第8話 仲間
レオは静かに語り始めた―――
俺はかつて『黄金の獅子』<レオニス・ドール>というパーティーに所属していた。
レオニス・ドールは連戦連勝。
まさに、飛ぶ鳥を落とす勢いで戦果を上げていった。
俺は調子に乗っていた。
どんな魔物にも負ける気がしなかった。
タンク役だったのに、大盾なんて持たなかった・・・
「おいおい、レオ。お前はまた、そんな装備で・・・」
「うるせぇなー。大盾なんてダサいもん持てるかよ。」
「小さい盾と大きな斧なんて、タンクの装備じゃないだろう。」
「大丈夫だ。お前らに怪我なんてさせねぇからよ。」
「まったく・・・」
「まぁまぁ。いいじゃねぇか、リーダー。」
「ライアンまで・・・レオを甘やかすんじゃないよ。」
「ほらほら、アンタたち。そろそろ行くわよ。」
「リオンヌからも言ってくれよ。」
「言っても聞くヤツじゃないでしょ。ほっときなよ。」
「ガッハッハ。さあ、行こうぜ!」
「やれやれ・・・」
西の洞窟30階層―――
「ハァハァ・・・こいつ、何なんだ・・・」
「強すぎるでしょ・・・」
『深淵の古竜』ダークドラゴンだった。
「全員、聞け!相手が悪すぎる。退却するぞ。」
「ふざけんじゃねぇよ!ここまで来て引き下がれるかよ!」
「おい、レオ!言うことを聞け!」
「そうよ、レオ。リーダーに従いなさい!」
「ビビってんじゃねぇ!みんな俺が守ってやるさ。」
ダークドラゴンが尻尾を振り上げる。
「来やがれ!トカゲ野郎!!」
尻尾の攻撃!!
レオは左腕の盾で受け止めた!・・・つもりだった。
「ヘッ!どうだ?大した攻撃じゃないぜ!」
「レ、レオ・・・腕が・・・」
「は?」
ブシャーーーッ!!!
レオの左肩から大量の出血
腕が無くなっていた
「お、俺の腕が・・・」
「レオー!!」
ドサッ
レオが倒れた。
「リオンヌ!レオを連れて逃げるんだ!」
「でも・・・」
「早くしろ!」
「わかった。・・・みんな無事で!」
――――――
「ハァハァ・・・ライアン、俺が囮になる。みんなと逃げてくれ。」
「何言ってんだよ、リーダー。俺はあんたに付いて行くって決めてんだ。」
「ライアン・・・」
「さぁ、みんな!ここは俺たちに任せて逃げろ!」
「ハッ!カッコつけてんじゃないよ。俺たちも最後まで戦うに決まってんだろ!」
「お前ら、馬鹿ばっかだな・・・」
「おっしゃ!行くぞ、お前らーーーっ!!」
「ゥウウウォーーー!!」
誰も、帰って来ることはなかった・・・
「という訳だ・・・」
「わかっただろ?俺のせいでみんなは死んだ。俺が殺したんだ。」
「だから仲間にはなれん。すまない。」
「師範・・・」
「お前に身の丈に合った武器を使えと言ったが、あれは過去の自分に言ったものだ。」
「でも、私のために言ってくれたんですよね?仲間を守れるようにと・・・」
「俺のようになってほしくなかったからな。」
「でもさぁ、レオ?今のあなたの装備は?」
「・・・大盾と鉤爪だが。」
「でしょ?」
「それはソロプレイヤーの装備じゃないよね?」
「仲間を守るための装備じゃないの?」
「そ、それは・・・」
「私たちのような弱き者を守るのが、今のあなたの身の丈なんじゃない?」
「・・・」
「取りあえずさぁ、1回一緒に来てよ。」
「私たち、お金が必要なんだけど、報酬の高いクエスト受けられないんだよね。」
「取りあえずって、お前・・・」
「ね!いいでしょ?」
「ハァ・・・分かったよ。」
「やったー!」
「じゃあ、あらためて・・・」
「フローレンス・真白・アルメリアよ。真白って呼んで。」
「私は、ミオルディア・セレーネ・・・ミオとお呼びください。」
「レオナルド・クリニエールだ。レオでいい。」
「あともう1人、アンジュって子がいるんだけど・・・」
「そうだ。アンジュに謝らなくては・・・今どこに?」
「たぶん、食堂だと思う。」
「私、行ってくる。」
「待って、みんなで行こう!」
食堂―――
「いた!アンジュ~。」
「あ、お姉ちゃんたち!」
「あの・・・アンジュ、この前は悪かった。すまない。」
「いいよ。わたしも勝手なことしてごめんなさい。」
「いや、アンジュは何も悪くない。」
「・・・わたしもお姉ちゃんたちと一緒に冒険したい。」
「しかし、危険だ・・・」
「わたし、きっと役に立つよ。」
「ほっほっほ。この子の力はわしが保証するぞ。」
「おじいちゃん、誰?」
「ほっほっほ。」
「真白ネェ、この人はわたしの先生なの。」
「先生?」
「うん。水の大賢者?すごい先生なんだよ。」
「何?水の大賢者だと?」
「知ってるの?レオ。」
「もちろんだ。世界四大賢人のオルディス・アクレイン様なのですか?」
「ほっほっほ。そのオルディスじゃ。」
「へ~、すごいおじいちゃんなんだね?」
「お前、失礼だぞ!」
「ほっほっほ。おじいちゃんでいいぞ。」
「でも、アンジュの力って、どういうこと?」
「この子は、風の魔術師としてかなりの素質があるようじゃ。」
「マジ?すごいじゃんアンジュ。」
「えへへ。」
「しかし、危険なことに変わりはないと思うが・・・」
「それなら、俺が守ってやる。子供を傷つけさせやしない。」
「師範・・・」
「それに、お前もいるしな。ミオ。」
「はい!」
「よ~し。それじゃあ早速、明日にでも行ってみようか?」
「いや、明後日にしよう。」
「明後日?」
「ああ。俺の弟子の武器が出来てからだな。」
「ふ~ん、じゃあ明後日ね!おじいちゃんも行く?」
「ほっほっほ。わしはお留守番じゃ。」
「だよね~。」
こうして、新たなパーティーが結成された(仮)




