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完全無欠の第三王女と最強剣士は結婚したいがしたくない  作者: 斉藤りた


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31.戦いの後

「元々、馬鹿王子の事がなくても情報ギルドに依頼が来てたのよ。サハラードの王様から。」


団員たちが魔物を片付けているのを見ながら、イヴェリンが話し始めた。

すでに戦いの決着はつき、魔物は倒され、兵士たちは武器を取りあげられ、縛られている。

せっかくいるのだからだからとウルバヌスに指導を任せ、アダムスとフェルザードたちはそのままデザート・ドラゴンの横でイヴェリンの説明を聞き始めた。


「軍務大臣が戦争を仕掛けようと画策してるから、その資金源や証拠を集めてくれって正式にお願いされてたの。で、ウチの影達を使って探らせたら、それはもう色々と悪どい事から下卑た事までザックザク!その証拠をぜ~んぶ揃えて王様に差し上げたから、軍務大臣とその悪いオトモダチは全員もう牢の中よ。だから、ここでもし第二太子が勝ってたとしても、結局同じだったって事。」


「なんだ、それならそうと言ってくれれば・・・。」


「お客様の情報を簡単に漏らすわけにはいかないでしょ?しかも、どこに間者が隠れてるのかわからない状況だったんだもの。ねえ?バカオージのお付きその二!」


イヴェリンが、ホルマドの後ろに控えていた四人の男性のうち一人をビシッと指さした。

全員の視線が集まり、指名された男性は両手と首を振って否定する。


「な、そそそそんな、ワタクシめはフェルザード様に仕えてもう十年になります!間者など、そのような事・・・!」


「そうね、で、軍務大臣に仕えてからは十三年よね。フェルザードがここに着くタイミングをさっき居た貴族に教えてたんでしょう?あ、あそこで縛られてるアイツ。左腰の魔術の模様、身体強化魔術の中に通信用連絡魔術も描かれてるものね。アンタの名前はマズィール、だったかしら。父方の叔父が軍務大臣の下で働いてたみたいだけど、そっちももう捕らえられてるし、ここで誤魔化したってもう証拠はそろってるんだから今さら何しても無駄よ。」


「くっ・・・!」


マズィールと呼ばれた男がガックリと膝をつき、うなだれた。

イヴェリンに呼ばれた団員がすぐにマズィールを縛り連れて行く。


「いや~鮮やかっすね~。早い早い。イヴェリン様がいたら並みの犯罪者なんて半日で百人くらい捕まえられそうっすね。」


「オリヴァン、余計な事言ってたらまた怒られるわよ。」


ヘンリエッタの手を持ったオリヴァンとカリナが軽口を叩きながらゆっくりと近付いて来た。

ブカブカのドレスから、イヴェリンの持ってきていたドレスに着替えて来たのだ。

胸元の大きく開いた真っ赤なドレスは、ヘンリエッタの痩せた後のサイズを予想していたかのようにピッタリとフィットしている。


「おお、先ほどの無垢な姿も美しいが、そのように着飾られると美しさに磨きがかかるな!」


「あらん、うふふ、ありがと。ねぇイヴちゃん、このあとはどうするの?」


「もう行っていいわよ。姉さんたちに用もないし。お父様には私から言っておくから、落ち着いたらまた手紙なり出してあげて頂戴。ほら、さっさとその馬鹿オージ連れてって。」


「あ、妃、あいや、第三王女よ!」


「何?っていうかアンタいい加減、人には名前があるって覚え」


「我の側妃にならぬか?!」


「・・・はぁっ?!」


周りで作業していた団員たちも、イヴェリンの大声に思わず手を止めた。


「アイツまだ言ってるぜ」

「懲りねえなあ。いくら王子でも無理なもんは無理だって」

「まだヘンリエッタ様の本性を知らねぇからだろ。あの人の相手してたら、どれだけ身体があっても足りねぇよ」


好き勝手な事を口々に言い、オリヴァンとカリナは「どうせイヴェリン様がまたブチ切れて終わる」と達観した顔をし、アダムスは何とも言い難い表情をしている。


「あら、王子様ってば私一人じゃ物足りないのぉ?」


フェルザードにしなだれかかり、その胸元を指でくすぐるヘンリエッタ。

思わず目じりが下がりそうになるが、思いとどまり再びイヴェリンに視線を戻す。


「妹である第三王女には何度も求婚をしたのだ。期待させておいてやっぱり娶らぬなどと、情けない真似は出来ぬ!だが順番で言えばやはり姉である第二王女が正妃となるべきであろう。だから側妃として、我の元に来るがよい!必ずや、幸せにして見せようぞ!」


堂々と、断られることなど微塵も考えない真っ直ぐな瞳がイヴェリンを見据え、左手でヘンリエッタの腰を抱えたまま右手を伸ばした。


「さぁ、姉君への遠慮などいらぬ。この手を取るが良い!」


眉間にシワを寄せ、目を半月型にして睨み、嫌悪感百パーセントの顔をしたイヴェリンが「お断りよ!」と大声で叫ぼうと息を吸った、その時。


イヴェリンの視界が、ほんの少し、斜めになった。


肩の部分を左から押されたのだ。


その原因となった左肩を見ると、アダムスの鎧の籠手がある。

右側を向くと、アダムスが意を決したような表情でフェルザードを見ている。

アダムスが、イヴェリンの肩を引き寄せ、軽く抱きしめている。


「・・・っ?!?!アアアアアダムスっ?!」


「フェルザード。悪いが、イヴェリンは俺と結婚するんだ。だから、お前にはやらん。」

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