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 誠次の言っていることが本当。

 碧斗は確信した。

「誠次!詳しく説明してくれよ」

碧斗はせり時へと言い寄った。

「何がどうなってるんだ?」

碧斗の問いに誠次が首を振る。全てを否定するように、苦渋の表情を見せて。

「お前は知らない方がいいんだ」

誠次は言う。月葉が不気味に笑いだした。

「バカらしい。何その友情秘話みたいな感じ」

皮肉気に冷たくはっきりと月葉は言う。碧斗は月葉から目をはなすことが出来なかった。

「知ってる?絶対言語って」

月葉は薄い笑みを浮かべ楽しむように告げる。

「コレにもね、ルールがあって対象の使える範囲が決まってるの」

放心状態におちいる碧斗を愛しいそうに見つめ月葉は立ち上がった。

「対象内ならね、言葉であればなんでも作用するわ。コレの仕組みはそれなの」

狂ったようにカッターナイフを手にとる月葉。碧斗は警戒した。

何をするつもりなのか。

「誰にも渡さないから」

月葉が小声で呟きカッターナイフを誠次へと向ける。誠次は碧斗を突き飛ばし中央へとおしやった。

「体育館の窓ガラスは全て内側にわれ対象へとふりそそぐ」

誠次の言葉で窓ガラスがわれ破片が飛び散る。破片は月葉をかすり誠次へと向かう。頬は紅い滴をたらした。

「天井鉄鋼は錆び付き落下する」

それは誠次の声だった。しかし、月葉の唇も同時に同じように動いていた。鉄鋼が二人に降り注ぐ。誠次が軽やかな身のこなしでそれらをかわし体勢をととのえた。お互いにお互いを殺す気で攻撃をくりだしている。はっきりと感じる怨憎と殺気に碧斗は鳥肌が立った。

「海斗!上!」

誠次の叫びに上を向き、反射的に飛びのいた。落下してきた水銀灯はひとつ。おそらく月葉が場所を指定したのだろう。

「?」

碧斗は疑問を頭の中で並べていく。なぜ、ノートを取られたとき誠次はけりを入れてきたのか。なぜ、誠次は昨日のうちにカッターナイフの替え刃を回収しておいたのか。なぜ、月葉はあそこまで碧斗に助言したのか。なぜ、いまさらになって碧斗を攻撃してきたのか。矛盾は矛盾を呼び、思考が奥深くへと入り込む。

「殺したいほど愛してる、って言葉があるのよ?」

不意に月葉が言う。碧斗にはその言葉すら疑問に感じてしまった。うるさいほど響く喧騒も、月葉と誠次の言葉も、全てが意味のあるもので同時すぎて処理能力が追いつかないような。

 思い出せ!

 本能が叫びをあげる。このノートはどんなルールだったか、このノートの効力は?このノートは過去にどんな経験をもたらしたか。自分のノートを見返しどんなことに干渉するのか。ノートに書いた物語が現実になり、言い願ったことが現実になってしまう碧斗のノート。周りの人間の記憶を改竄したという月葉のノート。碧斗にこのチカラを強要させてしまったという誠次のノート。

 推測を立てろ!全ての状況を読み取れ。

 碧斗は全ての機能を停止させる勢いで思考力にまわした。

 月葉は言った。使える対象は決まっていると。これについて嘘をつく必要性はない。ならばもし、碧斗のノートが未来に関係することについて変えることができるのだとするのならば、誠次のノートが人間に干渉するものとし月葉のノートが物体に干渉するものとしとするならば。なぞは月葉がどうやって周りの人間の記憶を改竄したのか。誠次が叫んでいる攻撃は?

 逆に、月葉の持つノートが人間に干渉するものであり誠次の持つノートが物体に干渉するものならば。なぞは誠次が言った碧斗に力を渡したこと。月葉が口を動かす理由は?

 思い出せ。

 物理的攻撃による怪我の多い奴は?

 「う……そ、だろ?」

 考えたくない。知りたくない。全てが謎のままで。

 「中央残置灯は落下する」

 単純な言葉だった。声は誠次だったが、月葉の口も動いていた。月葉はそこから動かない。うっすらと笑い首をかしげ神を揺らし、うっすらと唇を動かした。

 それは碧斗に届かない最後の言葉。

 誠次はうっすらと笑みを浮かべる。

 それは碧斗に届かない最後の……。

いかがでしたか?

なぞ、なぞ、なぞ、のストーリー展開なうえに結局ネタばらしが無い終わりというような感じですが楽しんでいただけたでしょうか?

当初のテーマとしては「裏切り」と「虚偽」にしてみたのですが……。

結構好き勝手に書いてました(笑)

それでもまぁ(時間はかかりましたケド)完結させることができました。

最後までよんでくださった方に感謝です。

また会えることを願って……。

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