第8話 地下庭園
屋敷の改装工事が始まって3ヵ月―――
工事は順調。
いや、かなりスピードが上がっている。
アンジュが現場監督となり、バルクは工事に専念。
さらにバルクの弟子たちや、双子の弟で武器職人のボルクも時々手伝いに来てくれている。
ある程度の形は出来てきた。
厨房機器など、商業ギルドで購入した備品の一部は既に搬入済みだ。
ただ、工事は進んでいる反面、資金はどんどん減っている。
お金を稼がないといけない。
あまり工事の役に立っていない真白と美桜、そしてオルディス。
3人で時々簡単なギルドクエストをこなして小銭を稼いでいる。
しかし、そろそろ報酬の高いクエストも受けたい。
幸い、オルディスは最高位のSSSランクだ。
どのクラスのクエストも受領可能なハズ・・・
冒険者ギルド―――
「ねぇミーナ。おじいちゃんと一緒だったらどれでも受けれるんでしょ?」
「そうですね、おじいちゃん・・・じゃなくてオルディス様となら。」
「何か良いのない?」
「う~ん・・・かなり危険ですが、これはどうでしょうか?」
「どれどれ・・・地下庭園の解放?」
「はい。東の森の先に地下庭園と呼ばれる場所があります。」
「ふんふん。」
「そこは鉱脈になっていて、色んな鉱石や魔石が豊富に採掘出来るんです。」
「お宝お宝♪」
「しかし最近、採掘に出たパーティーが帰ってこない事案がありまして。」
「おやおや。」
「どうやら、鉱石に引き寄せられた魔物が多数発生しているようなんです。」
「あらあら。」
「そこで、その魔物を討伐し地下庭園を解放していただきたいんです。」
「オッケー。」
「・・・」
「ん?どうしたの?」
「軽いですねぇ・・・大丈夫ですか?」
「え?なんで?」
「既にいくつかのパーティーが全滅している、高難度の依頼なんですよ。」
「でもその分、報酬が良いんでしょ?」
「それはまぁ・・・」
「フッ、命で金は買えないのよ。」
「・・・はい?」
「ははは~・・・まぁ、何とかなるでしょ。」
「わかりました。でも、本当に気を付けてください。」
「もちろんだよ。」
「真白さんが戻らないと・・・寂しいですよ。」
「ミーナ・・・好き♡」
「そういうのは、いいですから。」
「あらら~。でも、ありがと♪必ず戻ってくるよ。」
「はい。いってらっしゃいませ。」
翌日、東の森―――
「ここじゃの。」
「え?どこ?」
目の前には、小さな滝が白い飛沫を上げていた。
「この滝が入口になっておるのじゃよ。」
「そうなの?でも、濡れたくないなぁ・・・」
「ほっほっほ。アクアディフレクション。」
オルディスが手をかざすと滝が2つに割れ、間に通路が現れた。
「すごっ!おじいちゃん、ありがと♪」
「流石です、おじじ様。」
「美桜~、おじじ様って~(笑)」
「いや、私の祖父のことをおじじと呼んでいたもので・・・」
「ほっほっほ。おじじでよいぞ。」
3人は、滝の奥へと入って行った。
そこには岩に囲まれた広い空間が広がっていた。
岩肌には無数の鉱石のような輝き。
小さな水路にもキラキラ光るものが見える。
「うわ~、奇麗♡これ全部お宝?」
「凄いものだな・・・」
「ほっほっほ。どうやら見惚れておる場合ではないようじゃぞ。」
「え?」
ギャッギャッギャッギャッ
通路の奥から何かが大量に押し寄せて来た!
見た目は蟻。しかし異常な大きさ。
体長30cmくらいはあるだろうか。
黒い体の背中は鉱石の粒子で覆われているように見える。
「あれはロードアントじゃな。」
「ロードアント・・・」
「鉱脈に巣くう蟻じゃの。背中は堅いぞ。」
「ほんなら、俺らの出番やな!お前ら行くで!」
「マミー!」
マミーとプッペンたちがロードアントに向かって行く!
「よっしゃ!コテ返しや!!」
プッペンたちは蟻をすくい上げ、地面に叩きつけた!
バシッ!
蟻がひっくり返って腹がむき出しになった。
「よし!私が行く。疾風連閃!」
美桜の超速攻撃
蟻の腹を次々切り裂いていく!
「じゃあ、私も。キャビテーションボルト!」
真白の電撃
蟻は感電し、内部から破裂した!
ロードアントの大群は、一瞬にして魔石と化した。
「ほっほっほ。皆やりおるわい。」
ロードアントを倒した一行は、通路の奥に進んで行く―――
通路の突き当り。
そこは岩場になっていて、下に降りられそうだ。
3人は足元に気を付けながら慎重に降りて行く。
「わぁ!すご~い♪何ここ~?」
「ここが、地下庭園じゃ。」
地下空間なのに太陽光が差し込み、草木が生い茂っている。
よく見ると、草木に交じってクリスタルのような鉱石まで生えている。
中央には池のような水溜まりがあり、中には色とりどりの鉱石が輝いて見える。
「さて、次は何が出るかの。」
岩陰から虹色の群れが飛び出して来た!
「え~何あれ?可愛い♡」
「真白!油断するな!」
虹色の体に大きな目。太く短い脚には鋭い爪が生えている。
そして、やはりその背中には鉱石の粒が輝いている。
「あれはロードリザードじゃな。長い舌に気を付けるのじゃ。」
「ほな、また俺らが先行くで~!」
マミーの指示でプッペンたちがトカゲめがけて飛んでいく!
「よっしゃ!コテ返しや!」
ビュッ!ビュッ!ビュビュッ!!
ロードリザードが長い舌を伸ばす!
「な、なんやて!!」
プッペンたちは舌に捕らえられ、食べられてしまった・・・




