第5話 人参パワー
幽霊屋敷の2人―――
「山嵐!」
とんでもない強風が屋敷の中を吹き抜ける
ガホゲホゴホ・・・
ハ、ハ、ハーックシューーンッ!!
「あ、アンジュ・・・コホッ・・ちょっと・・・」
「ケホ・・ご、ごめんなさい・・・くちゅんっ!」
ものすごい量のホコリが舞い上がっていた
「上手く行くと思ったんだけどな~」
「ま、まぁ天井のホコリも取れたようだし、良かったんじゃないか?」
「よっしゃー!子分ども、行くでー!」
マミーの指示で、プッペンコープスたちが雑巾がけを始めた
「あれ?マミー、居たの?」
「居たの?やないで!遊んでんと手ぇ動かせ!」
「はーい。」
「遊んでる訳では・・・」
3時間後―――
「ふ~、ようやく片付いたか・・・」
「屋敷が明るくなったね♪」
「お前ら、ご苦労さんやったな。また頼むで~」
プッペンたちは静かに消えていった
「ただいま~♪帰ったよ~」
「おかえりなさい。先生、真白ネェ。」
「ただいまじゃ。良い子にしておったかね?」
「はい、先生!」
「そうかそうか。ほっほっほ。」
アンジュの頭を撫でるオルディス
「えへへ~。」
「お帰り。あれ?師範は?」
「ただいま、美桜。レオなら寄るところがあるんだって。」
「そうか。・・・で、人参は採れたのか?」
「もちろん。」
真白はポーチ型のアイテムボックスから養霊人参を取り出した
「よ~れいにんじん~~♪」
「す、凄いな・・・これが養霊人参・・・」
「凄いでしょ♪・・・ところでカイは?」
「あぁ、カイなら妹さんの所だ。でも、もうすぐ戻ると思うぞ。」
「そうなんだ。てか、屋敷キレイになったね?」
「みんな頑張ってくれたからな。」
「そっか、ありがと。」
そのころレオは武器屋にいた―――
「へい、らっしゃい。あぁ、毎度。」
「主人、すまないが今日は客じゃないんだ。」
「では何か?」
「知り合いに腕のいい大工は居ないか?」
「大工ですか?まぁ、居るには居るんですが・・・」
「ですが?」
「へい。ウチの兄貴なんですけどね・・・」
「けどね?」
「腕は間違いないですけど、今、腰をやっちゃってやして。」
「腰か・・・いや、問題ないぞ?」
「え?まともに動けないんですよ?」
「ああ。俺の仲間が治してくれるはずだ。」
「・・・そうですか。では、裏の自宅に居ますので一緒に。」
「ああ、頼む。」
2人は自宅の兄のもとへ向かった
「おぅ兄貴、客人だぜ。」
「客?誰だ?」
そこには武器屋の店主そっくりのドワーフが寝転んでいた
「寝ているところ、すまない。俺はレオ。腕のいい大工を探している。」
「あぁ、ワシはバルクだ。腕には自信があるが・・・」
「腰なら問題ない。治せるぞ。」
「え?アンタが?」
「いや、俺の仲間がな。」
「そうか・・・治してくれるなら助かる。」
「一緒に来てくれるか?」
「いいだろう。」
「兄貴、大丈夫か?」
「ああ、ボルク。ちょっと出て来る。」
「バルクとボルク・・・アンタら・・・」
「ああ。双子だよ。」
「そうか。ちょっと兄貴を借りていくぜ。」
そう言うと、レオはボルクを抱え上げた
「おいおい!ワシはこっちだ!」
「あ・・・悪い」
改めて、レオはバルクを抱え上げ屋敷へ向かった―――
「あ、カイ帰ってきた。」
「お、こっちから師範も帰ってきたぞ。」
「ん?あれ誰?」
「あぁ、みんなすまねぇな。大丈夫だったか?」
「大丈夫だよ、カイ。人参も・・・ほら!」
「おぉ、これが・・・」
「効くと良いね。」
「・・・ありがとう。」
「じっちゃん。これは、どうやって食べさせればいい?」
「どうやっても良いはずじゃ。」
「どうやっても?」
「そうじゃ。湯に煮だしても、そのまま食べてもの。」
「そうなのか?」
「まぁ、寝たきりなら煮だして飲ませるが良いじゃろう。」
「わかった。試してみるよ。」
「おぉ真白、ちょっといいか?」
「レオ、おかえり。その人は?」
「こちらはバルク。腕の良い大工だ。」
「大工さん?やった♪レオ、ありがとう。」
「それでな真白。バルクの腰、診てくれないか?」
「腰?」
「お嬢さん。アンタが治してくれるのかい?」
「私、医者じゃないけど・・・診てみるね。」
真白はポーチから簡易ベッドを取り出した。
「そんなもの、よく持ってたな。」
「買ったんだ~。じゃあ、ここへ寝かせて。」
レオはバルクをうつ伏せに寝かせた
「では・・・インスペクション・オーラ」
真白はバルクの腰に手をかざす
「ん?悪くなさそうだけど・・・」
「あ、これかな?」
「ここは・・・腎臓?」
「あ~、あれだ、石だ。」
「お父さんも苦しんでたな~」
「はい、決まり~。石で~す。」
「どうだ、真白?治せそうか?」
「う~ん・・・やってみる。」
真白は腎臓に出来た石に、ピンポイントで狙いをつける
「キャビテーションボルト」
「ウッ!」
「あ、ごめん。痛かった?」
「いや、大丈夫だ。・・・あれ?」
「どうしたの?」
「体が軽い・・・おお!楽に動けるぞ!」
バルクは起き上がるとピョンピョンと跳ね始めた
「おお!最高だ!」
「ちょっと、ちょっと。ダメージは残ってるはずだから・・・」
「ハッハッハ。ありがとよ!」
「あの~、コレ飲んでみるかい?」
「え?カイ、これって・・・」
「ああ。今そこで煮だしてみたんだ。」
「もう?」
「もちろん味見はしたぜ。ちょっと苦いけどな。」
「じゃあ・・・」
みんなで煮だした人参汁を飲んでみた
「うわっ!ニガッ!」
「にがいよ~」
「ほっほっほ。良い味じゃ。」
「さあ、バルクも。」
「ああ。・・・これは!?」
「もしかして養霊人参か??」
「そうだよ。知ってるの?」
「もちろんだ。こんな貴重な物を・・・ありがてぇ」
「あれ?何だか力が湧いてくるような・・・」
「確かに!これは凄い」
「ウォオオオオゥゥゥ!!何だ、このエネルギーは!」
「ほっほっほ。また、若返ったわい。」
「これ、ホントに効くかも。早く妹さんに飲ませてあげて。」
「あぁ、そうだな。行ってくる!」
「気を付けてね。」
「ああ。また明日な!」
カイは走って帰って行った―――




