表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
パンツを見たら殺しますよ?  作者: ねむり だいじろう
第3章 カモナマイサロン!!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

30/41

第6話 家族



街はずれの小さな一軒家(いっけんや)―――



カイの妹、レイは寝込んでいた。


理由は分からない。


ある日突然、(たましい)が抜かれたかのように倒れ込み


そこから寝たきりの日々。


ほとんど食事も取れず、日に日に弱っていった。



「レイ、調子はどうだ?」

「今日は良い薬があるんだ。」

「ちょっと、体を起こすぞ。」


カイはレイの体を抱き起こし、水差(みずさ)しに移し替えた人参汁(にんじんじる)で唇を湿(しめ)らせた。



「う、う~ん・・・」


「レイ?」


「おにぃちゃん・・・」


「さぁ、飲んでみろ。」


レイはゆっくり、ゆっくり、人参汁を(のど)に流していく。



・・・しばらくすると、レイの(ほほ)にだんだんと赤みがさし始めた。


「どうだ?気分は。」

「うん・・・ちょっと、楽になった気がする。」

「そうか!ちょっと待ってろ。」


カイはキッチンで料理を始めた。


養霊人参(ようれいにんじん)を使った、温かいクリームスープ。

養霊人参を甘く煮詰(につ)めた、グラッセ。

すりおろした養霊人参入りのミートボール。

デザートに、養霊人参のキャロットケーキ。


レイはベッドから起き出し、歩いてキッチンにやって来た。


「良い匂い・・・」

「レイ!起きられたのか!?」

「お腹すいちゃった。」

「そうか。テーブルに運ぶよ。」


「何だい?良い匂いだねぇ。」

「ばっちゃん!ばっちゃんも一緒に食べてくれ。」


3人はテーブルに着くと、料理を食べ始めた。


「美味しい!お()ぃちゃん、美味しいよ。」

「そうか、そうか。・・・良かった。」


「これは養霊人参だね!若返(わかがえ)るねぇ・・・ヒッヒッヒ。」

「ばっちゃんの言う通りだったな。凄い人参だ。」

「だろ?それにしても、よく()って来れたねぇ。」

「あぁ。親切なヤツらが採ってきてくれたんだよ。」

「ほぅ。それはしっかりお礼しないとねぇ。」

「明日、お礼に行って来るよ。」


「お兄ぃちゃん。わたしも一緒に行く!」

「レイ・・・大丈夫なのか?」

「うん!もう全然大丈夫だよ。」

「そうか。じゃあ一緒に行こう。」

「それじゃあ、わしも行くとするかねぇ。」

「ばっちゃんも?」

「孫たちが世話になったんだ。当然さぁね。」

「わかったよ。みんなで行こう。」



翌日―――



屋敷の庭では、オルディスとアンジュが草木(くさき)の手入れをしていた。


「おはようっす!」

「おお、カイ。よく来たの。」

「カイのお兄ちゃん、おはよう。」


「ちょっと紹介(しょうかい)したいんだけど、みんな()るかい?」

「お。そうかね、そうかね。ちょっと待っておれ。」

「わたし、呼んで来る!」

(わり)ぃな、アンジュちゃん。」




「カイ!もしかして・・・」

「ああ。おかげ様でな。」

「さぁ、レイ。挨拶(あいさつ)出来るか?」

「うん。・・・みなさん、はじめまして。レイです。」

「兄がいつもお世話になっています。」

「そして、わたしのために人参を採って来てくれてありがとうございます。」


「キャ~♡可愛い♪」

「しっかりした妹さんだな。」


「みなさん、孫のためにありがとねぇ。」

「カイのおばぁちゃん?」

「そうだよ。孫たちが世話になったね。」

「いえいえ。レイちゃんが元気になって私たちもうれしいです。」

「お礼に何でもするから、遠慮(えんりょ)なく言っとくれよ。」

「いえいえお礼なんて・・・てか、全然ボケてないじゃん。」

「おい真白!失礼だぞ。」


「カイ!アンタまた、わしをボケ老人(あつか)いしたんだね!」

「ち、違うよ、ばっちゃん・・・ごめん。」

「ったく、アンタは・・・」

「あ~、ごめんなさい、おばぁちゃん。失礼なこと言っちゃって。」

「ヒッヒッヒ。いいんだよ。確かに少しボケていたのかもしれん。」

「え?そうなの?」

「あぁ。じゃが昨日、養霊人参を食べてから頭がスッキリしてねぇ。」

「ホント!?凄すぎ養霊人参!」


「ほっほっほ。生命力の(かたまり)じゃからの。」

「ん!?アンタ・・・オルディスかい?」

「ほっほっほ。久しいのぉ、マーサよ。」

「え?おじいちゃん知り合いなの?」

「まぁの。かれこれ70年ぶりくらいかのぉ?」

「70年!?」

「アンタ、全然変わっとらんねぇ・・・生きとったとは驚きじゃ。」

「ほっほっほ。マーサは()けたのぉ・・・」

「当たり前じゃろ!あの頃わしはまだ10代じゃぞ。」

「食堂の看板娘(かんばんむすめ)じゃったからのぉ。」

「看板娘?おばぁちゃん凄い!」

「マーサ目当(めあ)ての冒険者も多かったんじゃ。」

「アンタはあの頃から(じい)さんじゃったがね。」

「え?ちょっと待って。おじいちゃん、何歳なの?」

「ほっほっほ。内緒じゃ。」

「何言ってんだい!アンタゆうに150()えとるじゃろ。」

「な・い・しょ・じゃ。」


「あの~、真白。昨日の話なんだけどよ・・・」

「カイ?」

「やっぱり俺に店、やらせてくれないかな?」

「ホント!?うれしい♪」

「いいのか?」

「もちろん!期待してるよ♡」

「ありがとな。」

「あの!真白さん。わたしも兄の店、手伝いたいです!」

「レイちゃん、大歓迎だよ~♪看板娘だね♡」

「それじゃあ、わしも看板娘やろうかねぇ。」

「おばぁちゃん??」

「ヒッヒッヒ。冗談じゃ。わしは畑でウマイ野菜作って持ってくるさね。」

「いいね~、それ♪」



「さぁ~、楽しくなってきたぞぉ~♪」



屋敷の庭に、みんなの笑顔が(はじ)けた―――


その光景はまるで、大家族のホームパーティーのようだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ