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女装
朝日と同じ明るさの光の中、僕は女装をしていた。壁が鏡張りの階段の踊り場に立って、僕はヘアゴムで顎と同じ位置くらいまでの長さの髪の左側を一部だけ纏めた。僕は女性の髪型に詳しくないのでわからないがワンサイドアップと呼ばれるものに近いだろう。
鏡に映る僕は青い綺麗なビー玉のような瞳をしていて、顎が細い。小さく笑うと、少し言葉にしづらい満たされたような感覚があった。僕好みの顔をしていたのだ。
変な服を着ていた。首元が空色の夏用体操服の上に、青く、極端に首元が広いVネックの長袖Tシャツを着ていた。前に屈んだとき、隙間から見える体操服に、僕は少し幼い色気を感じていた。下半身は適当であった。中学の体育で使っていて、今ではパジャマとなっているハーフパンツを履いていた。それで問題はなかった。上半身のみが鏡に映っていたからだ。
僕はピースで写真を撮った。それを「急に女装をして、友達や家族を驚かせましょう」という文面とともに友達に共有しようとしたその時、僕が変顔をしている写真を見つけた。
その顔はさっきの整った僕の好きな顔とは違う、正真正銘の僕の、冴えない、味のしない顔で、ああこれが僕なんだと思って眺めていると目が覚めた。




