第3話 妹
ガッシャーン!!ガラガラガラ・・・
「オラーッ!」
パリーン!バリバリバリ・・・
「お、オイッ!何しやがる!!」
「うるせぇ!邪魔なんだよ!」
「二度と店やれねぇようにしてやるぜ!」
「オラーッ・・・あれ?」
レオがごろつきの首根っこを掴み、持ち上げていた。
ガウォオオオオゥゥゥーー!!
レオの咆哮
ごろつきAを振り回すと、ごろつきBとCに投げつけた!
ギャン!ぐえ!ゲボッ!
「えいっ!」
ビリビリビリビリ!!
真白のマイクロカレントショック
「アガ、ガ、ガゲ、ゲゲゲ・・・プスッ、プスッ・・・」
「まだやる?」
「ひっ」
「き、今日はこれくらいにしといたらぁ!」
「待ってくださいよ~、アニキ~」
ごろつき3人組は、オルディスの作り上げたぬかるみに脚を取られながら逃げていった。
「・・・」
「大丈夫?」
「これじゃあ、もう続けられねぇな・・・」
「あの・・・もし良かったら、私たちのところで食堂やらない?」
「え?・・・いや、同情はいらねぇよ。」
「ううん、同情じゃないの。」
「じゃあ何なんだよ。」
「あなたの腕と目。うちのサロンに欲しいだけだよ。」
「サロン?」
「うん。エステサロン。」
「エステ?なんで食堂を?」
「うちはエステとジム、それに食事も含めて美や癒しを提供したいんだ。」
「・・・なるほどな。でも俺には無理だ。すまねぇな。」
「どうして?あなたなら出来るよ。」
「いや、そうじゃない。ちょっと事情があってな。」
「事情?」
「さぁ、みんな片付けちゃお。」
「そっち、持ってくれ。」
アンジュと美桜が壊れた屋台を片付け始めた。
「そうだね。さっさと片付けて屋敷で話そう。」
「あ、ああ。みんな、すまねぇな。」
みんなで屋台を片付け、辺りを掃除した。
店主は少し寂しそうな顔をしていた・・・
幽霊屋敷―――
「こ、これは・・・立派な屋敷だな。」
「あはは~。まぁ、これからだからね。」
一同は思い思いに腰を掛けると、店主の言葉を待った。
「ふー・・・話さなきゃならねぇ雰囲気だな。」
「無理はしなくていいけど・・・話して欲しいな。」
「・・・じゃあ、聞いてもらおうかな。」
「俺には年の離れた妹がいるんだ。」
「可愛いやつでな。人懐っこくて、朗らかで。」
「うちは親がいないからよ。ばっちゃんはいるけどな。」
「だから俺が親代わりみたいなもんでよ。」
「ずっと3人で楽しく暮らしてたんだけどな。」
「・・・それが3ヵ月ほど前に病気になっちまって。」
「医者にも診せたんだけど原因不明でさ。」
「日に日に弱って来ちまって・・・」
「ばっちゃんが見てくれてるけど、俺もなるべく一緒にいてやりたいからな。」
「だから昼間の短い時間だけ屋台出してたんだ。」
「あんたのサロン?片手間でやるわけにはいかねぇからな。」
「それに俺の目を買ってくれてたけど、妹の病気には気づけなかったしな。」
「悪ぃな。そういう訳だからよ。」
「妹さんの病気って・・・?」
「分からない。突然倒れて寝たきりになっちまったんだ。」
「治す方法はないの?」
「・・・ばっちゃんがおかしなこと言っててよ。」
「おかしなこと?」
「どんな病気にも効く人参があるっていうんだけど、誰も知らなくてな。」
「人参?」
「ちょっと、ボケちまってるのかもな・・・」
「老人をバカにするでない。」
「おじいちゃん?」
「それは養霊人参のことじゃ。」
「養霊人参?」
「え?ホントにそんなものがあるのか?」
「あるとも。もう、あまり採れないらしいがの。」
「ホントか、じっちゃん!どこで採れるんだ?」
「北の森じゃ。『アンデッドの森』と呼ばれておる。」
「アンデッドの森!?」
「そうじゃ。死者が彷徨っておるのじゃ。」
「死者が??それもうデッドしてるじゃん!アンデッドじゃないじゃーん!」
「いや真白、それがアンデッドだぞ。」
「・・・知ってるよ~美桜~」
「じっちゃん、その人参はホントにどんな病気にも効くのか?」
「まぁ、実際は何にでもという訳ではないじゃろが、試す価値はあるじゃろな。」
「そうか。しかし・・・」
「どうしたの?」
「自慢じゃないが、俺は弱い。」
「え?」
「ゴブリンに半殺しにあったことがあるんだ。」
「え?」
「ばっちゃんに助けてもらったくらいだ。」
「あぁ、子供の頃の話?」
「いや、去年。」
「そ、そっか。まぁ、向き不向きがあるしね。」
「面目ない。」
「でも大丈夫。私たちが採ってくるよ。」
「え?・・・いいのか?」
「まかせて!結構強いんだよ、私たち。」
「じゃあ・・・俺も一緒に。」
「いやいや、いいから。あなたは妹さんについててあげて。」
「・・・ありがとう、恩に着る。」
「そういえば名前、聞いてなかったね。」
「私は真白。フローレンス・真白・アルメリアだよ。」
「俺は、カイ・バーナード。カイと呼んでくれ。」
「レオだ。」
「私はミオ。」
「アンジュだよ。」
「じっちゃんでよいぞ。」
「みんな、よろしく。世話になる。」
「ところで真白・・・」
「どうしたの、美桜?」
「すまないが・・・今回私は、留守番でもいいか?」
「え?どうしたの?」
「わ、わたしも・・・」
「アンジュまで?」
「何というか、その・・・」
「ガッハッハ!お前たち、幽霊が怖いんだな?」
「し、師範・・・はい。」
「そっか~、じゃあ今回はレオと2人で行ってくるよ。」
「すまない・・・」
「ごめんなさい・・・」
「いいから、いいから。掃除お願いね♪」
「ほっほっほ。じゃあ、わしが一緒に行こうかの。」
「え?おじいちゃんが?」
「そうじゃ。案内がいるじゃろ?それに、きっと役に立つぞ。」
「オルディス様、ご無理なさらず。」
「大丈夫じゃ、レオ。久しぶりに腕が鳴るわい。」
「よ~し。じゃあ3人で人参掘りに行こ♪」
楽しい人参掘りに出発です!!




