俺と不思議少女の二人の思い
随分と投稿が遅れてしまいました。
今回で二人の想いに決着が付きます!
どぞ(/・▿・)/
長く花火を見物していると、自然とお腹はすくものだ。
花火が少しの間次の準備に入っている間、俺が何か買い出しに行こうと思い、時間を確認するためにスマホの画面を開いた時だった。
癒菜からトークにコメントが来ていた。
『何か買って持ってこうかしら?』
そのコメントに、もちろんイエスで答えた。
すると数十分前に来たコメントにも関わらず、すぐに既読が付いてコメントが返ってきた。
『何が欲しい?』
「美奈、先輩が買って来てくれるみたいなんだけど、何が食べたい?」
「じゃあねえ~かき氷と、ラムネと、あと和茶菓子と~」
「わかった、かき氷とラムネな」
それだけ打ってコメントを返した。
すると隣から不満の声が上がった。
「なんで綿菓子とか頼まなかったの!」
「甘いもの食べすぎだろう」
「む~!」
そんな反応されても・・・。
いや、まあ一応本人のことを思っていったのだが・・・。
兄は知ってるぞ、最近風呂上りに体重計に乗った時に、少し苦い顔してたのを・・・。
「健康のことは心配いらないよ!」
「いや、まあ、な」
健康は心配なくても、体重に・・・やばいんだろう?
見た感じ変わってないし・・・でも女子の基準は一メモリ増えるだけで気にするとも言うし・・・。
「お邪魔かしら?」
そんなこと言いながら俺と美奈の間に割って入ってきた癒菜。
ぜんぜん邪魔です。
「はい、これ」
癒菜からまず両手に持っていたかき氷を受け取り、腕にかけていたビニール袋を受けった。
ビニール袋の中身はラムネだった。
「ラムネ二本も頼んでないんだけど?」
癒菜の分だけだったラムネが、一本多く入っていた。
あとで一本分多く請求されたりとかないか心配だ。
何せ癒菜だ、うちの生徒会兼風紀委員長だ、ありえないこともない。
「そんな顔しないでちょうだい! これは私の驕りだから、二人で楽しく飲んで頂戴」
「そうか、疑って悪かったな」
「私はそんな酷い人間じゃないわよ! それじゃあ私は行くから、あとは二人でごゆっくり~」
そういって後ろ向きで手をヒラヒラとさせながら歩いていった。
たぶん幸也のところだろう。
二人の方もまだ想いを伝えていないようだけど、おそらく幸也は両思いだってことに気づいていない。
花火大会開始から、二時間ほどたった。
花火もだんだんと鮮やかさや派手さが増し、いよいよクライマックスと言う雰囲気を出している。
「もうすぐ終わっちゃうね」
「なんだか短かったな」
今打ち上げた花火が終わると、アナウンスが入り、次の花火がラストと言う声が聞こえた。
どうやら仕掛けに少し時間がかかるようだ。
「美奈は、この先どんなことしたい?」
今後、美奈がどんなことをしたいのか、聞いておいた方がいいだろうと思い、今のチャンスに聞いた。
「そうだねえ。・・・私はお兄ちゃんと一緒に入れれば、どんな生活でもいいけどな~」
まあ、美奈らしい、最もな答えだな。
「もうすぐ花火終わっちゃうから・・・今言わせてくれ」
「うん」
美奈は俺の言葉の意味を知り、真剣に聞こうと、俺の目を見て頷いた。
「俺は正直、美奈と会えたことで、あの時の事故の償いをしようとか考えてた。でも美奈はそんなこと望んでなくて、ただ俺と楽しい一年を過ごせればいいんだって思った。」
俺の言葉を、あいづちも、反論も言わずに聞いてくれている。
「だから俺もその想いに答えたくて・・・・・・あーもう!俺は美奈のことが好きなんだ!たった一年間の恋人同士だったとしても、俺は、美奈と付き合いたい!」
俺の言葉に驚くどころか、少し笑っている。
「え?俺おかしいこと言ったか?」
「ううん、最初、お兄ちゃんに合わないことばっかり言ってたから、可笑しくて・・・ごめん、笑いすぎたね。・・・私の方こそ、一年間しか一緒にはいられないけど・・・いっぱい頑張るから!」
美奈なりの精一杯の返事なんだろう。
表向きは照れてないように見せてるけど、内心絶対に動揺してるはずだ。
「えっと、その、恋人どうしならその・・・キス、してほしいな」
彼女の言葉と表情にドキッとして、一瞬動揺したが、美奈がしてほしと言っているんだ。
俺が頷くと、美奈は目を閉じてジッと待っている。
俺も目を閉じて、ゆっくりと近づいていく。
周りの音が小さくなり、自分の心臓の鼓動がはっきりと聞こえる。
そして・・・彼女の唇に、触れた。
「・・・んっ」
俺の唇が触れたと同時に、彼女の肩がピクッと動いたのを感じた。
俺次第に理性を抑えられなくなっていくことに気づいた。
――っとその時だった。
ドンッと大きな音を何十発もした。
――花火だった。
音と同時にさっきまではっきりと聞こえていた心臓の鼓動も、今は聞こえない。
さらに、音にびっくりし、我に返った俺は、美奈からすぐに離れた。
「花火、終わっちまうな」
「ほえ?・・・はっ!・・・そ、そうだね!」
俺が離れたあと、美奈は少しの間のぼせた様になっていて、すぐには俺の言葉に反応しなかった。
そして打ち上げられた最後の花火。
――俺達はスターマインを眺めながら会話する。
その声は、ぎりぎり聞こえている程度だ。
「ねえお兄ちゃんまたお願いしたいことがあるの」
「いいよ、なんだ?」
「・・・名前で呼んでもいかな?恋人同士なのに、お兄ちゃんなんておかしいでしょ?」
「そんなことか。元々、俺はどう呼んでほしいかなんて言ってないから、美奈の好きな時に、好きな呼び方をすればいいと思うよ」
そういって俺は美奈の頭を優しくなでた。
すると美奈が、嬉しそうにはにかみながら――
「犬だったころから、私の頭をこうやって撫でてくれたね」
――そう言って俺に再び笑顔を見せてくれた。
「まだ夏休みも残ってるから、しっかりと満喫しないとだね!」
「それならますは宿題を終わらせないとだけどな」
「それは言わないで・・・」
俺が宿題のことを指摘すると、美奈は肩を落として落ち込んだ。
勉強は大の苦手だから、無理もないか。
「人も減ってきたし、そろそろ帰ろうか」
「え・・・本当だ、もう人通りが少なくなってるね」
会話に夢中で気づかなかったが、いつの間にか人の数が減っていて、家までの通りが空いていた。
「もうみんな帰ったのかな?」
「かもな、さすがに待ってはないと思う」
時間は夜の九時を過ぎてるし、癒菜だって家までは遠いから夜道を遅くなるのは危ないだろう。
「あら、待ってない方がよかったかしら?」
そう考えていたら、一本しかない細い通路の方から声がした。
「なんだ、待ってたのか」
「なんだとはひでえな!わざわざ待ってたんだぞ?俺達」
癒菜と幸也を見ると、二人は互いに手を組んでいた。
どうやら、癒菜も今日のこの日を狙っていたようだ。
「ちょっ!これはあれよ!・・・そう!幸也が繋ぎたいって言うからよ!」
「えっ、先輩が繋ぎた・・・いってえ!!」
「しゃべらないで頂戴!」
口を滑らしかけた幸也の足を、癒菜が踏んだことで、幸也が悲鳴を上げた。
二人の間には、もうすでに上下関係ができてるみたいだ。
「あ!癒菜先輩聞いてください!」
俺の隣にいた美奈は、癒菜に駆け寄っていき、今日の出来事を話している。
「今日、私たち、付き合うことになったんだよ!」
「そう、それはよかったわね」
美奈の言葉に、笑顔で言葉を返す癒菜。
しかし、次の言葉で笑顔は消えた。
「あと、私ね、風夜のファーストキスも貰ったんだよ!」
「えっ・・・」
反射で癒菜が俺の方を向いた。
その表情はとても申し訳なさそうだった。
癒菜の隣にいる冬にはその声は聞こえていたらしく、冬も少し気まずいようだった。
「そ、そうなの、よかったわね」
「まじかよ!俺まだ先輩にしてもらってねえのに!」
癒菜あ少しためらいがちに言葉を返したが、幸い幸也がすぐに言葉を発したために、話の方向はそっちに移った。
「あなたには・・・そうね、もっと信頼を深めてからしてあげる」
「ええ!何でですか!」
「だって幸也、そんなことした反動で襲われるかもしれないじゃない」
癒菜の一言に幸也は全力で否定してつが、癒菜は聞く耳を持たない。
「先輩、そろそろ帰らないと、十時になっちゃいますよ」
「そうね、帰りましょう」
みんなが帰るため、細い通路を歩くとき、俺は癒菜の隣に並び、小声で言った。
「気にするなよ?」
「えっ・・・うん、そうね」
俺の言葉を聞くと、少しためらったとに答えてくれた。
その声は、気にしてないようだった。
「でも、ずっと隠しておくつもり?」
「できればそうしたい、でもそうもいかない」
「そうなの・・・もしもバレたとしても、美奈を気づつけないようにね?」
「ああ、わかってる」
でもやっぱり、このまま隠しておくのが、一番だと思う。
それにバレたとしても、美奈はあまり気にしない気がする。
いつものように、今の状態を大切にすると思う。
それではまた次回でお会いしましょう。




