表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
パンツを見たら殺しますよ?  作者: ねむり だいじろう
第1章 わたし、エステサロン作ります!!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/13

第11話 アンジュ(後)


真白たちはお気に入りのランジェリーを手に入れ、ウキウキで宿屋へ向かった。


宿屋まであと少しの所、1人の幼女(ようじょ)(たたず)んでいる。


服はヨレヨレ、髪はボサボサ、腕や足は傷だらけ。

そして、顔の半分ほどを(おお)う大きなアザがあった。


幼女は不健康に()(ほそ)り、目には光がなく、(うつ)ろな表情を浮かべていた。


真白たちは幼女に()()(ひざ)をついた。

目線を合わせてみたが反応がない。


真白は幼女をそっと抱きしめた。

「大丈夫だよ。大丈夫。」


「マイクロカレントヒール。」

幼女の体を光が包む。

体中の傷が消えた。しかし、顔のアザには()かないようだ。


「ピーリング・リジェネレイト。」

幼女の顔に手をかざす。

アザが見る見る小さくなって行き、やがて()(とお)るような奇麗(きれい)な肌が顔を出した。


「スパークルトリートメント。」

幼女の頭をそっと()でると、ホワイトシルバーのサラ艶髪(つやがみ)が風になびいた。


「うん。きれいになった。次は・・・」


辺りを見回すと子供服屋が目に入った。

「よし、あそこ行こう。」


店に入るとブルーのワンピースが展示(てんじ)してあった。

「あなたによく似合(にあ)いそう。素敵(すてき)♡」


試着室(しちゃくしつ)着替(きが)えさせると、予想通りとてもよく似合った。


グ~・・・

幼女のおなかが鳴った。


「おなかすいたね。ごはん行こ。」


3人は近くのレストランに入った。


やさしい味の(あたた)かいポタージュスープ。

真白は幼女の口にスプーンを運んだ。

一口(ひとくち)二口(ふたくち)・・・(ほほ)が赤らむ。

「おいしい・・・」


やわらかいチーズリゾット。

「ハフハフ・・・おいひー」


ふわトロ(たまご)のシーフードオムレツ。

「自分で食べられる?」

「うん。」

ガチャガチャぱくぱく。

ムシャムシャもぐもぐ。

「ふ~」


「デザートもどうぞ。」

ぷるんぷるんプリンアラモード。

パクパクパクパク・・・

「う~ん♡」


「ウフフ、おいしかった?」


「と~ってもおいしかった。ごちそうさまでした!」

幼女は初めて笑顔を見せた。

とってもキラキラした、天使のような笑顔だった。


「か、カワイイ♡」


「私は真白。こっちは美桜。あなたは?」

「・・・わからない。」

「え?名前わからないの?」


「君は家族はいるのか?」

「いない。()てられたみたい。」

「そうか・・・すまない。」


「今はどこに住んでるの?」

「公園。」

「・・・そっか。」


「ねぇ、私たちの所に来ない?」

「え?でも・・・悪いし。」

遠慮(えんりょ)することないぞ。」

「そうよ。おいでよ。」

「・・・いいの?」

「もちろん!」


「じゃあ・・・なんて呼んだらいいかな?」

「・・・名前ないから。」

「よかったら私がつけてもいい?」

「考えがあるのか?」

「うん。・・・アンジュ。どうかな?」

「おい真白、それって・・・」

「そう。だってさっきの天使の笑顔を見せられたら、これしかないでしょ。」

「アンジュ・・・いいよ。」


アンジュは少し()ずかしそうに微笑(ほほえ)んだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ