俺の知った久露の真実1
クリスマスも残すところあと5日!
これはいよいよのんびりしてなんていられませんね!
では、どぞ(/・▿・)/
久露さんから聞いた話だと、どうやらあの日、俺たちが帰った後に色々と話したと聞いた。
しかしそれでも癒菜は聞く耳を持たなかったと言っていた。
癒菜へのアタックは、久露さんが積極的に行っていたが、幾度となく失敗し、追い返されている。
今日でそれも、早いことに二週間目突入だ。
「あの、一ついいですか?」
いつも通りの、静かな放課後の部室に、久露さんの声が響いた。
「なんで皆さんは、癒菜さんに声をかけてあげないんですか?戻ってきてほしんですよね?」
その久露さんの意見はとても正論だった。
戻ってきてほしいなら、行動を起こすしかない。
でも行動を起こせば、それだけ癒菜の心の傷を、また抉るようなものだ。
でも久露さんはそれでも声をかけ続ける。
「確かにそうなんだけど・・・あんまり無理強いするのも可愛そうじゃない」
冬が餌上げをやめて言った。
「でも、同情していても癒菜さんは戻ってきてなんてくれませんよ?」
「・・・・・・」
さすがの冬も言葉を返せないようだ。
ただ黙って、今の言葉を受け入れていた。
そして、訪れた沈黙を破ったのは、久露さんの衝撃的な一言だった。
「私、癒菜さんを連れてきます」
物音一つしない部室に響いた、衝撃的な言葉。
全員が部室から出ていく久露さんを見た。
「・・・はっ、久露さん?!」
驚くあまり、全員反応に遅れ、我に返った冬が、すぐに止めに入ったが、すでに久露さんは、部室をでていて、部室にいない。
「冬、俺がいくから待っててくれ」
「私も行くよ!」
そういって美奈が俺の後をついてきた。
俺達は生徒会室に一番に向かったが、そこに久露さんどころか、癒菜もいない。
俺は美奈に、二手に分かれて探すように言って、端から各クラスなどを見ていく。
私が二年生のクラスで生徒と話していると、後ろから声をかけられた。
その声の主は、最近私によく部活に戻そうと頑張っている生徒だった。
「・・・篠川さん、どうしたの。今はまだ部活をしているはずだけど・・・」
「・・・あの、ちょっと来てください」
そう言って、彼女は、私の手を掴んで走りだした。
私は何のことかさっぱりわからずに、引っ張られながら考えている。
でも三階の階段を降りる頃に、事の状況がわかった。
「ね、ねえ、ちょっと待って!・・・もしかしてあなた私を!」
「いいから、来てください!」
どうやら私の考えは間違ってなく、彼女はその一言で返した。
「いっ・・・いや!」
階段の窓から見えた部室を見て、私はあの日見た光景を頭の中で思い出した。
俺が二年の教室を探してる時だッた。
二階に近い階段の方から、二人の声がした。
俺は走って階段に向かうと、駆け下りていく二人が見えた。
後ろからは、同じく声に気づいたのか、いつのまにか美奈がいた。
そえれは俺達が二人の姿を完璧に視認した時だった。
「・・・っ離して!!」
癒菜が久露さんの手を勢いよく振りほどいた。
よほど久露さんの手は強く握っていたようで、癒菜は力強くがむしゃらに腕を振った。
「癒菜さん、痛いです!」
「離してっ!いや!絶対に行きたくない!!」
小さな子供が嫌いなところに行くのを拒むような、そんな光景だッた。
そして次の瞬間、事態が悪化した。
「えっ・・・」
癒菜から久露さんの手が離れた。
しかしそれと同時に、反動でフラフラとしていた癒菜が、階段から足を踏み外した。
「させない!!」
そういって癒菜の手を思いっきり引っ張り、久露さんが位置を入れ替えた。
そして癒菜は階段の壁に軽く身体を当て、久露さんは大きく重い音を鳴らして、落ちた。
「あ・・・えっ・・・私は・・・」
地面に座り込み、放心状態で震えている癒菜には美奈が駆け寄り、階段から落ちた久露さんには俺が駆け寄った。
「久露さん!」
結構頭を強く打っていて、血を流していた。
「美奈!誰か先生呼んできてくれ!俺は保健室に連れていく!」
俺は美奈に言って、久露さんを抱き上げて、保健室まで運んだ。
幸い、この現場を目撃していた生徒は居なかった。
私はまた・・・誰かを傷つけてしまった。
心の弱い彼女のことだ、きっと深く考え、自分を責めているだろう。
やっぱり私一人じゃ何もできない。
――いっそのこと風夜さんにすべてを話すしかないのかな・・・。
久露さんは落ちてから、数時間ほどで目を覚まし、俺はことの状況と、癒菜の状態を言ってあげた。
癒菜はおかげさまで外傷一つなかったが、久露さんはひどく、左足首を捻挫、頭には包帯だった。
「ごめんなさい、ご迷惑お掛けします」
「いやいいよ、久露さんのおかげで癒菜は怪我一つなかったんだし」
俺の言葉を聞いた後、久露さんは思い詰めたような表情をして、そのあとすぐに何かを決心した表情になった。
「・・・あの、私のお話を、少しの間聞いてください」
私は彼女に会いに行っていいのかを、ずっと考えていた。
私のせいで彼女には大怪我をさせてしまったわけだし。
「癒菜さん?」
「えっ・・・あ、美奈」
後ろには、鞄と制服の上着を持っている美奈が来ていた。
「それ、篠川さんの?」
「え?ああ、そうだよ。癒菜さんも入ろうよ」
そういって彼女は私の背中押して、ドアに手をかけた。
「――そういうわけなの、風夜、ごめんね」
「いいわけないだろ!?」
俺が声を上げたのと同時に。保健室のドアが開けられた。
「ん?どうしたの?」
「いや、何でもないよ」
美奈が久露さんの制服の上着と鞄を持って入っていた。
その後ろには、癒菜が隠れていた。
「なんだよ癒菜、隠れるなんてらしくないなあ」
「べ、別に隠れてるわけじゃないわ!・・・はっ!」
いつもの癖で反論したのはいいが、つい出てきてしまって、はっとなった。
「あっと、ええっと・・・」
「癒菜さん」
「な、なに・・・」
「そんな子犬のような目をしないでください、私怒ってないですから・・・と言うか癒菜さんが起こるべきですよね?普通」
久露さんは精一杯の笑顔でそういった。
確かに、今の癒菜の目は泣きそうでいて捨てられた子犬のようだったな。
「でも、私が怪我をさせたことにはかわりないし・・・」
「だから、いいんです。これは事故だったんですから、ちょーどドジな私が足を踏み外した、たまたま癒菜さんはそこにいてくれて、私を風夜さんと運んでくれた、先生にはそういいましたから」
「えっ・・・」
久露さんは癒菜の立場状のことを考えて、今回の件は、今言った内容で先生に伝えた。
「・・・ありがとう」
「構いませんよ」
照れている癒菜に、久露さんは再び笑顔で返した。
二人の仲は、に悪化しないで済みそうだ。
それでは、また次回のお話でお会いしましょう。




