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パンツを見たら殺しますよ?  作者: ねむり だいじろう
第1章 わたし、エステサロン作ります!!

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第2話 きれいになりたい


花岡和代(はなおかかずよ)24歳。

中堅企業(ちゅうけんきぎょう)の事務員。

仕事は出来るが、見た目で損をしているタイプ。

地味デブ眼鏡の()モテ女子である。


週末には、ビールとつまみを買い込みネトゲ三昧(ざんまい)

趣味は人形作りという可愛い一面も。



ある日、晩酌(ばんしゃく)をしながらテレビをみていると―――



『優しい光に包まれたい―――天使の微笑(ほほえ)み、アンジュ・ド・ルミエール』



和代は、テレビ画面から目が離せずにいた。

「可愛い・・・」


「何、今の!可愛すぎるんですけどー!!」

「え?え?ちょっと待って。アンジュド・・・何だっけ?」


カチャカチャカチャ・・・

パソコンで検索を始めた。


「あった、これだ!アンジュ・ド・ルミエール。」

「光の天使・・・素敵♡」

「こんなパンツ着けたら可愛いだろうな。でも・・・」



和代は元々、スリムだった。

しかし、高校入学前に当然太りだし、見事な高校デブーを(かざ)ってしまったのだ。


それ以来、和代は可愛いパンツを着けなくなった。

なぜなら、可愛いランジェリーショップを見つけても、

「私なんかがお店に入ったら、きっと迷惑。それにサイズも・・・」

そんな風に考えるようになってしまった。



和代はいつもネット通販で、XLサイズの地味なノーブランドの下着を買っていた。

しかし・・・



「これ()きたい!」

「アンジュ・ド・ルミエールが似合う素敵な女性になってやる!絶対!!」



その日から、和代の努力の日々が始まったのである。


まずは、食生活の改善。

晩酌を我慢し、栄養バランスのとれた高たんぱくで低カロリーな食事を心がけた。

週3でジム通い。

有酸素運動で汗を流しながら、ハードな筋トレもこなしていった。筋肉痛に涙する日々。

そしてエステにも。

痩身(そうしん)マッサージやマシンを使った施術(せじゅつ)を受けて、徐々にスリムになって行く・・・


そして、8ヵ月―――


鏡を見た和代が小さくつぶやいた。

「な、ナイスバディ♡」


「和代さん、よく頑張りましたね。」

「先生!ありがとうございます!私じゃないみたいです。」

「あなたですよ。あなたの努力の成果です。自信を持ってください。」

「はい。そうですよね・・・私、頑張りました!」


和代の目に、涙がにじんだ―――



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