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名探偵登場3

現金輸送車襲撃事件の数時間後に殺人事件‼事件をタブルで味わえるのはこの作品のセオリーです!

相模原(さがみはら)ABCマンション・外観(夜)

RC造の10階建てワンルームマンション。1フロア2住戸、1階は地下駐車場。マンションの両隣に銀行と郵便局がある。


〇相模原ABCマンション701号室・リビングダイニングキッチン

広々としたリビングダイニングキッチン。

左側の壁際に、テレビ台がストレートソファーと向かい合うように設置してあり、その2つの間にはノートパソコンとウェブカメラが載ったローテーブル。反対側の壁際にはモダンベッド。

この部屋の住人の磐瀬氷見秋が上下黒のジャージ姿でストレートソファーに腰を下ろす。

磐瀬「ふうっ」

黙ってスマホの画面をいじる磐瀬。

磐瀬「……」

磐瀬のスマホからメッセージアプリの通知音。画面を見つめる磐瀬。

磐瀬「ん?…ああ……」


〇相模原ABCマンション・外観(夜)

地下駐車場から出てすぐの土間コンクリートの上に、仰向けに横たわり、頭から血溜まりが広がっている磐瀬氷見秋の死体。足元には白いシューズを履いている。


〇相模原ABCマンション701号室・玄関

玄関の外から、ピンポーン、ピンポーンとインターホンが何度も鳴る。

玄関ドアを開ける、神奈川県警捜査一課の刑事(巡査長)の「シバ」こと芝崎(しばさき)香音(かのん)(25)。

シバ「はいはい」

ドアを半分開けると、警戒テープが貼られた玄関の外側に警官が立っていた。

シバ「…何か?」

警官「いいえ インターホンを鳴らしたのは……」

玄関ドアが外側から勢いよく開く。ドアノブを握っていたシバがバランスを崩して前のめりになる。

シバ「えっ ええ?」

警官「え…きみ⁉」

ドアの向こうから姿を現したのは、ウェブパーマで黒のフード付きウィンドブレーカー姿の探偵、盾原(たてはら)永海(ながみ)(27)と、右手にバスケットを携え、ツインテールの髪型で長袖のコックコートの上からオーバーオールをまとった探偵助手(けん)パティシエの美波(みなみ)瑠子(るこ)(21)。

盾原「やっほー!シバくん‼」

瑠子「今夜もよろしくお願いします!」

呆れた表情を浮かべるシバ。

シバ「……お疲れ様です」

シバ、バタンと玄関ドアを閉める。

玄関の外から盾原と瑠子の声と、ドアをドンドンと叩く音。

盾原(声)「おーい シバくん‼」

瑠子(声)「なぜ閉めるのですか⁉開けてください!」

はぁ、とため息をつくシバ。

シバが再び玄関ドアを開けたまま、

シバ「…よく事件現場がここだとわかりましたね というか呼んでないんですけど」

盾原「いや~~ 実を言うと今回はね シバくんや名倉警部からのお呼ばれじゃないんだ」

瑠子「それよりも早く現場に入らせてください!」

シバ「慌てないで 瑠子さん!…で?お二人は誰からお呼びがかかったんですか?」

盾原「津久井中央署の小野寺刑事課長から!知ってるでしょ⁉名倉(なぐら)警部と同期の」

シバ「…小野寺さんから…?」

盾原と瑠子を中に通す神妙な顔のシバ。

シバ「しっくりこないんですが どうぞ……」

靴カバーで三和土(たたき)に上がる盾原と瑠子。正面と左側にドア。

瑠子「えーっと どっちのドアですか?」

シバ「正面です 左側はウォークインクロゼット」

盾原「あとでクロゼットも見て回ろー」

正面のドアを開けるシバ。


〇相模原ABCマンション701号室・リビングダイニングキッチン

リビングダイニングキッチンに3人の鑑識のほか、神奈川県警捜査一課の警部、名倉(なぐら)勝喜(かつき)(44)が両腕を組んで立っている。

名倉「…遅いな」

リビングダイニングキッチンのドアが開く。シバ、盾原、瑠子が中に入る。

シバ「…どういうことですか 名倉警部?」

名倉「なんだ やけに訪問者の応対に手こずってると思えばいつもの甘党探偵コンビの登場か」

口を尖らす瑠子。

瑠子「ちょっと 失礼な言い草ですね!せっかく盾原先生が来てくださったのに!」

シバ「――まあ 瑠子さんの不服はともかく…」

シバ、名倉に向かってしかめっ面を向ける。

シバ「今回 盾原探偵は名倉警部ではなく津久井中央署の小野寺刑事課長の要請を受けたそうですが なぜでしょうか?」

シバ「名倉警部は小野寺さんと同期でしたよね?」

名倉「その辺のことは後で話す 警察内部の事情だ 探偵に聞かせる話じゃない」

シバ、不満そうな表情を浮かべる。

シバ「……」

そんなシバを横目に通り過ぎ、リビングを眺めていく盾原。

盾原「テレビやストレートソファー ほかにはウェブカメラにノートパソコン…」

盾原「モダンベッドもあるな……」

掃き出し窓が半分開いている柵型バルコニーに出る盾原。

盾原「洗濯物は特にないですね…向かいに建物はなく公園だけ……」

盾原が後ろを振り返り、

盾原「名倉警部 事件の詳細を」

警察手帳を開く名倉。

名倉「…亡くなったのは津久井中央署の山岳救助隊隊長・磐瀬氷見秋(42)」

名倉「死亡推定時刻は今から大体1時間前の午後8時55分頃」

名倉「死因は転落死で 探偵が今いるバルコニーから真下のコンクリートに落ちて亡くなったそうだ 

名倉「第一発見者はこのマンションの3階の部屋の住人に弁当を届けようとしたデリバリー配達員」

名倉「発見後 すぐに警察を呼んで所轄(しょかつ)の刑事がこの部屋の玄関ドアを開けようとした時 中から鍵がかかっていて密室状態」

ローテーブルの上のノートパソコンに触れる名倉。

名倉「この部屋の映像が録画されたノートパソコン だがウェブカメラに映ってたのは……」

名倉、ノートパソコンのマウスを左クリックする。名倉の背後から、盾原と瑠子がパソコンの画面を覗き込む。

盾原「どれどれ…」

画面を見つめ、独り言のようにノートパソコンの映像を解説していく盾原。

盾原「えーっと…被害者の磐瀬さんがスマホをいじってて……」

画面の中からスマホのメッセージアプリの通知音。

盾原「メッセをチェックして……あっ 立ち上がった」

画面の中の磐瀬がリビングを移動する。

盾原「スマホを手にしたまま玄関の方へ歩いて行く……」

画面の中の磐瀬がシューズを手にしてリビングへと戻ってくる。

盾原「シューズを持ってリビングからバルコニーへと向かう…」

誰もいないリビングを映し出すウェブカメラ。

盾原「…事件前の映像にしては素っ気ないというか 目立った動きが全然ない……」

名倉「俺と同じ感想だな そして信じがたいことにウェブカメラを設置したのはなぜか昨日の晩からで 被害者の人間関係を映した場面が1つもない」

瑠子「昨日からですか?殺人事件が起こった前日にカメラをセットというのはいささか不自然な気がします」

盾原「いや多分 今日か昨日 何か大事なものを手に入れてそれを守るためにセットしたんじゃない?」

シバ「「大事なもの」ってなんですか?」

盾原「よくわかんないけど」

盾原が名倉に向かって、

盾原「そういえば磐瀬さんのスマホは?アプリの履歴に何か残ってるはずですよね…?」

残念そうな顔のシバ。

シバ「いや スマホの発見にはまだ至っていません 被害者と一緒に飛び降りたはずなのに…」

盾原「犯人の仕業かな…」

盾原、パソコンの画面から顔を上げる。

盾原「仕方ない とりあえずウォークインクロゼットをチェックだ」


〇相模原ABCマンション701号室・ウォークインクロゼット

クロゼットの両脇には多数のスーツと、登山に必要なレインウェアや防寒着が並ぶ。

盾原「ふ~ん さすが山の中を捜し回るプロフェッショナルだね…」

奥の棚に視線を向けると、登山用の靴やロープ、ザック。

盾原「瑠子ちゃん 棚の中のもの全部 メモお願い~~!」

瑠子「了解です!」


〇相模原ABCマンション701号室・リビングダイニングキッチン

盾原がリビングダイニングキッチンのドアを開け、

盾原「そっちはどう~~?」

ノートパソコンの画面を凝視するシバ。

シバ「えーっと…密室の謎……」

盾原「シバくん~~ 努力は認めるけどカメラの映像にこれ以上進展はないと思うよ~~」

シバ「では 自殺として処理していいんですか?」

盾原「よくないさ でもまあ俺としては現時点で〝果報は寝て待て〟かな?もしかしたら明日か明後日辺りにでも事件解決のヒントがヒョイと出てくるかもしれないし」

盾原「とにかくさ じっくり待とうよ」

リビングダイニングキッチンのドアが勢いよく開き、名倉が入る。

シバ「名倉警部…?」

名倉「おい!事件に関係ありそうな3人を集めたぞ!」

盾原「なーんだ 寝て待つ必要なかったか…」

自殺に見せかけたような殺人事件!盾原はどう紐解いていくのか?

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