俺と不思議少女と転校生
更新遅れまして、新章突入です!
どぞ(/・▿・)/
花火大会後の夏休みといったら、それはもう楽しい毎日だった。
美奈と買い物に行ったり、プールに行ったり。
「ほら美奈、起きろ!」
今日から九月に入り、あの幸せいっぱいだった夏休みは・・・消え去った。
「学校と私どっちが大事?」
「うっ・・・」
ここはきっぱりと学校と言うべきなのだろうが、美奈の特殊な事情上、一瞬考えてしまった。
「・・・何言ってるんだ、二人で学校生活を送るのも、列記とした恋人同士がすることだ」
「ううっ・・・失敗か~」
そういうと、あきらめた様子で布団からのそのそと出てきた。
「早くしてくれよ?今日は天気がいいから布団を干したいんだ」
そういって俺が布団を外に持って行くと・・・。
「ああ!風夜の温もりが~!」
「変なこと言うなよ!」
色々な意味で朝から全快の美奈を連れて当校した。
「どうしたの?朝から疲れてるね」
机に身体を預けてぐったりとしている俺に、冬が話しかけてきた。
「ん?まあ、いろいろとな」
「夏休みは楽しんだ?」
「めいっぱいな」
「勉強は?」
「一応したな」
「今日の持ち物は?」
「しっかりとし・・・はっ!」
俺と冬のまるで某パズルゲームのようなコンボ会話が続いていた途中だった。
「なに、何か忘れものでもした?」
急に立ち上がった俺に、少し驚いた様子で冬が聞いていた。
そして俺は少し間を空けた後に・・・。
「・・・・・・忘れた」
「・・・まさか全部?」
「全部・・・道理で鞄が軽いわけだよ!」
「はあ、バカね」
俺の失敗に、珍しく冷たい目で俺を見てくる。
「風夜、どうしたの?」
さっきの冬と似たようなこと言いながら、友達と話していた美奈が俺の方にやってきた。
「今日の授業で使う教科書とか、全部忘れた・・・」
「え・・・?何言ってるの?」
美奈が、「何のこと?」とか思ってそうな顔をしている。
逆に冬は、少し笑いを堪えているようにも見える。
「今日授業ないよ?始業式とHRだけだよ?」
「え・・・」
俺の言葉を聞いた冬が、堪えていた笑いを吐きだした。
「は?え?」
まさかこれは・・・騙された?
「冬・・・お前まさか・・・」
「騙してごめんね、今日は授業なんてないよ!」
「なっ!」
まさか冬に騙されるような日が来るとは・・・。
「ねーねー、幸也、聞いて聞いてー!」
俺が驚愕しているうちに、冬が幸也に言いに走っていった。
こういう時だけは、早いし仲の良い二人だ。
「風夜ね、今日授業あると思ったんだって!可笑しいでしょ?」
盛大に周りにも聞こえている・・・。
冬ってこんなことする子だけ?!
違う、あれは冬じゃない・・・あれは冬じゃない・・・。
「なに風夜、お前・・・ブッ・・・今日授業あると思ったのか?」
百パーセント笑いを堪えながら俺のところに来た幸也が言った。
そろそろ我慢の限界だ。
「幸也ー!!」
「ちょっ!わっ・・・!怒んなよ!」
俺は幸也を追っかけまわした。
「はあ、はあ・・・あいつ、逃げ足だけは早いな、たくっ」
何で朝から走ってんだ俺。
幸也を追っていたら、いつの間にか一階の職員室まで来ていたらしく、教員の人たちがいる。
「・・・失礼しました」
「ん?」
校長室から、黒髪の女子生徒が出てきた。
年齢は同じくらいだろうか。
でも見に覚えがない。
「ねえきみ!」
「え、はい・・・えっ!」
声に反応して振り向くなり、少女は驚いた。
少女が驚くのと同時に、俺も驚いた。
「あれ、きみは・・・」
服装はさすがに制服になっていけど、この声と髪は、明らかに夏休みの合宿で、着物を買いに行ったときにぶつかった子だった。
その証拠に、少女の方も驚いている。
「すごい偶然だな、まさかこんなところで会うなんて」
「わ、私もです、こんなところで風夜さんと会えるなんて」
あれ、今俺の名前言った?
教えたっけ?
「あっ、風夜さんの名前はこれを見て・・・」
俺の不思議そうな表情に少女はすぐに反応して、訪ねる前に答えてくれた。
「部活のチラシ?」
「はい!ここの学校に動物達を保護して世話をしている部活があると聞いて!」
少女が鞄から取り出したチラシは、随分前に、それこそまだ部活に癒菜がいた頃に作ったものだった。
今このチラシを持っている人は、部員でもいないだろう。
「あ、桜木くん、ちょうどいいからその子をクラスまで送ってあげて、クラスは同じよ」
職員室から出てきた担任の先生に頼まれた。
「あ、はい、わかりました」
偶然に会って、偶然にもクラスも同じとは驚きだ。
「それじゃあ行こうか・・・えっと・・・」
まだ少女から名前を聞いていないことを思い出た。
「あ、えと、篠川久露っていいます」
「わかった、じゃあ久露さん、行こうか」
「はい」
一階からクラスのある三階に上がっていくと、廊下に生徒はほとんどいない。
時間を見たら、あと数分で朝のHRが始まる時間だった。
「それじゃあ、久露さんはそこで待ってて、すぐに先生が来ると思うから」
「わかりました。あの、ありがとうございます」
案内をした俺に、一礼してお礼を言ってくれた。
さすがに久露さんを、このまま紹介前に教室に入るのは混乱を招くだろうから、わからないように教室の外で待っててもらった。
「おかえり風夜、どこいってたの?」
教室に戻って席につくと、隣の美奈が聞いてきた。
「幸也追いかけてたら一階まで行ってさ、疲れたよ」
「まだ一時間目も始まってないよ?」
美奈と会話をしていると、朝のHRの時間になり、チャイムと共に担任の先生が入ってくると同時に、久露さんも入ってきた。
予想通り、俺を抜いたクラス全体がざわめきだした。
「転校生かな?」
「そうだな」
俺も周りに合わせ、美奈の問いに知らないふりをして答えた。
みんなが離し始める前に、先生の声によって静まり返り、先生が紹介を始めた。
「親御さんの仕事の事情でこの街にやってきたそうなんです。」
「篠川久露といいます、よろしくお願いします!」
久露さんの紹介が終わると先生がどこの席がいいかと聞き、クラス中の人が期待しているようで、男子勢は特にどこに来るのか、誰の隣になるかなど会話をしている。
当の本人である久露は、クラスを見回している。
「決めました」
一通り見終わった後に、久露さんはとある一点を指さして言った。
「あそこっていいですか?」
久露さんがそういうと、クラス中の視線が一点に集中した。
「は?え?俺?」
俺を指さし、その隣がいいと言った。
でも俺の隣には美奈がいる。
「じゃあ美奈さんには場所を移動してもらって・・・」
「それは困ります!」
バッ、と立ち上がり、驚き声と共に否定した。
「おい美奈!」
そんな全力で否定しないでほしい。
周りの視線がなんか痛い。
・・・特に男子の。
「じゃあ・・・こっちでいいです」
そういって指さしたのは俺とは通路を挟んで隣の席だった。
「そこは空席だから、ちょうどいいですね、朝波さんはそれでいいですか?」
先生が久露と隣になる冬に確認を取った。
「大丈夫ですよ」
「それじゃあ、あそこに座ってもらっていいですか?」
「はい」
久露は席につくと、隣に座る冬にあいさつを交わし――
「先生、明日からしばらくの間これでいいですか?」
――机を動かし、俺の机にくっつけた。
「そうですね、教科書もまだとどいてないので、そうしましょう」
「ありがうございます」
二人の少女に挟まれて、気分の悪い男子はいないが・・・。
一名は、少しいやそうにしている。
もう片方は俺と隣になって嬉しそうにしていた。
なんか・・・居づらい。
もうすぐクリスマスですね。
皆さんは誰とすごしますか?
そして俺不思はハロウィンに続きクリスマス編の話もあります。
では次の話でお会いしましょう!




