第12話 資金調達
ハァハァ・・・
動悸が激しい
息が苦しい
汗が止まらない
何だこれは・・・体が動かない
目の前には漆黒のドラゴン
仲間の命を奪い
俺の左腕も奪った敵
ドラゴンの首元が赤く光る
口を大きく開けると咆哮と共に火球を放った―――
「師範!」「レオ!」
美桜と真白は同時に飛び出し、レオの手を引き倒れ込んだ。
「神風!」
激しい暴風雨が火球の軌道を変える。
火球は壁にぶつかり、塵と消えた。
「みんな、大丈夫?」
「ありがとう、アンジュ。助かったよ。」
「師範!師範!いったい、どうしたんですか!?」
「す、すまない・・・」
「謝らないでください。でも、どうして・・・」
「・・・」
「レオ。こいつは、あんたの腕を奪ったダークドラゴンじゃないよ。」
「あ・・・」
「こいつは、ダークワイバーン。マミーとプッペンくらい違うでしょ?」
「あぁ・・・そうだな。」
「それに、たとえダークドラゴンだとしても、今のレオなら負けない。」
「え?」
「今のあなたに慢心はない。装備もちゃんとしてる。それに・・・」
「それに?」
「私たち弱いんだから、ちゃんと守ってくれるんでしょ?」
「・・・フッ、ガッハッハ!そうだったな。」
「師範!次、来ます!」
ダークワイバーンは火球を放った!
「みんな、俺の後ろへ!」
「グレートカウンター!」
レオは大盾で火球をはじき返した!
しかし、ダークワイバーンはひらりとかわす。
「アンジュ!アイツの翼に攻撃できるか?」
「うん!やってみるね。」
「鎌鼬!」
風の刃が翼を切り刻む!
ダークワイバーンは浮力を無くし落下。
「よし、いいぞ!」
「マイクロカレントショック!」
真白は素早く相手に近づき体に触れた。
バリッ!
ダークワイバーンは感電し動きが止まる。
「旋風斬!」
美桜は回転の勢いで切りつける!
ズシャッ!
ダークワイバーンの腹部から血が噴き出る。
ギャオオオゥゥゥーーーッ!!
ダークワイバーンの咆哮!
尻尾を振り回して美桜を狙う!
「ミオ!」
レオは美桜の前に出て大盾で受け止めた。
「師範!」
レオは地面が割れるほど脚を踏み込み身を屈めると、全身に力を込める。
「グレートビッグバン!」
溜め込んだ力を一気に解放して大盾ごと突進!
ドンッ!
ダークワイバーンの裂けた腹部に体当たりすると、勢いのまま体を突き抜けた。
腹部に大きな穴の開いたダークワイバーンは力なく倒れ、やがて魔石と化した―――
「やったー!勝ったよ~、みんな~。」
「ふぅ。師範、やりましたね。」
「レオすご~い。」
「みんな、ありがとう。お前たちに救われたよ。」
「え?助けられたのは私たちですよ。」
「いや、そうじゃない。そうじゃないんだ。」
「??」
「ガッハッハ!まぁいいさ。さっさとお宝回収して帰ろうぜ!」
「そうだね!魔晶石、魔晶石っと♪」
「装飾品も溜め込んでる!?ラッキー♪」
「おったか~ら、おったか~ら、ワーイワイ♪」
「真白・・・相変わらずだな。フフフ。」
「お姉ちゃん、楽しそうだね。」
「ガッハッハ!愉快、愉快。」
真白たちはお宝を回収すると、帰路に就いた・・・
冒険者ギルド―――
「ミーナ、ただいま~。」
「真白さん!おかえりなさい。ご無事でよかったです。皆さんも。」
「じゃあ、早速・・・これがダークワイバーンの魔石。」
「こっちが10階層の主、リーチロイの魔石とその他の魔石。」
「そして、これが魔晶石。」
「それから、お宝いっぱいっと。」
「す、凄いですね。こんなにたくさん・・・」
「では、確認させていただきます。」
「確認できました。」
「早っ!」
「まず、成功報酬が50万WN。討伐対象の魔石が70万WN。合計120万WNです。」
「凄っ!」
「そして、10階層の主とその他の魔石の合計で98万WN。」
「おお、いいね。」
「ここまではそのままの金額をお渡しできます。」
「ん?どういうこと?」
「はい。魔晶石と装飾品などは20%の手数料を頂くことになっています。」
「げっ!そうなの?高くない?10%にならない?」
「なりませんね。」
「そっか~・・・みんな、どう?」
「まぁ、そういうものだろう?」
「そうだぞ、真白。そういうものだ。」
「真白ネェ、換金するのに手数料が掛かるのは当たり前だよ。ギルドの運営にもお金が掛かるんだからね。」
「アンジュ・・・そ、そうだよね~。あはは~・・・」
「では、続けます。」
「はい。お願いします・・・」
「魔晶石が25万WN、その他装飾品などが47万WN。合計72万WN。」
「ここから20%の手数料144000WNを引きまして、57万6千WN。」
「これら全てを合計しますと、275万6千WNとなります。」
「こちらでよろしいでしょうか?」
「お~、凄い金額!それでお願い。」
「ありがとうございます。こちら4名で均等に割りますか?」
「うん、そうして。」
「いや、待ってくれ真白。私の取り分は真白が受け取ってくれ。」
「え?ダメだよ、なんで?」
「もう、真白の夢は私の夢でもあるからな。」
「美桜・・・」
「わたしの分もね。」
「アンジュまで?」
「わたしも一緒にサロンで働きたいの。」
「アンジュ・・・」
「真白。俺の分も受け取ってくれないか?」
「え?レオも?」
「俺を正式なパーティーメンバーにして欲しい。」
「ホント?それは大歓迎だよ!でも報酬は・・・」
「いいんだ。俺もそのサロンとやらで働かせてくれ。」
「マジ?じゃあジムのトレーナーやってもらおうかな。美桜と一緒に。」
「ほう、トレーナーか。面白そうだ。」
レオが仲間になった!
「じゃあ・・・みんな、有難く使わせてもらうね。」
開業資金(一部)を手に入れた!
「さぁ、忙しくなるぞ~!!」
第2章 ー 完 ー
いよいよ、サロン完成か?物語は第3章へ・・・




