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『世界というのはつまらない。
いつもいつも繰り返し。
人間というのはマヌケだ。
いつもどこかで同じようなことを起こす。
そして俺は重度の厨二病だ。
日記にはバカらしい非日常しか書かれていない。
一度でいいから、非日常へと足を踏み入れてみたい。
たった一度だけ。
それが願いだ。
今のところの話だが。』
一番最初の日記ノートの最後に書かれた汚い文字。五年ほど前のものだろうか?このノートはところどころ破られていた。
そして一番新しいノート。それには自分の望む非日常しか書かれていない。一ページ分の非日常日記はいま小説に直したらどれほど長くなるだろうか?
しかし直す気はない。今日もまた妄想日記の一ページをうめていく。習慣化した日記は授業用ノートよりも数がありしっかり書かれていた。時には短い詩や歌詞なども書かれていて読み返すと案外面白いものだ。昔と変わらず字は汚いし似たような話も多いしこれはゲーム化できるのではないかというほど選択肢のある話もあり思考にあまり変わりない。
これは最近気づいたことだった。
物語は決まって風景から始まっていて笑いが少ない時が多くて何よりネガティブな話が多かった。読めば読むほど自分の性格ははっきりしていて思わず笑ってしまう。
『これは非現実的話。
これは妄想の話。
いやこれは未来の話か?』
小さく書かれたその問はいまだ答えが見つかっていなかった。