の力で先輩の同意を得るから、先輩に心の底からそう言わせます」


幸也は真剣な目で癒菜を見つめている。

どうやら幸也は、癒菜が考えていたほど不抜けた男ではなかったようだった。


「じゃっ・・・じゃあ、寒いから、抱きしめて」

「おう」


幸也は癒菜を優しく抱きしめた。

その光景に、写真の中の久露も、まるで微笑んでいるようだった。




こうして、今年のクリスマスは、それぞれの聖なる夜を過ごした。

風夜と美奈は絶対に忘れない約束を―――。

幸也と癒菜は新たな想いと誓いを―――。

それでは本編でお会いしましょう!。

最後にもう一度、メリークリスマス!。

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