第3話 天才少女
私の名前はアンジュ。
今、とても後悔している。
どうして、こんなことになったのだろう―――
草木が生い茂り光が届かない室内
舞い上がるホコリ
蜘蛛の巣をかき分け進む
カビと湿気の臭いが立ち込める最深部・・・
なんとも不気味な風貌の幽霊がこちらを見ている。
「ま、ま、真白ネェ・・・う、うしろ」
「え?どうしたのアンジュ?」
「ひぃっ!・・・ま、真白」
「え?美桜まで?」
・・・ドサッ
「え?ミーナ?・・・気絶してる!」
「ちょっと、みんな~。どうしたのよぉ。」
「何やお前ら!失礼なやっちゃな!!」
幽霊が叫んだ―――
「ギャー!!」
「キャー!!」
「あれ?マミー。居たの?」
「居たの?やないでー!オレのこと忘れとったやろ。」
「あはは、ゴメンごめん。忙しかったからさー。」
「あ、あの・・・真白の・・・知り合いか?」
「あ~、紹介してなかったね。え~っと、使い魔?みたいな?」
「誰が使い魔やねん!ダチやダチ、マブダチやで!」
「そ、そうか。使い魔だったのか。」
「マブダチや!ま・ぶ・だ・ち。」
「ねぇ、使い魔ってなぁに?」
「そうだな~、お手伝いさんみたいな感じだな。」
「誰がお手伝いさんやねん!・・・て、もうええわ。」
「この子はマミー。みんなヨロシクね。」
「ヨロシクやで!」
「あ、ああ。よろしく頼む。」
「こんにちは!マミー。」
「おぅ、こんにちは!ええ子やんか。」
「で、マミー。何しに出てきたの?」
「ん?ああ、アドバイスしてやろう思ってな。」
「アドバイス?」
「そや。この物件、なかなかのモンやで。」
「そうなの?ボロボロだけど?」
「そんなもんは何とでもなるわ。」
「ここにはええ気が流れとる。」
「ちゃんとキレイにして御日様いれて。」
「水だけイマイチやから、水道管替えてもらえ。」
「ふ~ん、そっか。ありがと♪」
「あ、ミーナ。大丈夫?」
「ごめんねー。この子、私の友達なの。」
「マミーっていうの。ヨロシクね。」
「マミー・・・。」
「それでね、ミーナ。ここに決めたよ。」
「え?本気ですか?」
「うん。水道管って替えてもらえるかな?」
「あ~、そうですね。古くなってるので無償で交換しておきます。」
「やった。ありがとう。」
「それと、お金なんだけど・・・支払い待ってもらえるかな?」
「う~ん、頭金で10万WNほど入れていただければ、多少は。」
「わかった。ギルドに戻ったら払うよ。」
「ところで、稼げるギルドクエストとかない?」
「あるにはありますが、お2人はまだEランクですから受けられませんね。」
「そっかぁ・・・どうにかならない?」
「まぁランクの高いメンバーと一緒なら大丈夫ですけど。」
「なるほど・・・わかった。ありがとう。」
翌日―――
真白と美桜は出かけて行った。
Eランクのクエストをこなしながら、上位ランクの仲間を探すらしい。
私は食堂へ。
扉を開けるとコーヒーの香りが漂ってきた。
カウンターでは今日も老人が1人、コーヒーをすすっている。
「先生、おはよう。」
「おお、お嬢さん。おはよう。」
「お勉強、教えてくれる?」
「ほっほっほ。もちろんじゃとも。」
3日目―――
新聞を読むのに苦労しなくなった。
九九を覚えた。
5日目―――
長編小説を読破した。
方程式をマスターした。
7日目―――
2人はFランクに上がったらしい。
私は先生と図書館へ来た。
絵本から学術書まで何でもそろっている。
1冊の魔導書を手に取る。
見たこともない古代文字で書かれている。
しかし、不思議と理解できた。
先生が小さなガラス玉を差し出してきた。
私はそれを受け取ると、ガラス玉に”気”を込める。
すると、ガラス玉は緑色の光を放ち粉砕した。
「ほう・・・」
先生の嬉しそうな顔を見て、私も嬉しくなった。




