第3話 あこがれ
スリムになった和代。
XLサイズがMサイズになった。
まだノーブランド。アンジュはお預け。
初めてのコンタクト。ちょっとドキドキ。
メイクは薄めで大丈夫。エステのおかげ。
ミニスカートに脚を通す。
ジムとエステで引き締まった太ももが眩しい。
「さすがにチョット恥ずかしいな・・・スースーするし。」
「でも、今日は特別な日だから。このままで。」
小さなバッグを持って、和代は街へと繰り出した。
いつも通いなれた道。
いつもなら、ただ通り過ぎるだけのビルの前で和代は立ち止った。
『HOP SEVEN』
建物の上階には大きな観覧車もある、若者に人気の商業施設だ。
「私がホップに来るなんて、夢みたい。」
感慨に浸る間もなく、人波に飲まれて建物に入って行った―――
館内は吹き抜け。天井には大きなクジラのオブジェが吊られている。
憧れの『アンジュ・ド・ルミエール』は6階。
はやる気持ちを抑えて、和代はエスカレーターに飛び乗った。
2階、3階、4階・・・心が躍る。
もうすぐ5階。その時だった・・・
スゥ―――
何かの気配を感じ、振り返る。
帽子を目深にかぶった男が、スカートの中にスマホを向けていた。
「キャーッ!!」
和代はスカートを押さえ、同時にスマホに手を伸ばす。
しかし、盗撮犯は和代の手を振り払った。
和代は、勢い余って転倒。そのまま4階まで転がり落ちる!
エスカレーター下部の踏み板に勢いよくぶつかり、はずみで金属製のカバーが外れ、高く舞い上がった。
金属製カバーは、吊ってあった電飾を引きちぎり、一緒に和代の上に降って来る!
バリッ!!バリバリバリッ―――
「ぐがっ!が、が、が、がぁーっ!!」
和代は感電。
どんどん意識が遠のく・・・
(あれ?わたし、死ぬの?あぁ、わたしのアンジュ・・・)
(もうちょっとだったのに・・・せっかくきれいになったのに・・・)
(あ、あいつ・・・まだ撮ってる・・・)
(あーあ、スカート捲れてるじゃん・・・)
(あの盗撮犯、ニヤニヤしてる・・・)
(絶対、許さない・・・絶対に!!)
プツン―――
和代は死んだ




