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名探偵登場2

強盗犯の共犯者の運命は⁉闇探偵はどう動く⁉

〇救命病棟・外観(夕方)

村市「どうして江迫さんの画像を?」

闇探偵「言ったでしょ 徹底的に調べたって」

岩上「いや だとしてもおかしいだろ⁉」

闇探偵、岩上を無視するかのように推理を再開する。

闇探偵「――警備員4人は強盗犯に撃たれた (てい)で宝石店から脱出し 横浜中央生命病院の救急車が来るのを待ちました」

闇探偵「店のシャッターはタイマー装置で閉めたんでしょうね」

闇探偵「救急車の到着後 あなた方救急救命士の3人は負傷した警備員を処置するふりをして警備服 もしくは帽子の中に隠された宝石類を回収」

闇探偵「今もどこかで管理してますね?」

ぎこちない笑みで、村市。

村市「いやでも…」

闇探偵「まさか警察も夢にも思わなかったでしょう……」

闇探偵が怖い目付きで、

闇探偵「命を救う役目の救急救命士が処置中に宝石強盗犯の計画を手助けしてたなんて‼」

無言で俯く村市と岩上。

村市(練りに練った強盗計画を数時間で看破するなんて並大抵の探偵じゃねェ!どこで怪しまれた?)

岩上(このまま俺達警察行きかよ⁉冗談じゃねーぞ!なんとかしねーと……)

闇探偵「反論尽きましたか でもご安心を 俺はあなた方お二人と江迫さんを警察に突き出すつもりはありません」

顏を上げ、信じられない表情で問い返す村市と岩上。

村市「警察には黙っとくのか?」

岩上「……こう言うのもなんだが信じていいのか?」

村市と岩上に向かって歩いていく闇探偵。

闇探偵「ええ 俺は探偵ですが警察から信頼されてるほどの (うつわ)ではないので今の推理を聞いてもらうコネもゼロですね」

闇探偵「けど絶対的な助言だけしときます……」

村市と岩上の手前でピタッと立ち止まる闇探偵。冷ややかな目で2人を見つめ、

闇探偵「〝悪党の逃げ場は地獄しかない〟と‼」

村市「……俺達も自覚してるよ!」

岩上「本当に警察には黙っとくんだな?」

闇探偵「一生内緒にしますよ その代わりと言っちゃなんですが江迫さんには今のこと絶対に話さないでください」

闇探偵「気持ちが不安定になって救急業務に支障をきたすので では俺はこれで」

向きを変え、石畳に面する駐車場へ歩いていく闇探偵。

闇探偵「にしても大変ですね 人の命を救うお仕事は」

闇探偵の目の前にタクシーが停まる。

後部座席のドアが開く。闇探偵がタクシーに乗る直前に振り返り、

闇探偵「ではまた会える日までさよなら」

バタッ、とドアが閉まった後、タクシーが発車する。

取り残された村市と岩上。

村市「…どーする?このままあの奇妙な探偵の言うことを信じるか?」

岩上「わからね でも何もせびらなかったし 現時点ではセーフティじゃねーか?」

岩上「何か思惑がある気もするが とりあえず江迫さんには今のこと内緒にしとこうな」


〇救命病棟・救急外来

村市と岩上が心電図検査をしている。村市の上着の右ポケットから業務用IP無線機の受信音。

無線機を取り出す村市。

画面には『診察室』と表示。

村市が無線機を耳に当て、

声(無線)「……ゴホッ ゴホッ……鼻声で咳込んでてすまない……内山(うちやま)だ」

村市「内山先生 とっくに帰られたのでは?」

声(無線)「ちょっと忘れ物があってね……ゴホッ とりあえず村市くん ゴホッ この後9時25分に診察室に来てくれないか ゴホッ 用件はすぐに済むから」

村市「了解しました はい……」

通話を終えた村市に話しかける岩上。

岩上「内山先生 なんだって?」

村市「俺に用があるんだとよ なぜか9時25分に」

岩上、壁掛け時計に視線を向ける。時刻は午後9時18分。

岩上「ついでに江迫さんもな」

村市「毎回毎回 9時半ぐらい自分で起きてくれよな」


〇救命病棟・廊下

診察室の引き戸をノックする村市。

村市「内山先生 村市ですが」

引き戸の向こうから応答はない。

村市がもう一度ノックしようとするが、近くを歩いていた女性看護師に呼び止められる。

看護師「あの 診察室なら誰も使ってませんが……」

村市「へっ?そんなはずは……」

診察室の引き戸を開ける村市。

だが中は真っ暗で、誰もいない。

村市「うそっ おかしいな?電話あったのに」


〇救急ワークステーション・外観(夜)

建物正面のはめ殺し窓から明かり。

村市「事務室の明かり点いてる……なんでだ?」

建物左脇のガレージ内に停めてある救急車。村市、救急車の左側スライドドアをノックする。

村市「江迫さん?起きてます?」

スライドドアを開ける村市。だが車内に誰もいない。

村市「江迫さんまで…もしかして事務室か?」


〇救急ワークステーション・廊下

照明が点いた廊下。村市、事務室のドアをノックする。反応はない。

事務室のドアを開ける村市。

村市、室内の異様な光景を目の当たりにして驚愕する。

村市「なっ⁉江迫さ――ッ‼」

室内奥の壁に向かってうずくまり、右手の指が5本ない江迫勢一の死体。江迫の死体の周りには銀色の拳銃の破片が散らばっている。


〇救急ワークステーション・事務室

江迫の死体の前でかがむ村市。

村市「死んでる‼さっきまで一緒に働いてたのに…!」

村市「そうだ‼」

江迫のズボンの右ポケットを探る村市。

村市「鍵!鍵‼ロッカーの!」

ネームタグ付きの鍵を発見。

村市「よしっ!まだ持ってた」


〇横浜中央生命病院・駐車場(深夜)

パトカーが到着。後部座席のドアが開く。神奈川県警捜査一課の刑事(巡査長)の「シバ」こと 芝崎(しばさき) 香音(かのん)(25)が登場。

シバ「この病院って確か警備員が……」

駐車場から救急ワークステーションに向かうシバ。


〇救急ワークステーション・廊下

警察手帳を開き、村市から事情を聞くシバ。

シバ「ではあなたが救命病棟を離れ 救急車に向かったところ 江迫さんは不在」

シバ「その後 救急ワークステーションの事務室で江迫さんを発見した際にはすでに亡くなってたと……」

村市「ええ 右手の指が全部なくなってて やけどの (あと)もひどく 即死だったと思います」

シバ、ドアが開いた事務室内で江迫の死体を調べている検視官に尋ねる。

シバ「検視官 やけどの程度や外傷からして死因は何かの爆発ですか」

検視官「正確に言えば『暴発』だ 拳銃の破片がかなり散らばってるからな」

シバ「拳銃の暴発?」

シバ、村市に向き直る。

シバ「不謹慎なのは承知の上ですが 江迫さんが拳銃をひそかに所持していたなんてことは?」

村市「知らないです…」

事務室と反対側の廊下から、声。

声「ご苦労さ~ん 安月給なのに大変だね~~」

村市(こ この声⁉)

声がした方に振り返るシバ。

シバ「出た……」

闇探偵と全く同じ格好の人物が現れる。シバ、顔をしかめる。

シバ「安いからなんなんですか?それよりマスクはともかくフードは取ってください」

フードを取って、ウェーブパーマの髪型があらわになる。

マスクも外し、笑顔を見せる探偵の 盾原(たてはら) 永海(ながみ)(27)。

盾原「最近はどこの病院もマスク マスクってうるさいからね」

盾原「では!シバくんがいち早く警部に出世できるよう協力してあげるよ」

シバ「私の昇進に関して余計なお世話です…」

盾原「そうだ!スイーツ……」

後ろを向く盾原。

ツインテールで、長袖の白のコックコートの上からオーバーオールをまとった探偵助手 (けん)パティシエの 美波(みなみ) 瑠子(るこ)(21)が両手にバスケットを携え、突っ立っている。

瑠子「もう食べるのですか 盾原先生?いくら私の作ったスイーツが絶品すぎるからって」

盾原「調査をする前に脳を活性化させたいからね で?本日の一品は?」

瑠子「はいはい」

バスケットのふたを開ける瑠子。中身はフランスのお菓子、ババ・オ・ラムの詰め合わせ。

盾原「ババ・オ・ラムかー!ラム酒のほのかな香りが漂ってやる気出るね~~!」

盾原、シバに向かって、

盾原「シバく~ん‼瑠子ちゃんの今日のスイーツ見てごら~ん!」

シバ「見えてます!ていうか今日 呼んだ覚えないんですけど」

盾原がババ・オ・ラムをつまんで、

盾原「ああ きみじゃなく 名倉(なぐら)警部からのお呼ばれだよ」

シバ「警部から?警部なら遅れて来ますけど」

ババ・オ・ラムをむしゃむしゃとほおばる盾原。

盾原「なんでも 俺が1週間ぐらい前に解決した 宇佐岡(うさおか)学園の事件で新事実がわかったから そのことを伝えるってさっき連絡があってね……」

村市に視線を向ける盾原。

盾原「そちらの方は事件の関係者?」

強張った顔の村市。

村市「……まあ はい」

シバ、村市を紹介する。

シバ「第一発見者で救急救命士の村市さんです 被害者の江追勢一さんの後輩だそうです」

盾原「どーも 探偵の盾原です」

村市「た 探偵⁉」

盾原「ん?そんなに驚きます?」

村市(驚くだろ!)

軽く頭をさげる村市。

村市「あっ あー 失礼しました」

盾原「気にしないでください よく部外者と間違えられるので」

盾原に続き、瑠子。

瑠子「盾原先生の助手兼パティシエの美波瑠子です よろしく☆」

村市「こちらこそ…」

盾原「しかし救急救命士とはいえ 上司の遺体を目にしてあまりいい気分じゃないでしょう?」

村市(お前といる方が気分悪いし!)

村市「…慣れてますから」

村市「現に今日も宝石強盗犯に銃で撃たれた 傷病者(しょうびょうしゃ)の処置と搬送をしましたので」

盾原「へ~~ そういえば今日 宝石強盗の事件があって警備員が4人撃たれて重傷だったな」

盾原「搬送先がこの病院だなんて知らなかった」

シバ「盾原探偵 そろそろ現場に 瑠子さんは遺体を見ない方がいいのでここで待機を」

瑠子がムスッとした顔で、

瑠子「平気です!グロい死体が出てくる漫画はよく読んでいるので耐性は出来ています!」

盾原「入れてあげてよ 吐いたりしないから」

不安な表情のシバ。

シバ「…絶対ですよ?こらえ切れなかったら部屋から出てくださいね」

瑠子ちゃんは凄惨な事件現場に耐えきれるのか?見ものですね!

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