第7話 影
「おう!何だか盛り上がってるじゃねぇか。」
「あぁバルク、おはよう!」
「おはようさん。打ち合わせ、良いかい?」
「うん。お願い。」
「みんな~。ちょっと良いかな~?」
「はーい。」
今日は工事の打ち合わせだ。
この屋敷はかなり大きい。
庭付き3階建て。
1階に食堂。
2階にサロンとジム。
3階には居住スペース。
こんな感じで考えている。
「みんな、どうかな?」
「わたし、プールがほしい!」
「え?アンジュ?」
「道場があると嬉しい・・・」
「美桜まで?」
「俺はサウナだな!サウナ!」
「レオも??」
「わしは、庭に桜の木が欲しいのぉ。」
「お、おじいちゃん!?」
「ほんなら俺は~・・・」
「マミー!もう勘弁して・・・」
「ケッケッケ。冗談やがな!何でもええで♪」
「もう!」
「みんな、ワガママなんだから・・・じゃあ私は~」
「なんでやねん!」
ハッハッハッハッハ~
みんなの笑い声が響いた。
「さぁ、みんな。これ、食べてくれよ。」
「カイ、それは?」
「ウチの残り物で悪いんだけどよ。養霊人参で作ったんだ。」
「え!凄い。美味しそう♡」
「ほっほっほ。また若返ってしまうのぉ。」
「ありがてぇ!いい時に来たぜ。」
「バルクも好きだねぇ・・・」
「そりゃそうだ。こんな貴重なモン。」
みんなで美味しい人参料理を食べた。
「ねぇ、バルク。実際どうかな?」
「みんなの希望を叶えてあげたいけど、厳しいよね?」
「予算もそこまで出せないし・・・」
「まぁ、予算は気にするな。ご馳走になったしな。」
「ホント!?ありがと♡」
「その分、手伝ってもらうぜ。」
「まかせて!」
そして、工事が始まった―――
みんなも、しっかり手伝っている。
建材を運んだり
釘を打ったり
ペンキを塗ったり
工事が進むにつれて、みんなの腕も上がっていった。
アンジュなんて、バルクに教わり図面を引けるまでに・・・
工事は、そろそろ中盤―――
私はレオとカイを連れて、冒険者ギルドに来ていた。
「ミーナ、ちょっと良いかな?」
「こんにちは、真白さん。・・・そちらは?」
「俺はカイ。真白の所で世話になってる。」
「カイさんですね。よろしくお願いします。」
「よろしく、ミーナ。」
「今日はどうされました?」
「サロンの工事も進んでるから、備品を揃えたくて。」
「備品ですか?どのような?」
「エステのベッドとか、ジムの器具、食堂の設備なんかも。」
「そうですね、それでしたら商業者ギルドに行ってみましょう。」
商業者ギルド―――
「え~っと、こちらが中古品のリストで、こちらが新品のリストですね。」
「ありがと、ミーナ。え~、どれどれ・・・」
「おい、真白。ジムの器具は新品の方がいいぞ。」
「そうだね、レオ。」
「食堂の方は中古で十分だぜ。」
「ホント?ベッドも中古で良いかなぁ。」
「ミーナ、実物は見れるのか?」
「はい、ご覧になれますよ。レオナルドさん。」
「じゃあ、頼む。レオでいいぞ。」
3人はミーナに連れられ倉庫に向かい、必要な品物を見繕った。
「とりあえず、こんなもんか・・・」
「結構するなぁ・・・おまけしてくれる?」
「値引きは出来ませんが、ポイントは付きますよ。」
「そうなの?分割でもいい?」
「大丈夫です。では、商品は工事が終わってからお届けしますね。」
「うん、よろしく。」
屋敷に戻ると、みんなは3時の休憩中のようだった。
レイはアンジュたちとおしゃべりして楽しそう。
すっかり、打ち解けた様子。
本当に明るくて人懐っこい、とっても可愛い子だ。
そんなレイを見て、みんなも嬉しそうだった。
ただ1人を除いて・・・
「おじいちゃん、どうしたの?浮かない顔して。」
「ん?あぁ・・・レイのことが、ちょっと気になってのぉ。」
「レイちゃん?」
「そうじゃ。元気になったのは喜ばしいことじゃがの。」
「うん。」
「そもそも病気になった原因はなんじゃ?」
「え?それは・・・」
「元気じゃったのに突然倒れた。」
「医者に診せても原因不明。」
「本当に病気じゃったのか?」
「何か嫌な感じがしてのぉ・・・」
「おじいちゃん・・・」
(さすがやな、このじいちゃん。)
(大賢人の名は伊達やないで。)
(確かに何や、巨大な影が近づいてる気ぃするわ・・・)
マミーもまた、不穏な空気を感じていた―――




